見出し画像

火星は『噴出』のエネルギー・10天体シリーズ①

西洋占星術の10天体の性質や、解釈の幅を広げるヒントをまとめたシリーズの第一回目は『火星』です。星読みを知りたいあなたにおすすめです♪



10天体シリーズ①『火星』について

初回から、なぜ火星なのか?太陽や月からのスタートじゃないのね?って思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。
出生図の中でも、火星のいるサインやハウスの特徴は、意外と周囲の人にもわかりやすく現れていたりします。

火星はエネルギーの源なので、どんな事柄がその人に力を与えて元気にさせてくれるのか、何に熱くなれるのか、みたいなものが見えてきたりしますから、まずは自分の火星に注目することから始めていきたいのと…。
この記事を書いている2025年1月の経過図では、火星は蟹座に長期滞在しています。蟹座には、幸運の吉星・木星が6月に移動してきますから、蟹座の領域のいわんとすることも気になるところです。

今年は牡羊座に多くの天体が移動してくるので、牡羊座のルーラーである火星は、いま注目したい天体です。
火星の性質や火星との適切な付き合い方を身につけていくためにも、10天体シリーズは火星から始めていきますね。

火星の特徴と象徴

火星は太陽系の第4惑星です。地球の外側を回っている外惑星という分類になります。公転周期は687日。太陽の周りを約2年かけて一周します。
2年に一度進行方向とは逆向きに進んでいるように見える『逆行』という現象があります。
ホロスコープ上でも約2年をかけて12サインを一周します。一つのサインを移動する期間は約2ヶ月。火星は牡羊座と蠍座のルーラー(支配星)です。

ギリシャ神話では軍神・アレスに例えられます。血気盛んな荒くれもので、誰もその激しい気性を鎮めることはできませんでしたが、唯一アレスをなだめることができたのは、愛と美の女神・アフロディーテでした。
アフロディーテの愛で、アレスのすべてを包み込んだのでしょうね。

ちなみにアフロディーテは金星に例えられますが、火星と金星は対として位置づけられています。
例えば牡羊座の反対側は天秤座ですが、これをルーラーに置き換えると火星と金星になりますね。同じことが蠍座と牡牛座のルーラーにもいえます。
火星は能動的なエネルギー、金星は受動的なエネルギーと解釈したりもするので、対としてセットで覚えていくといいですよ。

火星の主なキーワードは、エネルギー・情熱・集中力・行動力・戦い・争い・トラブル・変化・男性性…などなど。
燃えたぎるような、抑えきれない『衝動』みたいなイメージが浮かび上がります。
色に例えるなら、炎や血液、肉のような赤でしょう。身体の奥底から熱い炎が立ち上ってくるような生きている証、生命力の象徴みたいなものを連想します。

あなたは火星にどんなイメージを抱いているでしょうか?
思い浮かぶキーワードを書き出してみて、そこから何を感じるかゆっくり味わってみるといいですよ。

火星のエネルギーの活用法

火星の炎は『短期決戦型』です。ガーッと集中的に熱を帯びていき、頂上まで登り詰めて、パッと散って、スッと引くみたいな感じです。
ここぞという時には、ご自身の火星の性質を生かして行動していくのがおすすめです。

例えば火星が射手座にあれば、あれこれ考えるよりも前に、放たれた矢のように、ピューっと直感的に行動に移した方がスッキリすると思いますし、火星が魚座にあれば、何より心の充足や安心感を基準にして、ゆるりと自然な感じで行動していくと良いと思います。

自分らしく火星の情熱の炎を、素直にありのままに燃やすことができていれば、その人自身は快活に光り輝いて、生きている喜びを感じることができます。
反対に自分らしくあることを抑圧されていたりとか、空っぽになるまで何かに熱中する経験をしないままでいると、火星のエネルギーはどんどん鬱積していきます。

例えば牡牛座の火星なら、衣食住の環境が心地よくなければ不満が溜まる一方でしょうし、その反動で欲しいものは何としてでも手に入れようと試みると思います。
水瓶座の火星なら、旧い体制にはもううんざりでしょうし、自由のないことや縛られることを何より避けたいと思うことでしょう。

もし何か、日常生活でイライラするとか、愚痴や不満でストレスが溜まっていると感じたときには、ぜひご自身の火星のサインとそのハウスに関係する事柄で、ご自身のエネルギーを思う存分に『発散』してみてください。

先ほどの射手座火星なら、旅行に出るとか。やったことのない分野にチャレンジするとか。
魚座火星なら、音楽や映画、映像などの芸術作品にどっぷりと浸かるとか。
6ハウスの火星なら、生活習慣を見直すとか、静かに考えを整理していく方向にエネルギーを使う、とかもいいですね。
7ハウスの火星なら、人との交流の中で自分の火星の使い方を学ぶ、もありでしょう。

発散するという視点が、月の求める『癒し』とはまた違うポイントです。はっきりこれと分かる対象にイライラするときには、火星を意識して、自分の中に溜まっている圧を抜いていけるといいですね。

火星は『噴出』のエネルギー

ではこの火星のエネルギーを外側へ出すことなく、抑えて抑えてずっと我慢していくと、どうなると思いますか?
表からは見えないので、不満やくすぶり、行き場のない思いみたいなものは、もうなくなってしまったと感じてしまうかもしれませんが、火星はもとはといえば『燃え盛る赤い炎』です。
生命の源ですから、衝動を抑え続けていくことで、生きている実感がなくなってしまうとか、何をやってもダメだとか、自分を否定する方向に火星のエネルギーを内側に向かって使っていくようになります。
これではちょっと苦しすぎますよね。

