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No.26 小遣い制で財布を握られているダサい大人にはなるな
家計管理は、単に数字を並べる作業ではなく、一つの会社を運営するような感覚が求められる。家族全員が一定額の小遣いで生活するという従来の制度は、一見管理がしやすく見えるが、実は家庭全体の成長や発展を妨げる要因となる可能性がある。固定された金額内でやりくりする生活は、無駄を抑えるというメリットを持つ一方で、刺激や挑戦の機会を奪い、投資や新たな事業への一歩を踏み出す勇気を削いでしまうのだ。
家計を単なる生活費の管理と捉えるのではなく、一つの企業の経営のように考えることで、家計簿を通じて収支を正確に把握し、何が必要で何が無駄であるかを明確にする。こうしたプロセスは、企業が財務管理を行う際の基本原則と同様であり、無駄を省きながら効率的な資金運用の方法を学ぶ貴重な機会となる。結果として、将来の投資や緊急時の備えに対する視点が育まれ、家庭内においても経営者としての意識が高まっていく。
また、家計管理に責任を持つことで、数字に強くなり、計画性や戦略性が養われる。これらのスキルはビジネスや人生全般において大いに役立ち、投資や事業展開など、リスクを伴う判断に自信を持って臨むための基盤となる。固定された小遣いの枠組みに頼ってしまうと、常に安全圏内での生活に甘んじ、挑戦する機会を逃してしまう恐れがある。自由な資金があれば、多少のリスクを取って自己投資や新たな挑戦に踏み切ることができ、その結果、個人としても家庭としても大きな成長へと繋がる。
一方で、実際の家庭では、特に女性が節約や貯金に長けている傾向が見受けられる。実際に、私の妻も独身時代から堅実に通帳の数字を増やしてきたと話している。しかし、こうした節約志向がリスク回避に偏ると、インフレなど経済状況の変動により実質資産が減少するリスクを伴う。新たな投資や事業への挑戦が消極的になってしまえば、家庭全体の資産形成においても十分な成長が期待できなくなる。そこで、夫婦間での資産運用の分担が重要となる。
私の家庭内でのリスク管理においては、リスクを伴う投資や副業など、資金が必要となる局面では、主に男がそのリスクを負うという役割分担にしている。万が一の失敗があった場合でも、妻の資産状況には全く影響がない。妻の精神的安定を維持するのは極めて重要だ。妻には堅実な貯金や、比較的安全な運用に専念してもらい、もし私が事業で失敗しても家庭の経済基盤が崩れないようにする。こうした家計管理が、現代の多様な経済環境において家庭の発展を促す鍵となる。
家計管理を企業経営になぞらえることで、家族全体が数字に対する理解を深め、計画的かつ戦略的な思考を育むことができる。固定された小遣い制という枠にとらわれず、適度なリスクを受け入れながら柔軟に資産を運用することが、長期的な家庭の成長と安定に繋がる。こうした視点を持つことで、家庭は単なる生活の場から、未来への投資を積極的に行う経済的主体へと変わっていくのである。