陸マイラー復活の兆し?〜移り変わる新ポイント勢力図と、旧型ショッピング誘導マイレージボーナス〜
1.はじめに
「陸マイラー」という言葉が流行りはじめたのは、15年前、いや20年前ぐらいのことですかね? 過去に頑張った方ももう、おぼろげにしか覚えていない方も多いのではないでしょうか。
私自身、十数年前から貯めたマイレージは、久々見たら西海岸を往復できるぐらいに溜まっていました。
もう死語になりつつある陸マイラー、もしや復活かも?と思いここにnoteに記載します。
私はとあるソシャゲプレイヤーです。本業はしがないSEです。前職場の労働組合で打ち上げ会等の会計を任されることが多かったため、「飲み会の会費を現金で集めてクレカで決済すること多く(すると現金が手元に残り日々の生活費を口座から引き出すことが減る)、ならばクレカでマイルが貯まる陸マイラーやったろう!」といういたってヨコシマな想いから早や幾年月。
新型感染症で飲み会も減り、露頭に迷う陸マイラーに救いの手はあるのか?
というテーマで寄稿します。
2.そもそも陸マイラーって?
"陸マイラー"とは、ほぼ飛行機に乗らず(乗ったとしても短距離だったり出張程度だったり)、航空系クレジットカード利用やショッピングなどでマイルを貯めて、そのマイルで旅行に行くなど計画するポイント活用法の一つです。
ようは、「マイレージのポイ活」のことです。
"陸マイラー"という概念が生まれた2000年代初頭は、Tポイントや家電量販店系統のポイントぐらいしか高額ポイントを活用できるサービスが無かった時代の印象です。(あっても大手スーパーの会計0.3%ポイントとか、スタンプカードとか)
そのため、「飛行機に乗ったマイレージでマイル(=ポイント)が貯まる!さらにクレカ決済のショッピングでも貯まる!」という陸マイラーは、当時とても魅力的に見えました。
もちろん、ヨドバシカメラで高額家電をクレジットカードで買い物をすれば、ヨドバシゴールドポイントと航空系クレカ決済分のマイレージが貯まります。両立も可能だったというわけです。
〜時代は○○ポイントサービス激化へ〜
ただ、時代が変わり、2010年代にポイントサービスの囲い込みが激化しました。Pontaポイント、dポイント、楽天ポイントなど、大手コンビニやチェーンストアがTポイントに対抗し、ポイントサービスの勢力図が出来上がってきました。
長らく"陸マイラー"をしていた私も、競合サービスが増えたため「すぐに使えないマイルより大手ポイントでええやん!」となり、クレジットカードのメイン出費をTポイントなどの「ポイ活」へと乗り換えました。
そしていつしか、陸マイラーという言葉も聞かなくなっていきました。
さらにトドメを刺したのは、2020年代前後で新型感染症とともに始まったPaypay、aupay、楽天payなどのQR決済ブームで、その事業者がポイントサービスを行っているため、もう陸マイラーは絶滅危惧種と言ってもいいのかもしれません。
〜日本の航空会社のマイルには絶対的な弱点がある〜
さて、日本の航空会社であるANAとJALのマイルには決定的な弱点があります。それは有効期限です。
今どきでは珍しく「付与日から3年」という非常に厳しいポイントサービスです。今でもJAL/ANAは、ポイントが付与された日付をポイントごとに正確に記録してあり、3年前に付与されたマイルが消失することをアナウンスしてくれます。これはANA/JALがマイレージを導入した約20年前からずっと続く最大のデメリットと感じています。
3年前に飛行機に乗ったりクレジットカード利用で得たマイルが、"付与された日の3年後のその日"には、残高が減ってしまうのです。
マイルという性質上、本来「飛行機にポイントで乗りたい」からマイルを貯めているわけで、3年以内に消えてしまうポイントに追われて旅行の計画なんて、新型感染症もあり私はしたくありません。いつでも使える近所のスーパーの買い物とは違うんです。
当時からTポイントやヨドバシゴールドポイントは、「最後に使った/付与された日から一年」という"最終更新型"になっていました。逆にこうでもしないと、ユーザーを囲い込むことはできなかった、ということだと推察しています。
3.実は私は日本の航空会社のマイルを貯めていない!
ここまでnoteに投稿しておいて、大事なことをお伝えします。私はANAとJALのマイレージは貯めていません。(!)
