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ハリス副大統領が優勢に。米大統領選年の秋の株価の動きは?
民主党のバイデン大統領が選挙戦から撤退し、ハリス副大統領が大統領候補となりました。
7月21日の候補者交代時点ではトランプ候補がリードしていましたが、徐々にハリス候補がその差を詰めてきていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1723199929943-UaXG62Cgvu.jpg?width=1200)
さらに、民主党の副大統領候補として米ミネソタ州のティム・ワルツ知事が選ばれた後にあたる8月8日に発表された米大統領選に向けた支持率調査によると、民主党の大統領候補のハリス副大統領が42%、共和党候補のトランプ前大統領が37%で、ハリス候補がリードを広げていることが明らかになりました。
これまでの経過を見ているとハリス候補の勢いが強く、トランプ候補はこれに対して有効な対策を打てていないようです。
民主党が政権を維持する可能性が上がってきたと考えられます。
そこで過去の大統領選(1944年から2020年にかけての20回の大統領選挙年)において政権(大統領の所属政党)が交代した年とそうでない年の株価のパフォーマンスを比較し、政権交代が起こるシナリオの場合の米国株市場の動きを探ります。
政党交代の有無と年間平均騰落率
政党交代ありの年(10回):
平均騰落率: 4.3%
年間で上昇した年: 7回
年間で下落した年: 3回
政党交代なしの年(10回):
平均騰落率: 10.1%
年間で上昇した年: 9回
年間で下落した年: 1回
いずれの場合でも上昇する年の割合は多く、平均騰落率もプラスとなっています。
しかし、政党交代がない年の方が年間のS&P500のパフォーマンスは良いようです。
政党交代の有無と各月の平均騰落率
次にそれぞれのシナリオでの各月の平均騰落率を比較してみましょう。
以下の表では政党交代の有無によるシナリオごとに各月の平均騰落率をまとめました。
政権交代が起こるシナリオでは1月から3月のS&P500は軟調に推移するようです。
さらに政権交代シナリオでは9月、10月の株価も軟調になっています。
一方で、確率の上がってきた政権交代なしのシナリオではどうでしょうか?
1-3月のパフォーマンスが良いのは実際の今年の動きと同様です。
またこれからの9月、10月も平均パフォーマンスはプラスであり、政権交代シナリオと比べると堅調です。
![](https://assets.st-note.com/img/1723198557934-7uic330qpC.png)
この平均月次騰落率をもとに年初を100としたS&P500の1年での推移を示したものが下のグラフです。
(赤:政権交代あり、青:政権交代なし)
![](https://assets.st-note.com/img/1723198558015-nkbtCprEXF.png?width=1200)
グラフで視覚的に確認すると1年間の株価推移がイメージしやすいですね。
政権交代なしのシナリオ(青)ではS&P500は非常に力強い上昇を見せています。
一方で政権交代ありのシナリオ(赤)では上記のように9月、10月の下落が鮮明になっています。
ただ、いずれの場合でも11月以降のパフォーマンスは良好です。
今後の見通し
ハリス候補が優勢となり、政権交代が起こらないシナリオの確率が上がってきました。
政権交代なしシナリオの場合には過去のアノマリーでは9-10月のパフォーマンスは良好でした。
(政権交代シナリオでは9-10月のパフォーマンスは悪く株価下落)
ではこれらのデータと現在までの米国株市場を取り巻く環境を考慮するとどのような見通しを持って今後の相場に臨むべきでしょうか?
特に8月上旬に市場の急落があり、判断が難しいところですね。
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