ただの欲望①
就活と恋愛、葛藤。
私と彼は現在同じ大学3年で、お互い就職活動中である。
大学一年の夏頃から2年くらい友達の期間を経て、私が彼の魅力に気づいた段階で付き合いたいと言った。そして現在に至る。
実は、告白したときに就活でのすれ違いは視野に入れていた。なぜなら、過去に少しお付き合いした人から、資格勉強に専念したいと理由でフラれたからだ。この経験以降、私の中で男性は「シングルタスク的思考をする生物である」という認識になり、人生の中で恋愛と何かを同じ熱量で両立することはできないのだと考えるようになった。
6月。夏のインターンは早期内定につながる唯一のチャンスであり、私も彼も手探りの状況で就活を始めていた。私は始めて書くESのむつかしさに翻弄され、彼は面接の場数を踏むために行動していた様子だった。もともと、業務連絡しかしないような関係だったため、就活に関しても互いに干渉しすぎず、たまに一緒に出かけた時には「就活どんな感じ?」と少し話す程度だった。
そして7月。ここで想像していた事態になった。いつも通り、「次いつ会える?」的なLINEを送ると、「今月はテストや就活で厳しそう」と。私は「忙しい」という表現を使わずに、「厳しそう」と表現してくれた彼に好感を覚えると同時に、「1ヶ月に1回も会えないのか」という失望。
本当に忙しいのかもしれないし、そろそろ冷めてきても仕方ないかな。とりあえず本いっぱい読むか!
という感じで、私もゼミと就活とバイトをこなしながら7月を終えた。(7月、4つほどインターンの選考に落ちた)
8月に入り、彼と連絡を取らなくなって20日ほど経った。その間連絡を取らなかった原因は、単に次会う予定を立てるための連絡を私が躊躇していたからだ。実際私も7月末はテストやゼミに追われていたため、相手から連絡がない限り、心に余裕ができてから連絡すればいっか。と言う感じでいた。仲のいい友達にその旨を話すと、「そんなに連絡取らないのは、絶対に冷めてる」と言われた。でも私は「まあ、ずっとこんな感じだから、冷めても最終的に私のことをいいと思ってくれたらいい」と格好つけたことを言った。しかし、仮に彼の中での私という存在の優先順位が今、下から2番目くらいだとしたらあと3日もすれば忘れられてしまうだろうと焦った。きっと生理前の精神不安定だ、と思いながら急いでメッセージを送った。
「いつでもいいから、電話してほしい」
すると、割とすぐ「できるよ」返信がきた。