有馬記念と12月28日
競馬が嫌いでした。
昨年秋、ユニオンオーナーズクラブという馬主会から
会報のエッセイの依頼を受けました。
今年2月だか3月だかの号です。
素人甚だしい記述で恥ずかしいですが、気持ちを込めて
記しました。
いただいた分、手元にあります。
何名かにプレゼントする予定でしたが、タイミングを見計らって
しまいました。
また何かのタイミングで。
下記にありますが、
「さして競馬のことに関心のない、詳しくもない僕などに何故?」
という疑問符が浮かんだのですが、お受けしました。
ええ、馬そのものは大好きなのです。
今となっては好きな競馬も詳しくは知りません。
昔のブログに記したことがあると思います。
「走らされる馬」、そんな見方しか競馬に対して出来ずに
嫌だったのです。
21歳から船橋に住んでいて、船橋競馬場脇をロードワークで走って
通り過ぎることがあるにも関わらず、です。
でも、20代半ばで結成したファンクラブPAINの幹事が競馬好きで
みんなで行ったことから始まりました。
なので、始めて25年程になるでしょうか。
今も素人並みです。
全然詳しくありません。
でも見て、自分なりに考えるようになります。
いわゆる「勝負勘」、というやつです。
違う方はご容赦ください。
小学生の頃からの1人博打です。
幾度か記していますが、混雑した電車に乗車した際、誰が最初に
降りるかを考えてその人の前に立ったり、自転車を乗る際には
目先だけでなく続けて進める様に2つ先の信号が変わるペースで、
あえて速度を落としたり、上げたりしたり、目先の電柱まで
息を止めて歩くことが出来るか否か、自分の中での
博打の勝ち負けを作って1人遊びしてきました。
そういうことで勝負感を養ってきました。
電車で座っている早く降りそうな人を見つけることで、目を養い
勝負感を養ったと思います。
以前記しましたが、その際は身なりや動作で見極めます。
快速の駅で乗り換えそうな学生やスーツを着たサラリーマンを
見つけたら前に立ち、住宅地の多い駅で乗り換えそうな主婦が
いたら前に立ち、予想が当たれば心で拳を握るのです。
今、小学3・4年生頃にお散歩に行ってきました。
マンホールの小さな穴の前にしゃがみ込み、その小さな穴に
人差し指と親指で細長い自転車の鍵を差し込み、摘んだその
指を離すのです。
勿論、すぐにつまみ返します。
当然ですが、7・8割の確率で掴み損ねるのです。
でも、2・3割の勝率がある以上、男子たるもの挑まぬわけには
いきません。
「・・・・・・・・・・・・ちゃりーん。」
しかし、僅かな無音の状態が続き、底に跳ね返る音を耳にして、ことの結末と
マンホールの深さを知知ります。
稀に成功することがあるのです。
勝率は2割でしょうか。
確率が低いからこそ、成功した時の喜びは限りなく大きい
のです。
その勝利を掴み取る為に臨むのです。
快楽を知った中毒者の様に、まさに喜びを知った中毒者です。
勝つことが出来たとしても現状維持、失敗したら自転車は
乗れなくなり、移動の手段に困ります。
まさに、ハイリスク・ローリターン。
物事は、挑戦することに意味があるのです。
敗けてよいのは一度だけです。
ご安心ください。
こちとら合鍵があります。
しかし、既に一つはマンホールの底に。
でも人間、守りに入ってはいけないのです。
逃げたくはないのです。
挑みたいのです。
もう失敗は許されません。
しかし、現実は厳しいものです。
「・・・・・・・・・、 ちゃ、 りーん。」
前輪を持ち上げたまま歩いて、数十分。
親には理由は云えずにただ、鍵を失くしたと告げ、
お金をもらい、鍵を交換しに自転車屋に向かいます。
苦労も報われて無事乗車可能に。
これぞ快適、鍵がなかった頃の不便さに比べたらもう、
堪りません。
駄菓子を買いに短時間です。
しかし、快適さに胡座をかいている訳にはいきません。
男に生まれたからにはそう、挑むのです。
鍵が新しくなり、また合鍵も持ち一機(昭和のゲーム感覚)
増えたのです。
挑まずにはいられません。
男の子ですもの。
失敗を恐れるな。
再び戦場に向かわねば。
ええ、なのでマンホールの前にしゃがみ込み、替えたばかりの
新しい鍵を摘み、そして離し、そうして摘み返すの、
「あっ、」
「 ちゃ、、 りーん。」
あのマンホールの底に何個僕の鍵が落ちたでしょう。
そして何回無様に前輪を持ち上げて自転車屋まで足を運んだでしょう。
下水の検査でマンホールに入った人は首を傾げたでしょう。
「なんで、ここだけ自転車の鍵が幾つも落ちているのだろう?」
さぞかし不思議だったでしょう。
ご安心ください。
もう一機、合鍵はあります。
もう一機死んだら、また前輪担いで自転車屋に行けばよい
のです。
経験は男を成長させます。
そんなギャンブルを数多く経て、僕という男は大きく
なっていきます。
それを経ての前述した電車の「座れるか否か」編へ続くのです。
競馬を始めるまで時間はかかりました。
名馬と呼ばれる馬は知ってはいますが、でも、興味は
湧きませんでした。
「野生の王国」は好きでした。
リアルタイムでは、オグリキャップでしょうか。
客観的に競馬とブームを感じたのは。
競走馬のぬいぐるみが飛ぶ様に売れたのです。
