親愛なる皆さま

ごきげんよう。
屋根裏の歌劇座 座長のリチャです。

今日は秋の新譜CDアルバムから、『シトラス流星群』という楽曲をご紹介しますね。

狭い檻の中で育った少女、ニカの物語。

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未来のイマは気付いたとき
そこまで来てるから怖いよ
追いかけないでいいのなんて
誰に向かって言ってるの？

自分から逃げ出した
ウンザリな日々でさえ愛しいよ
それがあなたと言われても
　
喜びも苦しみも
分かち合うことなんて望むなら
どうあるべきだ

どんな表情（カオ）してる？
こんな感情（イロ）じゃダメ？
ネジれてくネジれてく
ああ誰にもわからない

置いていかないで
見付け出してみて
ほんとうのほんとうは
今もここにいるよ

夜空で輝くお月様
平等にまあるく包んで
ないものねだりもいつの日か
みんなと同じになるの？

溜まってく涙雨
溺れそう
呼吸さえ苦しいよ
心をぽっかり開けたのに

笑顔まですり抜けて
いつか見た流星の願いでも
埋めてしまおう

わざとナナメから
言葉を降らせて
ギマンならイラないよ
やだやだやだ泣きそうだ

現実を観ては
幻滅するでしょ
ほんとうはほんとうの
ことを伝えたいよ

どうしようもない世界でも　
どうしようもないほどいいの
あの子みたいになりたいのに
取り留めないこんな砂のつぶて

曝け出したのは
シトラスの果実
絞っても刻んでも
この声は枯れやしない

星降るガベルで
夢を見れるかなあ
抱きしめて
崩れてく
砂の城のように

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lyric: 花咲めぐり
music: ワロキ
vocal: にしなにか

▼作品特設ページ
https://theater2nd.tumblr.com/

▼CD通販ページ
https://mecanbaco.theshop.jp/items/8453872
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ニカは「生きる」ことにとても臆病でした。
しかし自分のことを護るには拙い言葉しか持ち合わせていません。

それ故に周りからの印象はホンモノの自分と乖離しているのでした。
そもそもホンモノの自分とは何でしょうか。

「それは怖いもの、喜び、何なのだろう。」

誰もニカに答えを教えてはくれません。
やがて全てのことから目を背けたとき、自分のなかに残ったのは不安定な心でした。
その感情を俯瞰でみることが、ホンモノの自分を受け入れることでしたが、とても耐え難いことでした。

そんなニカに、座長は叩くと星が出るだけの魔法をかけたガベル(木槌)と檸檬の木を与えました。

「この檸檬はニカ自身。
心が枯れてしまう前に自分でお水をあげよう。
行き場のない言葉を吐き出す代わりに、このガベルを振ろう。」

自分や誰か、何かを攻撃する武器ではなく、誰かの心にそっと届く檸檬を育てるために。

三日月の夜にガベルから降り注ぐ星を撒くと、たちまち熟れた実がなりました。
ニカは檸檬の木を大切に育てます。
実った檸檬を誰かに贈ることが楽しくなったのです。

あるとき、ガベルを持つと植物の囁きがよく聞こえることに気づきました。
やがて寄宿舎の庭の手入れや農作業を積極的に手伝うようになったニカ。
少しずつでも達成感が心に染み込み、だんだんと穏やかな表情になっていきます。

農場で収穫された新鮮な作物は、寄宿舎の卓に並ぶ美味しい料理に使われます。
ニカは食事の後にすっかり綺麗になったお皿運びを手伝い、最後にとれたて檸檬のいい香りがする紅茶を淹れます。
メイドたちと一息つく時間も、あたたかさとやさしさに触れる大切な日課なのでした。

みなさんには、ニカのように密かに挑戦してみたいことはありますか？
歌劇座でその決意の背中を押すような音楽と出逢えますように。

さて、今日のお話はこれでおしまい。
歌劇座は次なる流れ星を、『屋根裏ひみつ基地』で待っています。
どんな空音でも座長の魔法で、今宵はあなただけの物語を奏でるでしょう。

「わたしはいつだって、キミの悲観を共にみつめよう。」

屋根裏の歌劇座
座長 リチャ より



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※ノートを購入すると、フルコーラスの楽曲データをDLできます。