火星は外側に向かってエネルギーを噴出するのが本来の性質なので、我慢して抑え込んでいるとその状態と引き合うようにして、怒りのエネルギーを纏った人にやつ当たりされたり、イライラするような出来事に出くわしやすくなったりします。
その出来事は火星の使い方を見直そうね?という、星からのお知らせだったりしますが、それでも気づかなければ怪我とか発熱、事故やトラブルなどに巻き込まれる場合もあります。
自分の身に降りかからなくても、大切な人たちの身の回りに起こることもあります。

ちょっと困ったなぁとか、うまくいかないなぁとか、モヤモヤとくすぶるようなことが日常の中で起きた時には、ぜひご自身の火星の方向性がイライラに向かっていないか、もしくは我慢しすぎていないか、少し見直してみることをおすすめします。

10天体の全てがそうですが、特に火星は自分のために使うことを意識するとよい星です。誰かとのトラブルを解消するために力を注ぐとか、不平不満のはけ口として誰かに当たり散らすとか、そんな使い方はしたくないじゃないですか?
思いっきりスカッとする自分がよろこぶ分野に、火星のエネルギーを昇華させていきたいですね。

火星をコントロールする

思春期の子どもさんがお母さんとかに口応えして、学校とか友達とかとの間のストレスを発散しているようにみえることがありますよね。
親としてはあまり嬉しくない子どもさんの反応ですが、この多感な年頃には自分の不満を人にぶちまけるっていう経験も、味わわせてあげていいと思います。

イライラを人にぶつけた後のバツの悪さとか、自分を責めてしまうような気持ち、またそこからどう関係を修復させて仲直りしていこうか、みたいな経験も身近な家族との間だからできる、人間関係の学びではないでしょうか。

自分らしさの源を外へ投げつけたり、抑え込んだり。
または情熱のままに思いっきり好きなことに注ぎ込んだり。
そんな経験を重ねることで、自分を支える炎は赤々と燃え続けていきます。

子どもさんたちに限らず、大人にも同じことがいえると思います。
社会に出て世の中で活躍し始めた30代・40代の方には特に、周囲との多少の摩擦を経験しながらでも、自分の火星のエネルギーを本来あるべき方向に昇華させて、ご自身の信じる道を邁進してほしいと思います。
50代になって当時を振り返りながら、私が感じていることです。

蟹座火星のいわんとすること

火星は2024年9月から蟹座に滞在していました。その後11、12月は獅子座へ進んでいましたが、逆行の影響で2025年に入ってから4月中旬までの3ヶ月余りの間、火星は蟹座に滞在することになります。

蟹座は活動宮なので、何かを始めていくことが得意です。
火星も集中力だったり行動力だったりするので、今年の4月ぐらいまでは、とりあえずはやってみたいことをどんどん前に進めていくのがおすすめです。
3月からは、牡羊座の領域に海王星や土星など、普段は動かない星たちが移動していきますので、その動きに促されるようにして、身近な事柄にもどんどん変化が訪れることでしょう。
物価は元には戻らず、値上げもおそらくは止まらないでしょうし、気温も今後上がり続けていくかもしれません。

炎のエネルギーは変容のエネルギーでもあります。うまく使いこなせば、望む事柄をより身近なものとして具現化することも可能です。
そのためには、やはり自分にとって大切なもの、これは妥協できない、みたいな『自分軸』をはっきりと持つ必要があると感じます。

何をしあわせと感じるか、心から安心できる事柄は何だろう、大切に守りたいものは何?…そんな問いかけが自分の軸を強くしていきます。
だってね、自分にとってあまり重要でないことに、自分の大切な火星のエネルギーを費やしたくはないじゃないですか?

おそらく来年以降になれば、世の中の変化の流れはますます加速していくと思います。よくわからないままに流されていって、よくわからないことに自分のエネルギーを使いたくはないですよね。
2025年は特に自分にとっての『心地よさ』や『安心感』がテーマになっていくと感じます。どんな時でも意識的に心地よい方を選択していきたいですね。

火星まとめ

①火星はホロスコープを2年かけて一周します
1つのサインの滞在期間は約2ヶ月、2年に一度逆行します。
牡羊座と蠍座のルーラーです。対として金星とセットで覚えていくのがおすすめです。

②火星はあなたのエネルギーの源です
あなたらしく火星がはたらいていれば、毎日がとても快活に輝きます。
イライラや不満で火星がくすぶっていると、トラブルや体調不良を招いてしまいます。
思いっきり好きなことに没頭するとか、体を動かしたり、創作活動などで、あなたのエネルギーがスッカラカンになるぐらい、外側へ出し切る経験をしてみましょう。

③時には人とぶつかって意見を交わすことも大切です
あなたが大切にしている価値観を周囲に見せていくことで、開かれていく道もあります。
積極的に出ていくときと、適切な引き際を見極めるスイッチも、あなたの火星があなたらしく輝いていくことで身についていきます。
大切な火星のエネルギーはあなた自身のために使っていきましょう。

④今のトランジットでは、火星も利いています
あなたが愛おしいと感じる事柄を大切に守りながらも、変化を厭わず行動していきましょう。
いずれにしても、あなたが心地よいと感じるペースで進んでいけば大丈夫ですからね♪

星はいつでもあなたを見守っています。
あなたの火星があなたらしく輝きますように🌟


YouTubeでもお話しています

ポッドキャストでも聴けます(LISTEN.style)


いいなと思ったら応援しよう!

奏愛*そうあ💫Astro Angelica
ありがとうございます。いただいたサポートは西洋占星術のスキルアップ・技能向上・普及の活動に役立ててまいります。