ほんとにバーン・アフター・リーディング②
〜前回までのあらすじ〜
長い長いエスカレーターを上がると天国の門があったのでぜひアーリーエントリーしようと試みるも、ここはおまさんの来るとこやあらへんよと言われて浪速のデッドエンドを斡旋されたが、そのデッドエンドすらも雲散霧消していた。
▼ほんとにバーン・アフター・リーディング①
https://note.com/asstohailcaesar/n/n3e1cb38922c6
私は堺筋を走る車に沿って、同じ方向に歩いていました(堺筋は南→北の一方通行)。
恵美須町の交差点まで来たとき、通天閣のほうから2人組の女性が馬跳びをしながらこちらへ向かってきました。
喜多嶋舞と上原多香子でした。
上原多香子って運動神経悪そうやけど意外とキレイに馬跳びするんやな、と思いながら眺めていると、2人のさらに奥、通天閣により近いところから、伝説のマタギが登場。
「ヒグマより人間を傷つけてやがらぁ…」
伝説のマタギはそう言って、肩に提げたRPG-7(対戦車ロケットランチャー)を構えました。
そこへ大阪王将の陰から飛び出してきた森永卓郎が、「あまり知られてませんが、実はRPG-7って右肩に担いで使用するように設計されてるんですよ」とのたまいます。
すると伝説のマタギがRPG-7を発射。擲弾は森永卓郎の自宅にある有名人のダジャレグッズのコレクション(ビートこけし、トム・クルーズリーフみたいなやつ)を全て木っ端微塵に爆散させました。
RPG-7のウンチクうっとうしいなぁ、とちょうどみんなが思ったタイミングでの出来事だったので、ちょっとスッキリしちゃいましたよ、と現場に居合わせた浪速警察署の柳川寛 警部補はのちに語っています。
さらに堺筋を北上して、日本橋のあたりまで来ました。
黒門市場の入口のところで、コンビニに入っていく赤もみじの阪田ベーカリーを見かけました。
ん?赤もみじ?
上京してマセキに入ったはずの赤もみじの阪田が大阪の日本橋に?
イヤな予感がして、私はすぐにスマホを手にとって検索しました。
……!
やっぱり!
マキシマムパーパーサムが解散していない!
それどころか、2017年のM-1で優勝したことになっている!
私は、私が生きるはずのなかった世界線にいることを確信しました。
どうにかしてマキシマムパーパーサムがM-1で優勝していない世界線に戻らないと!
恋はデジャ・ブ、ハッピーデスデイ、バタフライエフェクト、バッド・バイオロジー狂ったヤツらどもを網羅している私が総合的に勘案してひり出した仮説は、「ここはリメンバー・ミーで言うところの死後の世界ではないか」でした。
森永卓郎めっちゃキラキラしてたし。
さっきは言わんかったけど、リメンバー・ミーの豹とか犬みたいに森永卓郎めっちゃカラフルでキラキラしてたし。
トータル結果オーライか?と思っていると、南のほうから飛んできたRPG-7の擲弾が私に命中。自分の四肢が爆散するのを、幽体離脱のように自分の目で認めました。
…
……
ハッと気がつくと、私はルクアの長い長いエスカレーターに乗っていました。