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ほんとにバーン・アフター・リーディング④

~前回までのあらすじ~

岡田真澄の顔が付いた桜色の四足獣に人と成ることを説かれるも、負の感情は血脈を通りて子へと受け継がれ、螺旋の樹から降りられず痩する猿の如し。

▼ほんとにバーン・アフター・リーディング
https://note.com/asstohailcaesar/n/n3e1cb38922c6

▼ほんとにバーン・アフター・リーディング②
https://note.com/asstohailcaesar/n/n6534e0bc1a3e

▼ほんとにバーン・アフター・リーディング③
https://note.com/asstohailcaesar/n/nbfc83a1155cf

ペド紳士かく語りき

「君の心残りを晴らせば、ループを抜け出せるよ」

私はこの『恋はデジャ・ブ』さながらのループ現象に陥って出会った人たちを思い出していました。

米良美一、喜多嶋舞、上原多香子、森永卓郎。

私の母は私が幼い頃、彼らをそれぞれ”玄武”、”白虎”、”青龍”、”悪鬼のごときアンチクショウいつかぶっ飛ばしてやる”と呼んでいたので、とても愛着がありました。

それと同時に、私は自分の業の深さを省みました。

あのとき早稲田松竹の入り口にいた四足獣は、神の姿を借りて肉界に現れたペド紳士の化身だったのかもしれません。

私が彼の聞くに耐えがたい自分語りを拒否したばかりに、行き場のなくなったエネルギーは恨みめいた感情となって何処かへと向かいました。

私が逃避したことで別の誰かが傷付くことでしょう。

そして逃避した私には、また別の誰かの怒りや苛立ちがシームレスに業を晒すでしょう。

ループは現(うつつ)で、現はループです。

なんにもいらない ばあさまがいた
いえはいらぬと ちかどうぐらし
きものもいらぬと ふゆでもはだか
かねもいらぬと まんびきばかり
じぶんもいらぬと あっさりしんで
しぬのもいらぬと またいきかえる

谷川俊太郎『なんにもいらない ばあさま』

ばあさまのように過ごしたいと願っても、人世の柵からは逃れられません。

自分を失いたくないというのは人情だが、その自分というのは、めいめいが勝手につくりあげた観念を自分といっているにすぎない。
その自分といっているのは、勝手につくりあげた観念であり、はたして実在するかどうかわからないものだ。

『荘子』内篇(中国、戦国時代の思想家)

しかしながら、ループを抜け出そうとは今のところ思っていません。

★ポール・トーマス・アンダーソンの新作を観る
★ONE PIECEの結末を知る
★サスペンダーズが目ぇ飛び出るぐらい売れていくさまを見る

私の心残りはこれだからです。

そして他にもたくさんあり、これからも無限に増えます。

晴読雨読。自分という存在は虚ですが、なにかを面白がってる気持ちだけは本当なのです。

終わり方がわからなくなってインスタントプレハブ思想で誤魔化したことも本当なのです。

~劇終~


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