では、なぜ陸マイラーになろうとしたか。
陸マイラー常連さんであれば、ご存知の方も多いと思います。それは、無期限マイルである米ユナイテッド航空の「マイレージ・プラス」をクレジットカード機能つきで貯めています。
では、なぜアメリカの航空会社のマイレージなのかです。理由を以下に3つあげます。
a.有効期限が無期限である
ANAやJALのマイルと、ユナイテッド航空マイルが決定的に異なるのは無期限マイレージであることです。2019年までは"増減があると延長"の、いわいる実質無期限型でしたが、現在は期限を完全撤廃しています。
b.ANAでもユナイテッド航空のマイレージプラスが貯まる
そもそも国際線は、当然ですが国外の都市との便ですよね。つまりコードシェア便など相手国側の航空会社でもマイレージを貯められるのは、ある意味当然なわけです。
ユナイテッド航空のマイレージは「スター・アライアンス・グループ」というマイレージ連盟で、日本ではANA系列が加盟しています。どのANA便でも(たとえ国内便でもきちんと手順を通せば)、スター・アライアンスを通してユナイテッド航空のマイレージ・プラスにマイルが貯まります。
とは言え、飛行マイルが100%にならないなどの条件はANA同等にありますが、無期限マイルは、私にとって必須に近いです。
c.クレカの発行元が日本の信販会社である
最後に、円を利用している、いわいる普通の日本国民である私にとって、海外信販のクレジットカードは、支払い方法も契約面でも懸念があります。米ドル払いになるのは為替の面で心配です。
ちなみに「credit」の直訳は"信用"です。
そのため、日本のクレディセゾン経由(セゾングループ)で契約できるユナイテッド航空のマイレージ・プラスUCカード(マスター)がベストでした。
4.【ここから本題】ポイ活から○○経済圏へ
さて、ここまでは陸マイラーならば多少は耳に挟んだことのあるネタかと思います。本題に入りましょう。
ここまででも述べたとおり、
ポイントサービス【Tポイント/dポイント/Pontaポイント/楽天ポイントetc】の集約化
QRコード決済の活性化
楽天経済圏やPaypay経済圏の発生
これらがこの5年以内に発生し、陸マイラーはポイ活に変貌し、さらにポイ活は【楽天経済圏】/【Paypay経済圏】といった形に変化してきています。
すっかり本来のマイルという構想を忘れてしまった陸マイラーたちへ語りたい。
2020年春、ヤフー経済圏をメイン支払いにしていた私に衝撃ニュースが届きます。
「ヤフーカード(現Paypayカード)のPaypayチャージでTポイントがつかなくなります」という改悪ニュースが!
5.陸マイラーの記憶を呼び起こせ!
私は憤ります。
「は? PaypayチャージでTポイントが付くからマイレージ・プラスUCカードを使わずにヤフーカードでPaypay使ってたんだけど?」
と。
今にして思うとポイント二重取り(Tポイントを貰いつつもPaypayボーナスを貰う)といわれるとそのとおりで、当時の私は「改悪かよ!、これだからK国資本(SB)は信用できん!LINE事故も故意だろ!」とまぁ、Paypayボーナスを貰いつつもずいぶんな言い分ですよね。
さておきまぁ、私は気づくわけです。
「あれ?マイレージ・プラスカードの支払い分でPaypayチャージすればよくね?」
と。陸マイラーの頃は、ずっとそうしてたじゃない。
Paypayチャージに"直接使える"クレジットカードはヤフーカード(次春にPaypayカードと改名されます)など一部カードに限定されており、一般クレカではチャージ不可です。なら、どう陸マイラーになりつつPaypayチャージするのか。
6.キャリア決済があった!
私は月々のスマホ通信料金を、マイレージ・プラスUCカードで決済してきました。なぜかというと、「マイレージを自動更新するために引っ越しても毎月支払いの発生する携帯代=スマホ代にしておく」ことで、マイルの有効期限が延長されるためです。公共料金などでもいいのですが、引っ越しを考えマイレージ更新目的でクレカ決済としていた、ということです。
なんと、いつの間にかこのスマホ代とセット支払いを行える「キャリア決済="ソフトバンクまとめて支払い"」でPaypayチャージできるようになっていました!
※ただしキャリア決済は3社ともに現状月々10万までです。
ここでは細かくはとりあげませんが
My SoftBankで「スマホ料金をPaypayで支払う」
という行為ができます。え、何これループ?