女子高生がオグリキャップのぬいぐるみを求めるようにまでの
社会現象になり、ゲームセンターのUFOキャッチャーにまでなりました。
今思うと、そこにはJRAは絡んでいない偽物だった様な気がします。
あげると、どの娘も喜んでくれました。
でも、競馬そのものには興味は湧きません。
興味を抱くのに、長いこと時間がかかりました。
スポーツ新聞をよく購入していたので、その時その時に
活躍していた馬名はよく目に入ったので覚えている馬も
何頭かいます。
前述した通り、走っている馬は好きですが、走らされている気がする為、
競馬の馬が嫌だったのです。
でも、足を運んでみたら違いました。
濁音をつけた、蹄音が眼の前を通過し、同時に、鼓膜に
鳴り響くのです。
名も無いレースでしたが、鳥肌が立ちました。
以降、足を運ぶようになります。
その後、船橋競馬場に足を運びました。
馬体は中央(JRA)のと違い劣る為、よく中央の競馬通被れに
揶揄されますが、水溜りが出来る程馬場不良だった日に
目の前を水溜りを弾きながら走る音が怖かったのを覚えて
います。
交通事故に遭って先も見えない状況の中、妻にも思うことがあったの
でしょう。
僕はそれを死ぬまで認めませんが。
帰れない(帰らない)理由を作った体で、馬を見ていました。
当て方を僕なりに考えたりして。
正しくはないかもしれません。
でも、自分には正しいのです。
自分なりの経験を経て、法則を見出します。
どなたもそうでしょう。
人間は失敗から学び、努力する生き物です。
例えば自転車の鍵を落とし、次は落とさないよう指先に
集中するのです。(やらなければよいというのは正解ですが、
そこはご容赦ください。やる前提の話でお願いします。)。
負けない人間などいないのです。
ええ、前述した通りマンホールのそ底は鍵だらけです。
(ご迷惑おかけしました。)
そこで負けてないといっても、他では負けています。
具体例は想像してください。
僕の自転車の鍵などを。(全て僕の鍵だったことでしょう。)
でも、世の中は、そういう釣り合いが取れているのです。
雑学が大好きです。
学歴や収入ばかり気にする残念な人間も数多くいますが、
でも、僕はそういった些細なことを知ることで喜びを感じます。
否定してくれて構いません。
裕福ではありませんが、軽軽しく他人を否定する様な人より
健康ですし、心も豊かです。
競馬の雑学もなので、色色調べました。
競馬は数多くの人の娯楽です。
競走馬や厩務員、その他諸諸生業として頑張っている
方方も
いることは分かります。
でも、僕は楽しむ側です。
勝った負けたで泣き笑い、一喜一憂して家路につくのです。
21年前、試合前に交通事故に遭い、半引退状況に陥りました。
12月28日に行われる有馬記念に足を運びました。
誕生日に催されるそれを見たかったのです。
シンボリクリスエスの引退レースでした。
予想は外しましたが、悔しいながらも笑いながら帰りました。
11年後を楽しみにして。
でも、その11年後に悔しい思いをして、なので、中山競馬場に
行くことはなく、部屋で不貞寝をひていました。
見逃すとまた、11年後を待たなくてはいけないという
現実を考慮したとしても。行きたくはありませんでした。
それから10年の月日が流れました。
翌年の来年がその11年に1度訪れる12月28日日曜日
です。
今まで通りであれば、有馬記念開催日になります。
数年前に毎年12月28日を有馬記念にするという
情報が僕の耳に入りました。
毎年自分の誕生日が有馬記念になります。
とても喜んだのですが、でもその案は廃止となり、代わりに
ホープフルステークスという2歳G1が毎年12月28日に
設けられることになります。
毎年誕生日に行われたとしても、それでは嫌なのです。
最後の最後に行われるG1が有馬記念、それを見届けて
新年を迎えたいのです。
G1とはいえ、新馬で一年を終えたくありません。
今年もそうです。
1年のクライマックス有馬記念が先週で、今日、その
ホープフルステークスで1年を締めくくるのです。
なんか腑に落ちない気持ちです。
来年はどうなのでしょう。
来年がその11年に1度の12月28日日曜日だからです。
その日に固定されたホープフルステークス開催なのか、
有馬記念なのか。
今年同様、28日をホープフルステークスに譲り、前倒しで
有馬記念を行うのかが気になりました。
だとしたら嫌です。
エッセイを記してからというもの、担当者さんと
メールでやり取りをしています。
毎月会報を送っていただき、お礼のメールの返事に僕の
知らない馬の知識を教えてくれています。
予想が外れたとかの報告も。
そこは僕とドローです。
先日、ちょっと愚痴の様なメールをしました。
すると昨日、嬉しいメールが届きました。
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キックボクサーな日常と、立嶋な日常
100戦してこれまでの減量や試合にまつわる客席からは 感じることのできないことなどを 綴れたらなと思います。 なんの参考にはならないけれ…
これがなんのことやらか、ようやく 理解しました。 どうもです。 頑張ってホームラン打とうと 思います。