ホラリー占星術はYES/NOで答える質問に限定すべきですか?
Q. ペトロス先生の本(「ホラリー占星術」太玄社)では、ホラリーはYES/NOに答えるべきとあり二冊目の「ホラリー占星術 実践ガイド」でもその様に強調されていました。やはりYES/NOに拘るべきでしょうか?
A. 誰もがYES/NOに拘る必要はありません。
(この質問は「ホラリー実占のとっかかり 第3期」の受講者さんからいただきました)
まず前提として、ペトロス先生の主張はプロのホラリー占星術師、もしくはプロを目指す人に向けたものです。そして、その真意はお客さまにとって、役に立つか分からない不明瞭な情報を伝えない、というペトロス先生の方針にあります。チャートからは色々な情報を象徴として受け取れるけれども、占星術師は問われたことが起きるのか、起きないのかを伝えることが最重要というスタンスです。
たしかに「ホラリー占星術」(太玄社)には、こうした説明がないため「YES/NO以外には答えてはいけない」とも読めてしまいます。
でも「ホラリー占星術実践ガイド」にはこうも書いてあります。
「自分の質問は自由に読んでください」
「でもクライアントのお金で探偵や脚本家ごっこをしてはいけません」
正直なところ、誤魔化しのきかないYES/NOの回答は占星術師にとってはプレッシャーです。慣れるまでは少し時間が必要です。それに、実際の会話で「はい」か「いいえ」で答えてください、と言われて良い気はしないでしょう。尋問されているようだし、言いたいことはもっとあるし、二者択一で分けるのは、まるで逃げ道を塞がられるような気分にもなるかもしれません。それでも、この本を翻訳して紹介する動機は十分にあります。ホラリー占星術師にとってYES/NOの良い点を書いておきますね。
まず、YES/NOに答える前提に立つことで、質問に対する感度は否応なく上がります。曖昧な質問や、不明瞭な質問意図を立て分ける基準が明快になるからです。チャートからは色々な象意を得られますから、読み方によって解釈の幅は異なります。曖昧に答えることもできるし、深い物語性を与えることもできます。
ホラリー占星術は術師が質問を完全に理解した時点のチャートを作ります。
もし質問の解像度が曖昧なままに進めれば、読み筋も答えも不明瞭な方向へと進む可能性が高くなります。でも、YES/NOを出す位置に立つことで、視界と思考が明瞭になるのです。YES/NOが薄っぺらな解釈へ導くと誤解しないでください。実際には逆のことが起こるのです。
原題「Horary Astrology Step by Step」の翻訳本です。4ステップでホラリーチャートを読み解くガイド本です。2024年4月刊行
55の鑑定チャートには判定までの手順が書かれています。「占断事例集」「過去問題集」に相当します。2022年3月刊行
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