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『天官賜福』三千の長明灯と戚容のその後 第42章・第43章 

こんにちは。ふわちゃまるです。
今日は『天官賜福』第四十ニ章と第四十三章のお話をしたいと思います。

ここからは第3巻百無禁忌に入ります。
謝憐が両親の陵墓を訪れ戚容と対峙した続きです。戚容に怒りの鉄槌が落とされるのか!と思ったけど違った。
謝憐は戚容の魂魄が入った男とその子供を連れて菩薺観に戻ることにしました。ははっ、この展開は予想外だった~、郎千秋との問題があるから手元に置くことにしたわけね?
戚容はどうしようもない奴なんだけど、登場すると話が面白くなるから嫌いになれないのよね。
謝憐の毒入り料理?を食べさせられたり、花城からデコピンされて失神したり、川に沈められたり、風師と地師からボコられたり、菩薺観の入り口に転がって悪態をついたりとホント笑わせてくれる。

そんなある日、菩薺観に風師がやってきました。
天界の年一度の大イベントである中秋宴のお誘いです。なんてことはない、神仙をからかった趣味の悪い戯曲を催し、最後には闘灯を眺めるというもの。闘灯で競う長明灯の数は人界での奉納数を表すのでプライドの高い神仙にはかなり大切なイベント。

中秋宴当日、今年も一位は帝君でしょうと誰もが思っていた時、夜空一面に三千の長明灯が昇りました。
それはすべて花城が謝憐のために供えた長明灯。
千とも万ともいえる魚が川を泳ぐように輝く長明灯に誰しもが言葉を失いました。
花城って、本当に素敵。
あなた一人のためにってサプライズしちゃうところ、なんか胸が熱くなっちゃった。

帰り道、謝憐は森の中で蚊に刺されまくっていた戚容と体を借りている男(難しいな表現が…)の子供、そして風師に預かってもらっていた郎蛍をつれて菩薺観に戻ります。
真っ暗な道を花城が供えてくれた長明灯が天から明るく照らしてくれます。

「美しい景色は心の中にある。だから、他人に興ざめなことを言われても もう平気だ」
『天官賜福』3巻 第四十三章 78頁より

謝憐は心の中でそう呟いて胸を張って歩き出します。
花城と出会って謝憐は少しづつ変わってきたような気がします。

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