つるの話
むかしむかし、あるところにおじいさんが一人で住んでおった。
おじいさんが柴刈りに行った帰り道、一匹の鶴が罠にかかって苦しんでおったそうな。
おじいさんは罠を外したところ、鶴は何度もお辞儀をするように頭を下げ、東の山の方へと飛んでいった。
その日の晩、おじいさんの家の戸を叩く音がする。
何かと思って返事を返すと、戸の向こう者は男の声でこういった。
「道に迷ってしまいました。
どうか一晩泊めていただけませんでしょうか?」
おじいさんは「ははあ、さては昼の鶴が恩返しに来たな。こういうのは若い女性と相場が決まってるものじゃが、男性のパターンもあるのか」と思い戸を開けた。
すると驚いたことに戸を叩いていたのは普通に道に迷っただけの『つるの剛士』じゃった。
「鶴の恩返しではなく、つるの剛士だったとは…」
おじいさんは少し残念に思いながらも、つるの剛士が話す面白トークで結構楽しい一夜を過ごしましたとさ。