10/12 13:00公演「風が吹かない、コンクリートの上で立ち尽くす」
ココの演出家が好きでファンクラブ入ろってなったのでそりゃあ行きますよね、ってことで行ってきました。明日も行く。
やっぱり情報量の多い舞台なので印象の感想を思い出した順に書きます。ネタバレもアリ。なんでもアリ。
SFも良い人を決めるのもしませんwと事前情報(?)があったのでどんなものが出てくるかワクワクして行った訳ですが、ワクワクしがいのある人間の感情のぶつけ合いみたいな舞台でした。
役者さん詳しくないのでまあアレン座の人以外はイイショに客演してた人しかわからんしな〜で行ったので尚のこと生っぽさを感じて良かった。
でもやっぱり目印になるのでみたことある人の動きを追ってしまうね。どうしてもね。特に栗田さん(ココの劇団の人)。
というか生っぽすぎて怖くなってくる瞬間があるので知ってる顔を見つけることで「コレはお芝居でフィクションだ」って安心したいのかもしれない。
メインキャラはイイショ客演で出てた俳優さん2人と栗田さんなのかな。栗田さん、いつも「シャカリキに元気すぎてちょっと押し付けがましい人」の役やってるな、とぼんやり思う。
文化祭の準備〜当日までの数日間の物語。
綺麗に滞りないクラスの、個別の本心と全体の同調の話。
自分が学生時代の頃にも「ジモトーク」とか「学校裏サイト」とか「前略プロフィール」とかあったなあ。結局ああいうのって悪口言うのも聞くのも楽しめるのはスクールカースト上位者だけで自分みたいなそもそも認知されてるかすら謎の底辺枠は何も面白い部分がないので速攻で見飽きてしまったけど。
上部が平和なら学校なんかそれだけの場所なんだから良いじゃない、みたいな。
裏サイトが無かった義務教育時代はマジ暴力とか物質的なアレソレがあったので。アレが無いなら裏がどうとかどうでもいいなーと。
話はそれましたが劇中、教師3人はその状況に対するスタンスが違う。
表面上問題ないなら騒ぎ立てる必要もないでしょう、の女教師
裏垢把握済みな上で静観の男教師
どうにかしましょうよ!とシャカリキする男教師
特にクラスに馴染めてない子だけでも!と言う男教師に「特別扱いはねえ…」と他二人。
結局ハッキリ目に見えて浮いてないと救われないなら何もしないのも平等では?と自分も思う。教師だって限界があるし、向こうからやってくるならまだしもなあ、と。
学生達も内心仲良しグループに思うことはあっても表面上はサラリとうまくやっている。クラスの出し物もスローガンもタイパ重視で決めていこうと言う話になる。「みんな+100の幸せなんか求めてない。プラマイゼロ〜ちょいプラスくらいがせいぜいでしょ」の思考、まあそうなんだけどその思考だと結果マイナスに振っちゃうぞ、と思わなくもない。
主張を出す練習をしておかないと結果誰も欲しがらない場所を押し付けられちゃうぞ、とか。
あとまあどうでも良いけどクラスTに「IKEKKA」って書いた以上スローガンに「行けっか」は入れようぜ、と思ってしまった。
その中で各人の悪口をまとめたサイト(?)を個別に作ったwebページが書かれたメモがそれぞれの下駄箱に入れられる。動揺する生徒+報告されたシャカリキ系男教師。
それでも生徒は表面にまた薄く蓋をする。女教師の言う通り「騒ぎ立ててもしょうがない」から。自分も心当たりあるし、もあるのかもしれない。
いにしえインターネット老人の自分から言うなら「毒吐きネットマナーから読み直してこいよ」の事態。ネットに個人情報書いちゃダメって2000年代は常識だったんですよ、みたいな。
mixiあたりからグズグズになって今こんな感じですけど。
文化祭の準備も話し合い中に急に発言した誰かの「リアル脱出ゲーム」で進める事にはなったがテーマがフワッとしているので進まない。漫然と手を動かしながら個々に繋がらない作業をしている。君らそこはフワフワで方向性ゼロでええんか。効率悪くないか。
その中で「クラスの良い奴」を漫然とやっていた男子がおかしくないか?怒ってよくないか?と言い出す。大分シャカリキ先生に影響されている。騒然とするクラス内。「言える訳ないから裏垢に書いてるんだろ」「言えない奴は我慢しろって事?」飛び交う言葉。ここであ、厳しい、となって知っている顔を探し始める自分。
女子のなー言ってるのがまあ自分が多少なりとも見聞きした事のあるそれらにとても忠実で大変。あーそんな事言って揉めてる話聞いたことあるーみたいな。自分は蚊帳の外なので被害者ですらないけどああ言うのって消耗するよなあ。
結果キャパ超えした女子が消しゴムを投げた所で教師到着。「どう言う状況?」口々にしどろもどろに事情を言い出す生徒達。その中で個人が思っている事、出来ること、得意な事を発言していく。つるりとした生徒達にテクスチャが貼られていく。
シャカリキ先生は嬉しそうにしてしまう。こういう交流が欲しい人だったもんな。
「脱出ゲームがしたい」と言った子が誰だったかもわかって、何だかスッキリした表情で準備を進める生徒達。
この後だったかな、イイショに客演してたコンビがギターで劇中にやってたダンスパート曲を歌っててニヤニヤしてしまう。というか19もやってて「ワァー!ボクマダだ!」ってなった。ココの作品過去作見てるとさらに楽しいですよポイントがちょっと挟まれている感じがあー過去作見なきゃ…ってなる…楽しい…
「こっちだぞ」「大丈夫だぞ」「ちゃんと見ているぞ」を主軸に大人は動き出していたけれども、ちゃんとそれ覚悟を持って言わなきゃダメですよ?と何となくうっすらな気持ちで見てしまった。
そう言いながら「わかりやすい奴の対応」でキャパオーバーしている教師見てきたしなあ。
最終的に劇中生徒はそれで前を向いて行けていたけれども。
君たちがそれで良いならそれはそれなんだけども。結局自己主張しなきゃだからね。一人で生きていくんだったら尚更。
さっぱりとした秋空のような気持ちで観劇を終えられたから良いんだ…こっちも。
学校ものってやっぱりどうにも自分が見てきたものの記憶がチラつくなあという今日でした。明日はもうちょっと舞台上に集中できるかなあ。