ジャケット

WANDERER

屋根裏の歌劇座 feat.余市
00:00 | 00:00

※試聴版。オリジナル版(03:20)は購入後に視聴可能。

親愛なる皆さま

ごきげんよう。
屋根裏の歌劇座 座長のリチャです。

今日は秋の新譜CDアルバムから、『WANDERER』という楽曲をご紹介しますね。

星歌隊の所属メンバーでは現在、黒一点として活動している『余市』。
彼が担当する『ヨイチ』という旅猫(たびねこ)の物語です。

『ヨイチ』も担当の余市と一緒にゼロから設定を作り上げたキャラクター。
『テキトー、きまぐれ、飽きっぽい』の三冠王です。

-------------------

遠い日の僕らはまだ幼な子で
離された手を
ぐっと握り締めるしかなかったさ
わかった振りで

渇いた心潤す 希う季節に
決まって思い出すのは
懐かしい情景と哭き声

まだ目には見えない足枷の重みで
この街に退屈したかなあ
そんな時はそうだ
決まって鼻歌を

堂々巡りでも明日は来る
また旅に出ようかと呟く

星空のがらくた綴る土産話
虹の入り江までの案内
ならず者の夜道
名乗る名前もない旅の猫さ

歌を忘れ去った黒い烏は
懐隠れて雨宿りすればいい
気まぐれにでも
おやすみ

-------------------
▼制作メンバー
lyric: 花咲めぐり
music: ワロキ
vocal: 余市

▼作品特設ページ
https://theater2nd.tumblr.com/

▼CD通販ページ
https://mecanbaco.theshop.jp/items/8453872

-------------------

旅猫のヨイチは捨て猫でした。
幼い頃には飢えや凍えそうな季節を路地裏で共に支え合った弟分の猫がいましたが、ヨイチが食料を探しに街を彷徨い、衰弱して倒れかかったところを老夫婦に拾われ、そのまま弟分とは離ればなれ。
やっとの思いで拾われた家から逃げ出したヨイチが路地裏に戻った頃には弟分の姿はなく、今どこで何をしているのかがとても気がかりでした。
そこから弟分を探し出すヨイチの旅のはじまりです。

途中で立ち寄ったある街では、迫害を受けていた仔烏と出逢いました。
なんだか弟分と出逢った日のようだなあとヨイチは少し懐かしくなりました。
仔烏に旅の様々な話を聞かせては、弟分とこんな風にまた過ごせたらいいのにと思います。

それから少し経ち、寒い季節を告げる大きな風が吹いたある日のこと。
そろそろ次の街へ旅立とうと思ったヨイチは、この街に来た日に出逢った仔烏を探します。
虹の入り江をみせる約束を叶えるため、一緒に連れ出そうと思ったのです。
けれどもお互い名前すら知らないふたり。
そういえばあの日以来、街中で遭遇することはありませんでした。
雨が降りはじめ諦めかけたヨイチはふと思い立ち、もう一度だけふたりが出逢った路地裏へ向かいます。
そこには傷だらけになって倒れた仔烏の亡骸がありました。

冷たい雨はいつしか雪に変わり、仔烏を庇うように被さるヨイチはしばらくじっとしていました。
目を閉じたままの仔烏に聴かせる鼻歌はこれまでの旅のお話。
ふたりが出逢った日と同じように、月の見えない夜のことでした。

ヨイチが歌う『虹の入り江』とは、雨上がりの空に架かる虹ではなく月面の平原(Sinus Iridum)のこと。
光を奪われた仔烏にあたたかな明かりを届けたかったのでしょうか。

こうして行く宛のない旅を続ける猫のヨイチ。
いつどうやって歌劇座へ辿り着いたのかは、また別の機会に。

みなさんには、ヨイチのようにふとした時に思わず鼻歌している曲はありますか?
歌劇座でそんな音楽と出逢えますように。

さて、今日のお話はこれでおしまい。
歌劇座は次なる流れ星を、『屋根裏ひみつ基地(座長の部屋。またそこで行われるイベント名)』で待っています。
どんな祈りでも座長の魔法で、今宵はあなただけの物語を奏でるでしょう。

「わたしはいつだって、キミが辿る足元を照らそう」

屋根裏の歌劇座
座長 リチャ より



▼作品特設ページ
https://theater2nd.tumblr.com/

▼CD通販
https://mecanbaco.theshop.jp/items/8453872

※ノートを購入すると、フルコーラスの楽曲データをDLできます。

ここから先は

¥ 200

朗読劇と歌で物語を表現する混声合唱隊『星歌隊』が所属する団体。座長と所属メンバーによるキャラクター創作設定を元に、コンセプトに沿った物語音楽CD作品やライブ・1日カフェイベントなど様々な活動を行っています。