意外とハードルの高いPaypayステップ条件の
「300円以内の決済を月に50回※以上使用」もPaypay払いを
300円づつ小分けすると楽にクリアできます。
※2022/05/06補記
月に50回の条件は、既に30回に緩和されています。
ただ付与率なども微妙に改悪されました🙄
ここで改めてまとめます。
ヤフーショッピングや近所のお店の支払いは【Paypay】
Paypayにチャージをするのは【ソフトバンクまとめて支払い=キャリア決済】
スマホ代として、「通信料金+Paypayチャージ分のキャリア決済分」を、【マイルの貯まるユナイテッドクレカカード払い】で
これはいいかも!と思いました。
もちろんキャリア決済やクレカ払いは、支払いが滞ると非常に危険です。creditを滞納する、ということは直訳どうり「信用を失う」ということに他なりません。十分注意して利用してください。特にキャリア決済はクレカが作れない方でも使える最後の後払いシステムと言われています。。ライフラインの最後の砦は死守するよう配慮すべきですが、余裕があるときは便利に使えます。
7.衝撃!その名も【ユナイテッドe-shopping】
さて、ここまで実は「Paypayチャージでマイル貯めれるだけじゃん」という案外シンプルな陸マイラーへの回帰要素だったのですが、今回わざわざnoteにまで寄稿したのには、これから記載する発見があったからなんです。
ユナイテッド航空のマイレージ・プログラムのサイトへ行くと「指定のショッピングサイトで決済をすると、1000円ごとにNマイルボーナス!URLはこちら!」と英語で書いてあります。(サイト内設定で日本語化もできますが、初期言語は英語です)
日本の大手ショッピングサイトである楽天市場とヤフーショッピングがあれば、アマゾン以外は大体網羅できると思います。
ユナイテッド航空にログインし、e-shoppingで「1000円ごとにNNマイル」を押すと、該当アプリないしサイトに遷移します。飛んだ先で決済をすると、そのショッピングでボーナスマイルが付与される、というイニシエの仕組みですね。
そう、簡単に言えば旧来のア○ィリエイト型URLクリックです。「ちょっと高価な家電をネットで買おうかな?」という時に、「事前にユナイテッド航空のサイト経由でショッピングアプリを立ち上げる」だけで、ユナイテッド側からもボーナスマイルを付与してくれる!ということです。
おそらく、価格コムなど商品比較サイトのクリック型と同じものでしょう。
ネットの広告収入の仕組みとして古くからあるアフィ○エイトだと推察されますが、「日本のECサイトが統合されてきた」、「楽天もヤフーも単独でもポイントボーナスがえぐい(30%〜還元なども)」という点に加え、さらに追加で外部ボーナスマイルを狙うことができ、再び脚光を浴びるかもしれません!
以下が、15万円ほどの冷蔵庫を購入し実際に付与されたマイレージです。
なお、ここ433マイルは、だいたい東京(羽田)ー函館間の片道マイルですね。ただし、最近多くの方が早割などを購入するので、付与マイルが半分だったりするのが実情ですし、往復分とみても差し支えないでしょう。
8.まとめ
陸マイラー復活?の手順をヤフー経済圏の例でおさらいします。
新しいQRコード決済【ここでは"Paypay"】
そのチャージ手段は【キャリア決済=ここでは"ソフトバンクまとめて支払い"】
クレカ決済は陸マイラー御用達のマイレージボーナス【ここでは"ユナイテッド航空のマイレージプラス"】
マイレージボーナスが付与されるショッピングサイトで、QRコード決済のできる日常使いサイトが無いか探してみる【ここでは"ユナイテッド航空会員サイト→ヤフーショッピングへ誘導"】
多少複雑ではありますが、新旧のポイ活が組み合わさっていますよね。
現在楽天/ヤフーなどネットショッピングでは、アプリ単体で20%や30%のポイントバックキャンペーンを定期的にやっていますが、そこの前後でも、あれこれやってみるのが現代版の陸マイラーに相性が良さそうでした。うまくやれれば、最低年が会費コースでも、+10%分弱のマイルが追加で回る試算イメージでいます。
長くなりましたが、これは陸マイラーに限った話しではないのではないかと思うんです。
「古くからあるショッピングボーナスが、新しい○○経済圏サービスに追加活用できることで脚光を再び浴びるかもしれない」、そういう意図の投稿になります。
これら情報は、いつ改悪されるかも不明ですし、いち個人には何も今後は予想できません。ただ、上記の流れはdocomoやauのキャリア決済にて、楽天市場などでも応用できるはずです。
正しくサービスを使って、頂けるボーナスは貰う。そういう活動そのものが、ポイントサービスというプロモーションの一貫であり、それがポイントを貯める、というモチベーションに繋がるものだと思っています。
特に、陸マイラーというのは、「GoToが再開されて旅行に行ける雰囲気になったらどこ行こうかな?」と妄想しながら続ける一種のポイ活です。
日々の買い物でマイルを貯めつつ、いつの日か貯まったマイルを奮発し、ラグジュアリーなフライトに思いを馳せること、それこそが陸マイラーのあるべき姿ではないでしょうか。