『天官賜福』意地悪神官たちと慕情に泥をぶつける謝憐 第97章・第98章
慕情が去ったあとも謝憐の「泥沼から抜け出せない生活」は続いてた。
お父さんは病で高額な薬が必要になるし、大道芸だけじゃお金が足りない。万策尽きて、謝憐は強盗を決意してしまった。
でもね、強盗を実行した夜、謝憐は現れた天界の神官30数人に目撃されてしまうの。
こんな山奥に神官が30人も集まるのかって話だけど、殿下は下界で強盗をするほど悲惨な状況なんですね?あぁ、大変だ、黙っていますよって言いながら彼らは後で思いっきり謝憐を裏切る。
これなぁ、本当にやるべきじゃなかったよ。この出来事に謝憐はこの先ずっと苦しむことになるんだ。
強盗未遂を犯したこと、天界に知れ渡ってしまっただろう、いずれ風信の耳にも入るだろう…
その恐怖に耐えられなくて謝憐は家を飛び出して墓場で酒を飲みまくった。なんかなぁ、飲みたくなる気持ちがわかるというか…
本当は惨めな自分でも受け入れてほしい。でも、仙楽太子として神官としてそんな姿は見せてはならない、風信にがっかりされたくないって気丈にふるまっているの。
苦しいね…
慕情が去ってから謝憐にとって一番の恐怖は風信が離れていくことなんだよね。友達を失うことは本当に辛い…
そんな謝憐のそばに鬼火の花城がふわふわやってくるんだ。
泥酔して墓穴に落ちて這い上がれなくて、謝憐は何度も悪態をつくんだけど、鬼火の花城は心配そうに漂って小さな灯で温めてあげようとする…
どんな時の殿下でも愛している、花城はこの時もそう思っていたんじゃないかな。
謝憐が墓場で飲んだくれていた二日間だけど、風信は謝憐の両親の世話をして大道芸でお金を稼いでいた。
あぁ、風信… 君はどうしてそんなに尽くすことができるんだ…!
この頃だよね?君が剣蘭と出会ったのは。彼女を愛して一緒になりたかった。でも、謝憐を国王夫妻を裏切ることはできないし娼婦の剣蘭を身請けするにはお金がいる。
なんだかなぁ… 本当に何もかもが上手くいかなくて、謝憐も風信も胸の内をさらけ出せなくて、不器用だよね、男同士って。
それでもいつまでもウジウジしていられない!謝憐は一人山にこもって修行することにした。風信と両親の期待に応えようと再飛昇を目指したんだ。
でもね、あの強盗未遂事件が邪魔をした。強盗を目撃した神官30数人が山中に現れたの。
でもって慕情も現れた…!慕情、どういうわけか天界の神官になってた…!
他の神官に引き抜かれたって、かなり素早い転職活動じゃない? そんな簡単に神官復活できるほど君は有能だったの…
なんか裏がないですかね?
謝憐は「ここで修業する!」と枝一本で立ち向かい、鬼火の花城も参戦して優勢だった。でも、神官となった慕情の刀にはさすがに勝てない。呆然としている謝憐を他の神官たちは小突いて、転ばせて泥だらけにした。
鬼火の花城を掴んで潰そうともした。
あのさぁ!お前たちは神さまなんだろう?よってたかって虐めるなんて、そんな大バカ者が神さまなんてやるなっ!きぃーーーっ!!
ここは本当に腹が立って、腹が立って、いいか、お前たち、いずれ花城にボコられるからな…
この時、慕情は泥にまみれた謝憐から目を背けた。
それでも帰り道で転倒して立ち上がれない謝憐に手を差し伸べたんだ、あの時は立場があるからできなかったって。
でも謝憐は泥を掴んで泣きながら慕情にぶつけまくるのよ、友達だと思っていたのに裏切って、立場を優先して、泥まみれの謝憐から目を背けたんだ、泥をぶつける以外にどんな言葉があるっていうんだよ!
謝憐の葛藤があまりにも切なくて、辛すぎて、また号泣…
あぁ、これ本当にどうしたらいいかわからないくらい泣いた…
800年後、謝憐が3度目の飛昇を果たして慕情と再会した時、ぎこちない会話がずっと続くよね。謝憐が慕情を友達扱いしていな感じがして、あぁ、なるほどって思った。
でもね、止まっていた友情は800年経ってから動き出すんだ。
慕情、本当は謝憐が大好きだからね。
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