大崎甘奈のGRAD考察やってみた
明るくて、何でも出来て、面倒見も良くて、
完璧超人に見える甘奈。
そんな甘奈の内面が見えたGRADを考察してみました。
■care,care,care…
careは英語でお手入れ。
大前提として甘奈はもともとのポテンシャルが高いため、
なんでもできてしまうこと、これまでの人生は甜花に夢中だったこともあり、アルストロメリアとして活躍してからは「3人と仲良くずっとアイドルができたらいいな」という感覚を持っていた。
甘奈の初期プロデュースでは「アイドルになりたいわけではない」状態から、WINGや甜花の成長を得て、「アイドルとして輝きたい」と思うようになった。
そして感謝祭では甘奈が二人と違って夢中になれるもの、成長しようとする気持ちがあまりないことに焦りを感じていた。
そして今回のGRADでは「ユニットではない大崎甘奈の魅力」が必要だと言う。
大崎甘奈の魅力は、オシャレさ、気遣いさんなところ、めんどうみの良さなどがあるが、甘奈自信はこれまでユニットの仲間が大事で、そこが全てだった。
アルストロメリアというユニットを箱推ししているオタクではなく、
「大崎甘奈」単体に興味を持ってもらうためにはどうすればいいのか、
自分自身のアイドル性とテーマについて考えていくお話。
■こわいものはなに?
甘奈は悩んでることを知られたくないため、平常心を装う。
普通の人間は騙せたとしても、気遣い上手で、甘奈のことを一番みていた
プロデューサーは甘奈が思いつめていることに気づいてしまう。
しかし、気遣い上手な甘奈が相談しないということは、何かが裏にあると考えたPは、考え抜いた末に、無理やり聞かないことにした。
甘奈にとって「一人の状態」というのは他アイドルと比べてやや特殊である。
なぜなら、大崎甘奈は産まれた時から姉という存在がおり、溺愛している姉とはいつも行動していたため、甘奈が生きてきた17年間には必ず誰かがそばにいたのだ。
しかし、今回のGRADは一人で挑戦しなくてはいけない。
甘奈自信がWINGや感謝祭を通して成長していることをプロデューサーにも示したいため、相談できない。
前述の通り、甘奈はポテンシャルが高いあまりに、これまで夢中にならなくてもおおよそのことはできてしまったのだろう。
そのクセで本気になるための「心のスイッチ」や「高みを目指すため」のスタンスが自分の中にはないのだろう。
何を目指せばいいかもわからず、ただレッスンは重ねる。
自分がなりたいもの見つけられていないことや、
目標がないのにレッスンを重ねていくこと、
「こわいものがわからない」ことが一番怖い。
漠然とした恐怖を抱える心と、覚えることが多い身体で
甘奈の心身状態は悪化していく。
■無理にでも浮かび上がる
アプリコットの活躍もあり、甘奈に海外ブランドのモデルの仕事がくる。
甜花やユニットメンバーのことを除いて甘奈の一番興味のある分野は「ファッション」である。
そのファッションのお仕事であれば甘奈が喜んでくれるかも!と思い
浮足立っているPに対して甘奈は「よろこんだフリ」をする・・・
自分自身のやりたいこと、魅力がわかってないのに
周りはトントン拍子で進んでいくことに一抹の不安を覚える。
甘奈は自分が「ファッションが得意」であることすら理解ができていない。
自分自身のことがわからない甘奈は「自分を信じてくれるプロデューサーの期待を裏切らないように頑張る」という思考で無理やりレッスンを進める。
アイドルというお仕事をしている以上、真面目な甘奈に何もしない選択肢はない。
無理にでも、元気なフリをしなくてはいけない。
■突き放して(甘やかして)
甘奈が抱えている悩みを、プロデューサーは自分が気になるからという建前で無理やりこじ開ける。
甘奈の悩みは、「自分が始めたい」と思ってスタートしたアイドル活動を、
途中から「ユニットメンバーと一緒にいたいから」、目的もなく、
周りが決めた目標やシンボルにすがってやっていることに自己嫌悪を抱いていた。
甘奈は本当はずるいかもしれない、ダメダメかもしれない。
プロデューサーを失望されるかもしれない。完璧な甘奈が吐露する
マイナスの感情。きっと甘奈は自分がダメダメと思ったことも、
ずるいと思ったことも、失望されたこともなかったんだと思う。
甘奈はこんな自分を「叱ってほしい」と言うが、
甘奈に必要なのは「叱ること」ではなく「弱い自分でも受け入れてくれる人がいる」ことを理解することだった。
面倒見がいいのは「誰かに必要とされたいから」
