痩せ過ぎても自分では分からない

あまり自覚はないのですが、どうやら私は人より痩せているようなのです。
自分でも細いほうだとは思っていましたし、人から「細い」「痩せてる」と度々言われるのも納得してはいました。
ですが大抵は驚きの表情と共に言われるので、ちょっと細い程度なのにずいぶん大げさだなあと思っていたのです。
確かに体重は標準よりは随分下回ってはいたし、痩せてないとは言えないのは確かだけど。
でも自分からは腕や足は普通に厚みがあるように見えるし、鏡に映っている姿は極端に細いとは到底思えなかったので、細過ぎるという自覚は全くなかったんですね。
ちなみに身長は159.7cmで体重は42kg辺りをうろうろしてるといったところです。身長を聞かれたら160cmといつも答えてますが本当は少し足りないの…。でもこれくらいいいよね?
食べることに対して元々そんなに意欲があるわけではなく、ともすれば食事を億劫に感じる時期が時々発生するせいで、気を抜くと40kg切ろうとすることもあったりします。そんなにしょっちゅうではありませんけどね。
さすがにそこまで行くと危ないとは思っているので、そうなった場合は出来るだけ食べるようにはしていますが。
しかし以前は30kg台に落ちたとしても特に気にもせず実にのん気なものでした。危機感がなかったんですね。
そんな私が危機感を持ったきっかけが、何年も前の夏のことになりますが。
夏なので私はもちろん薄着でいまして。
そんな私を見て姉が叫んだのです。

「どうしたの!!」

……え?え?え?……何をそんなに驚いてるの?
こちらが引くくらいの驚きっぷりを見せてくれたのです。

「腕とか肩のラインがありえへん!いくら何でも細過ぎる!」

何を言ってるんだいつもと変わらないでしょうにと自分の腕を見て今度は自分が驚きました。
ほぼ骨と皮状態だったのです。
何で急にこんなに細くなったのかと自分でも理解出来ず暫し呆然。
しかしよくよく考えてみると随分前から服がブカブカだった。
そして何より食べる量が極端に少なかった。
今初めて自分が骨皮になってることに気付いたから急に痩せたのかと勘違いしたけど。
結構前から痩せ細っていってたんだ私。
なのに自分では全く気付いていなかったのです。
自分の腕なんて毎日目には入ってくるし、何ならお風呂で洗ってるとき確実に見てるわけだし、鏡でも自分の姿は毎日見ているはずなのに。
全く気付いていなかったのです。
ようやく気付けたのは、かつてない驚きの表情を見せてくれた姉のおかげでした。

このときが今までの人生の中で一番痩せていた時期ですね。
体重は計ってなかったので当時何kgだったのかは今となっては分かりませんが、このときよりまだかなり肉が付いていた(といってもまだガリガリの範疇だったのでしょうが)状態で38.5kgでしたから、36kgとか35kgくらいだったのではないでしょうか。

ここまで痩せた原因ですが、半年間くらいだったかと思いますが、一日の食事の量がかなり少なかった日が続いていたのです。
一日で食べる量が普通の一食分にも満たないくらいでした。
一食の三分の二くらいの量を一日で食べていた毎日だったんですね。
今思うと異常なくらいの少なさですが、そのときはとにかく食べようという意欲が全く起きず、でも生きてる以上は食べなければいけないからと無理やり口に突っ込んでいた時期でした。
さらに何故そんなに食べない期間が半年も続いたのかを冷静に考えてみたところ、思い当たる理由がありました。姉に痩せすぎを指摘される直前まで、人間関係にひどく悩んでいたのです。
おそらくそれが原因で食が細っていったのでしょうが、そんなことにも気付かないくらいに心が参っていたのでしょうね。
そのことについては解決してもう自分には何の問題もないと清清しい気分でいたところ、姉からそのように言われ大変驚いたのです。自分は心身ともに健康で何の問題もなくなったんだと思っていたから。
だけどどう考えても大問題でした、あの当時の異様な痩せ方は。
しかもそれに自分で気付かず普通の体型だと思い込んでいたんですから。

よく拒食症の人が「痩せすぎだから食べなさい」と言われても自分はまだ太いと思い込んで食べるのを拒否すると聞きますが、太いと思ってない自分ですら痩せすぎてることに気付かなかったのですから、そりゃ痩せなければという思考に捕らわれているひとが分かる筈がないわな…と当時納得したものでした。そういうことだったのね、と。
だからあまりにも痩せすぎているのにそれに気付いていない人に対しては、気遣いながら恐る恐る指摘するのてはなく、激しい驚きと共に言うのが良いのかもしれませんね。姉がしてくれたように。
ただ本人が痩せすぎていることを自覚している場合は「そんなこと言われなくても分かってるのにそんなに驚くなんて…」と傷付けてしまう可能性があるので注意が必要かなとも思います。あくまでも本人が気付いてない場合のみ大げさに驚いて指摘するのがいいのかな?
でももしかしたら、その場合でも傷付ける可能性があるかもしれないし、難しいところですね。
私のときは身内だからよかったのかもしれません。

「前から細かったけど随分痩せたよね、大丈夫?」と心配そうに言われても、私は「大げさだなあ」という思いしか持ちませんでしたけど、今思うと皆、本気で心配してくれてたんだな。
今になって反省しております。ありがとう、そして心配してもらってたのに分かってなくてごめんなさい。