UIって何ですか?

昨日、こんなことを書いたんですが、日頃馬鹿話しか書かない人が突然そういう話を書いても何の信憑性も無いなぁと気づきまして(笑)
どうしようかなと思っていたんですが、ちょうど今日会社で入ったばかりの方に「UI・UXって具体的にどういう事か分からないんですが…」と聞かれたんで、その時に話した事を書いてみようかと。
そして「ああ、この人、普通の話もできるんだな」と思って貰おうかと(笑)

UI。
ユーザーインターフェースの事です。
使用者(ユーザー)が機械やアプリなどを操作するために必要になるボタンとか、キーボードとか、マウスとか、カメラとかの入出力部分(インターフェース)や、それに付随する文字説明とか、そういうのがUIです。

「良いUI」なんて言う場合は、使い方を迷ったり、使いづらかったりしないようになっている状態ですね。
例えば、何の文字も書いて無くて異常に小さいボタンが3つだけ付いている電子レンジがあったとして、それは見た目はスッキリしていてオシャレだけど、使いやすい物ではない。
機械のメインテーマがオシャレであればそれでも良いんですが、お年寄り向けだとしたらそれは「悪いUI」という事になる。

さて、ここでエレベーターのUIについて考えてみましょう。
恐らく、これが一般的なエレベーターのコントロールパネル(UI部分)だと思います。
一般的な大人なら、誰が見ても使い方分かりますよね?

まず、エレベーターのUIの良い所を挙げてみます。
日頃は「そんなの当たり前」だと思っていることがちゃんとしたUI設計に基づいていることがわかると思います。

・1階が下、10階が上に配置してある。
縦書きのルールで数を数えるなら右上が1階(このビルの場合はB1),左下が10階になっているべきなんですよ。
「上の階のボタンは上に配置する」事で、直感的な操作が行えます。

・2列に分ける
直感的にするとは言え、B1から10階まで全部1列で並べると長くなりますんで、2列に分けて押しやすいボタンの大きさを実現しています。

・B1ボタンが列からはみ出した場所に配置してある
1階を下から2番目に配置しちゃうと、1階に行こうとして間違えてB1を押しちゃう人が発生する恐れがあります。
「B1は1階から−1階分ですよ」って言うのを感覚で理解してもらえるようになっていて、エントランスがある1階が下から2番目だと分かるようになっています。

・非常ボタンは目立つ高さにありつつ、間違って押さない場所に
大人の目の高さで分かりやすく、しかも通常操作のパネルから離して配置してありますので、非常時にはすぐに押せて、ウッカリ押す危険性も少なくなっています。

・「開」ボタンが色付き
一般的に急に押す機会が多いのは「開」方のボタンですので、とっさに目につくように色を付けてあります。
赤や黄色だと押しちゃ駄目って意味にも取られそうなので、緑なんだと思います。

と、まあ、ざっと見ただけでもUIを色々工夫してあるのが分かります。
こういうのを理解せずに雰囲気だけでUIを語る人がIT業界にたまにいてイライラするんですよねぇ(笑)

さて、じゃあこのエレベーターのパネルで駄目な所を挙げてみたいと思います。

・「開」「閉」がどっちがどっちか分かりづらい
これ、日本におけるエレベーターの永遠のテーマなんじゃないでしょうか。
多くの人が「あれ?どっちだっけ?」ってなったり、実際に開けなきゃいけないシーンで閉めちゃったりした事あると思います。
同じ様にアイコンで「◁▷」「▷◁」でもわからないし、「OPEN」「CLOSE」でも咄嗟には分からない人も多いと思います。
エレベーターのデザイナーさんは本当に一発逆転は無いかずっと考えてるんじゃないでしょうか。

・「開」が左にある
これ、ほとんどのエレベーターがこの配置で、ずっと不思議なんですよね。
実際に複数人でエレベーターに乗った時(自分が先頭だった時)の事を考えてみてください。
 1.やってきたエレベーターにまず自分が乗る。
 2.体を翻して、向かって右にある操作パネルで行きたい階のボタンを押す
 3.後から乗ってくる人のために右手で「開」ボタンを押す
 4.後から乗ってきた人が行きたい階(6~10階)のボタンを押す
このタイミングで、自分の右手は向かって左側にある「開」ボタンを押すことになるんですが、後から乗った人はその手よりも向こう側にある階のボタンを押すことになるんですよ。
知らない人と手がクロスするハメに陥るんですよね。
しかも、開けてくれている腕のせいでボタンや階の表示部分が隠れてしまって見えづらくなったりする。
これ、「開」ボタンを右側(出来れば階の右列ボタンよりも更に右)に配置すれば済むことなんですよね。
でも、殆どのエレベーターはこの配置(「開」が左)なんですよ。
何か理由あるんでしょうかね。

と、まあこんな風に分解して考えてみると、いつも見ているエレベーターのパネル1つでも色々と工夫されていたり、されていなかったりするのが分かるかと思います。
こういう物を何も考えずに迷いなく使えるようにしたり、操作のミスが減るように考えるのがUIをデザインするって事になります。

ディレクターみたいな肩書付いてるくせに分かってない人、結構いるんですよねぇ。
ダメUIを見かけた時はちょっとイラッとしたりしています(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?