きみの色【感想】※ネタバレあり
山田尚子監督の新作アニメ、観てきました。
面白かったです。が、世間的な評価は賛否両論…というより、賛に振り切れない感じになりそうだなぁと思いました。
ストーリーは、バンド結成→ライブ→終。と言った感じで、起承〜〜結と起伏が乏しいのは事実です。
テーマ性としては「善きこととは何か?」「美しいものとは何か?」「綺麗なものとは何か?」のような哲学色が強いとは思います。主人公の通ってる学校もキリスト系の学校ですし。
とはいえ命題の方向性がキリスト誕生以前の哲学者っぽいのだけれども。それは置いといて。
つまるところ、作品を一言で表すなら「無形」だと思います。
色とか感情とか想いとか願いとかそういう「無形」を、ライブシーンで「有形」にするまでの物語と言えます。
「作曲家は無限を有限に投影している」という格言がありますが、これがきみの色という作品を的確に表していると思います。
なので、ストーリーより劇中歌のアナリーゼの先に作品の本質がある気がします。
でもそんなこと出来ないので、私は辿り着けないです。
もっともそんなことしなくても、ライブシーンは最高です。音楽性が面白いです。
何故かライブシーンで笑みが止まりませんでした。隣に人がいなくて良かったと思うぐらい、にやにやしてました。
なんならライブシーンだけでも観に行ってほしいです。
何かを感じ取れたら、それだけでこの物語を観た意味はあると思います。
高潔であり高尚であり、そのどちらでもない少年少女の魂の在り様と発露を体感してみてください。
とても綺麗な物語です。
故に、特に深読みとかはしなくてよいとおもいます。アナリーゼがどうとか言いましたけれども…
なんなら言語化自体ナンセンスまである。
トツ子ちゃんもきみちゃんもルイくんも、可愛いねぇ〜〜〜とか思えたら十分です。
良き映画でした。
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