尻取り日記「と」トランクス
当時、日本で作ってくれる業者はなく、タイで売っているものを
日本で買うか、現地で買ってきてもらうか、そして、自らが
足を運んだ時に作るかの3拓でした。
ええ、誰かが考えたものではなく、オリジナルを作ってみたかった
ので、最後のそれが一番やってみたいことでした。
パソコンもプリンターもありません。
その為、全て鉛筆やシャープペンで下書きして、ペンで
ラインを清書して、色鉛筆で着色します。
思い通りのそれが出来るか否かは、出来上がるまで分かりません。
なので、出来るだけ綺麗に、分かりやすく描きます。
それでも、見当違いのものが出来ることもありました。
15歳の時、初めて自分で考えたトランクスを作りました。
タイでデビュー戦が決まり、試合前にオーダーすることに
なりました。
その前に幾度かオーダーして作ったことはありました。
今回は遊び心なしの自分の初陣を飾る為のそれを考えます。
すいません。
また嘘をつきました。
妄想癖激しい僕は、中学生の頃に已にトランクスやガウン、
サインまで考えていました。
仕方ありません。
思い込みが激しかったのです。
そして、時間を見つけては考え、そして幾度も描きました。
メーカーの取り扱うアルファベットは、お決まりのフォント
ばかりで、まず、そこにオリジナリティを出したいと思いました。
タイでもタイ語以外で作ってくれるのですが、フォントは
ゴシック体といわれるそれであったり、よく見る他のフォントで
あったり、でも、ありきたりなものを作って満足したくは
なかったのです。
オールドロンドンのフォントが好きで、それで作ろうと決めて
いました。
他人と同じが嫌だったのです。
他人と同じでないだけが個性ではありませんが、でも、
人生そのもの、そこは常に意識してきました。
アルファベットの一文字のイニシャルとしてのそれは、
ボクサーのトランクスで見たことがありますが、名前の全て
使ってのはありませんでした。
そもそもボクサーとキックボクサーではトランクスの柄もデザインも
違います。
でも、後述しますが、おそらく、理由はそうと思います。
結果、思い通りのそれになりました。
名前ではなく、自らのあだ名を使いたかったのです。
そう呼ばれたい、そういう願望はありませんでしたが、
その方が恰好いいと思ったのです。
そういう選手、見たことなかったですし、面白いと思ったのです。
見てくれも恰好いいのです。
そして、そこには文字数もありました。
デザインは、前述した通り、手書きです。
でも、ロゴまではそっくり同じように描けないので、そこは
デパートの文房具屋に出向き、レタリングシールを買うのです。
一文字が2つ、もしくは3つまでしかないので、何度も
買いました。
「S」の字が重なる為、すぐになくなるのです。
これは、デビューしてからパソコンを持つようになるまで
ずっと続けていました。
小銭で文字の部分を擦って、コピー用紙に貼り付けたら、それを、
数枚拡大コピーします。
一度では駄目なので、一度拡大コピーしたものを再度、
拡大コピーするのです。
今のような比率のそれは当時、ありません。
そして、切り抜いたそれを描いたトランクスに文字を貼り、
完成させます。
そこからさらに店頭で説明が必要でしたが。
何色ならよいのか、それを考えました。
イメージとなるカラーを作ること、結構大切と思います。
赤コーナーだから赤、青コーナーだから青ではお客さんに
覚えてもらいにくいので、どちらでも履ける黒を作り
ました。
その方がお客さんには覚えてもらいやすい、そう考えました。
そして、血が付着する為、明るい色は汚れが目立ち易い為、
でもあります。
そうして、それを履き続けました。
罵声は受けましたが、それくらいでないといけないので
気にしませんでした。
恰好いいのは分かっています。
ええ、そう思っているのは、の意です。
それでもいませんでした。
真似と分かるのであえてしなかったのだと思います。
以前、何かで記した足首のテーピングと同様です。
いいのです。
真似されたくてやっています。
全盛期を迎えたあたりで、ちらほら見かけるようになりました。
ええ、オールドロンドンのフォントを使ったトランクスです。
でも、違うのです。
他人のそれを駄目だしするのは恰好悪いので口にはしません
でしたが、そうではないのです。
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キックボクサーな日常と、立嶋な日常
100戦してこれまでの減量や試合にまつわる客席からは 感じることのできないことなどを 綴れたらなと思います。 なんの参考にはならないけれ…
これがなんのことやらか、ようやく 理解しました。 どうもです。 頑張ってホームラン打とうと 思います。