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SVBONY MK105MMレビュー(その3)〜バッフル長め〜
『第二回「天リフ読者レビュー企画」』レビューその3です。
最初に今回の結論
SVBONY MK105MMマクストフカセグレン式鏡筒は
・バッフル長めでケラレの「懸念」あり(実際の使用時は問題ないかも)
・近い側は3mまでピントが合う
・副鏡バッフルなし
経緯
私の天体観測の対象は、月・流星(by ATOM Cam2で2021年8月末から)・太陽(by HELIOS1で2023年5月末から)で、自宅の西向きベランダで見ることがほとんどです。MK105MMが届いたのが七夕7月7日で下弦の月。西向きベランダだと月が見えるのは深夜なのでMK105MMで月を見るのは返却期限の迫る2〜3週間後になります。それまでになんかいろいろやっておくかと言う感じでした。レビュワー7人で私が最後。あちこち輸送されてきてるので念のため光軸ズレチェックしておくかと軽い気持ちでやってみました。そうしたら意外な展開に。
詳細
部屋の壁にレーザーポインタを照射して疑似星として焦点内外像を確認しました。一発OKだろうと思っていたらピントを遠い方にずらすと(焦点内像で)同心円が崩れました。あちゃー、光軸ズレてるじゃん。光軸調整かー、借り物鏡筒で触りたくないなぁ。どうしよう、となりました。
天リフさんに状況を説明したところSVBONYさんに確認していただき、光軸調整してよし、接眼側の3つの長丸ゴムキャップを外すと押し引きネジがあるのでそれで調整、とのことでした。
壁にレーザーポインタを照射して模擬星として #SVBONY MK105MMの焦点内外像を確認してみました。どっちが内か外か確認してませんが😅、一方がズレてました。レビュー企画で7人?の手元を経て何度も輸送されて来たからですかね。私が最後だから光軸調整トライしてみてもいい?かな? pic.twitter.com/k77M8fpV0I
— yagi (@yagikjp) July 10, 2023
何日か逡巡してたのですが、光軸ズレした状態でレビューするのもなぁと思い、意を決してやることにしました。その前に再チェック。そしたら、あれれ?変だぞ?光軸ズレだったら鏡筒を振って向きを変えても像は変わらないはずなのに盛大に動く、なんだこれ?
光軸合わせをやる前に再チェックと思ったら、自分の知らない現象に遭遇。焦点外(←遠い方に合わせる方にノブを回してピントをずらしたけど、外でいいのかな?)の状態で鏡筒の向きを変えると中央遮蔽がセンターからずれる。回りの模様を見ているとそれも動いてるっぽい。焦点内のときはこうならない。 pic.twitter.com/skZ3fyoZ9Y
— yagi (@yagikjp) July 15, 2023
薜さんからアドバイスいただきました。ありがとうございます!
実効的な絞りの位置が補正板付近ではなくなっているのではないでしょうか。
— 薜 (@tcghe) July 15, 2023
リング状の内外像の外径が補正板のフチではなく、バッフル等で蹴られている状態なのだと思います。
今回内外像で挙動が変わった(遠い方に回したときは内像ですね)のは、焦点を引き出したときだけ蹴られたということかと。
中心の黒い円と周辺の模様の相対関係はそのままで外周の範囲が変わると言う状況とも符合するのと、焦点外像は鏡筒を振っても同心円が崩れないので、光軸ズレではなく、バッフル(か何か)のケラレと判断しました。光軸調整中止!よかったー、余計に酷くなる可能性もなくは無いので、触りたくなかったんだよね。
ご注意:焦点内像がケラレてるからと言っても合焦時にケラレてるとは限らないので、これが実際に影響するかどうかは定かではありません。
対物側から覗き込み、鏡筒側面に指を置き、バッフル先端と指の位置が同じ高さと思ったところに養生テープを貼りました。結果は下の写真です。左からMAK127、MK105MM、MC102、MAKSY60で養生テープの部分に赤矢印を付けました。MAKSY60は鏡筒側面がパカッと開くので実際のバッフル先端(黄色矢印)と比べるとズレてるので、当たるも八卦ですが、鏡筒長さ・焦点距離が同じMAK127より対物側に来てる=バッフルが長い感じがします。カタログスペックの焦点距離が近いMC102と比べると鏡筒前面(対物側)からバッフル先端までの距離が同じくらいでした。
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〜〜〜妄想ここから〜〜〜
焦点距離がカタログスペックのFL1365より長いFL1500、カタログスペックに近いMC102と鏡筒先端〜バッフル先端の距離が同じくらい、ということから、もしかしたら、もしかしたらですよ、FL1365で設計していたんだけど、あとになって鏡筒を伸ばしてFL1500に変更した結果、バックフォーカス許容長さが短め、バッフルでのケラレが出る、といった副作用が出たとか?これは、もう、そうですね、妄想ですけどね。
〜〜〜妄想ここまで〜〜〜
追加情報
3mまでピント合います
室内で焦点内外像チェックをしてて、ところで近いところどこまで寄れるんだろう?と思ってやってみたら、なななんとMK105MMは3mまでピントが合いました。いやー、天体望遠鏡だから20~30mからでもいいんだけどなぁ、その分、遠い側への余裕、バックフォーカスの許容幅を増やしてほしいなぁ(ノーマルでは正立プリズム+双眼装置でピント合わなかったし)と思いました。
#天リフ さんの #SVBONY MK105MMのレビュー企画いろいろ試してますが、K-70直焦点でどこまで近くに寄れるんだ?トライしてみました。今回もリンちゃんにお手伝いいただきました。鏡筒先端からの距離3mでピント合いました(あと5~10cm寄れそう)。すげー寄れる。MK127は8mでもピント合いませんでした。 https://t.co/71ZWnVlcrs pic.twitter.com/Nxy4yCuuAE
— yagi (@yagikjp) July 15, 2023
副鏡バッフルありません
ぬんまさんから「副鏡のバッフルってあります?」と質問いただきました。
そういえばMK105MMに副鏡のバッフルってあります?
— ぬんま (@DldpKOzvfKLpzsc) July 23, 2023
その分を補うために長いとかは?
実際は副鏡側に付けないと
いくら主鏡側を長くしても効率が悪いんですが
無いとしたらコストの関係でしょうかね🤔
確認したところ、副鏡バッフルは無いみたいでした。
副鏡バッフルがないと判断した状態の写真を撮ってなかった。こんな感じ。 pic.twitter.com/QNZOasxosS
— yagi (@yagikjp) July 29, 2023
ちなみにMK127、MC102、MAKSY60には副鏡バッフルあります。
φ(..)メモメモ
— ぬんま (@DldpKOzvfKLpzsc) July 23, 2023
MAK127とMC102はあると思います💡https://t.co/kpChxKynjshttps://t.co/48AaWN8s1v
←MAK127 MC102D→ pic.twitter.com/7o0Zv8ZFap
リンク
レビューその1:レビューまとめ
レビューその2:実はFL1500
レビューその3:バッフル長め この記事
レビューその4:暖色系
レビューその5:手持ち撮影やってみた
レビューその6:おつきさま眼視観望