ちゃんとしているのは「誰かを失望させたくないから」
真面目なのは「嫌われたくないから」
そんな取り繕わなくても、甘奈のことを魅力的に感じる人間はいるんだよと
プロデューサーは伝える。
■うそなき天使
甘奈は自分自身で「器用貧乏でなんでもだいたいできてしまう」ことを自覚しており、死ぬ気で一生懸命頑張ることにぶつかったことがないことを伝える。
失敗したくないから、8割うまくできればいいと思っていた考え方から、
プロデューサーにならどんなに弱い自分を見せても受け入れてくれることを信じて100%、120%以上の力を出して取り組むモチベーションを手に入れた。
頑張る理由は「ユニットのため」。
できることが増えて、どんどん輝きを増す甜花ちゃんに、
雑貨や小物など、好きなものや将来像がはっきりしている千雪に負けないように、二人に並んで恥ずかしくないように、甘奈だけの得意分野としてファッションを武器にするために死ぬほど努力をした。おそらく大崎甘奈の人生の中で、一番努力をして。
ちなみにサブタイはプロデューサーには「嘘無き天使」で居たいと思う気持ちと、安心して泣いてしまったことをプロデューサーに「泣かされた」と表現した「ウソ泣き天使」のダブルミーニング。
■尻尾の先は♡
GRAD優勝後、打ち上げをする二人。
甘奈は突然初恋の話をする。
甘奈は告白してきた男の子に「甜花ちゃんが一番好きだから」と断る。
しかし、男の子は「そんな甘奈が好き」と伝えてくれて、甘奈はその子が好きになってしまう。
自分の今の現状を受け入れてくれる人、自分のことをたくさん知ってくれる人、弱い部分も、強い部分もぜんぶ共有出来る人が甘奈は好きなんだと思うと告げる。
他アイドルの担当Pと比べて恐ろしいくらい察しのいい甘奈Pだが、
この理由には気づかない。突然すっとぼけるな!!!!!前半の察しの良さはどうした!!!
恋愛が絡むとポンコツなのか???
甘奈は察しが悪いプロデューサーに言う。
「甘奈のこと、知ってほしかったからだよ☆」
甘奈が発言する内容はいつも甜花ちゃんのこと。
初期のPSR「似合うかな?」でもファッション雑誌で自分ではなく、
甜花に似合う服を探すという部分でも描かれている。
甘奈は弱い自分やずるい自分、本当の自分を誰かに見られたくないからこそ、夢中になれる甜花を使って隠れ蓑にしていたのかもしれない。
そんな甘奈の人生で、やっと、甘奈自信のことを、
弱いところも、強いところも、全てをさらけ出せる人を見つけたのかもしれないですね。
~TRUE END~
■総評
稼働初期からずっと匂わせていた「器用貧乏で何でもできちゃうから本気になったことがない」という部分にフォーカスを当てたコミュ。
結局甘奈は自分の力では「好きなもの、夢中なもの」は見つけることができなかったが、「大好きなユニットメンバーやプロデューサー」と一緒にいるために、自分自身の限界を超えるというどこまで行っても相手ありきの発想だった。
しかし、吹っ切れたおかげで甘奈はファッションが自分の得意分野であることを認め、死ぬ気で努力することで壁を超える。
誰かに失望されたくない、嫌われたくないといった感情を
プロデューサーにならみせてもいいと思えるようになったことも成長の証である。
「大崎甘奈はいい子」は間違いである。
大崎甘奈は「嫌われたくないからいい子を演じている」だけなのである。
でも、そんなずるい部分、取り繕ってる甘奈も受け入れられるのが甘奈Pの器の大きさ。
甘奈自信も察する力が強く、甘奈Pも察する力が強い。
世間一般では「Pと担当アイドルは似る」とよく言われるがこれは
「自分の中で大切にしている感情と担当アイドルが大切にしている感情が近い」からではないかと思う。
ここから先はアステルPの考え方であるが、自分自身も
「嫌われたくないから、物事をうまく進めたいから気遣い、先に行動する」という部分がある。
決していい子ではなく、自分が嫌われたくないから、自分が可愛いから
誰かのために何かをするというスタンスはまさに甘奈と同じで、
自分自身が歩んできた人生観と同じことをしているアイドルをみて共感して、「この子は失敗しないように導いてあげないと」と思うのかもしれない。
どの作品でもG.A.L担当になる自分だが、甘奈は本当に、自分の心の根幹となる部分とシンクロする部分が多く、
何度生まれ変わっても担当になってしまうなと感じた今日このごろ。
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