2024年米大統領選目前!10月相場はどう動く?
いよいよ10月に入り2024年米大統領選が迫ってきました。
例年それほどパフォーマンスは悪くない10月相場ですが、大統領選挙を控えて不安定な動きをする年もあります。
また今週月曜9月30日に行われたFRBパウエル議長の発言でも市場が変動し、不安になっている読者のかたもおられるかと思います。
(追記10月スタートから中東情勢の緊迫化で指数は下落して始まりましたね。)
そこで、今回は大統領選年の10月相場の動きを過去のデータから解析しました。
それによって大統領選挙を控えた10月相場の展望を探っていきましょう。
パウエル議長の講演内容
まずは今週のパウエル議長の発言を振り返りましょう。
パウエルFRB議長は9月30日、全米経済学会で講演を行い、アメリカ経済が「堅調な状態にある」と述べました。
この発言の背景には、先週発表された所得データの上方修正があります。
修正前は、家計が消費を維持するために借り入れに頼っていると見られていましたが、修正後はより健全な消費活動が確認されました。
具体的には、7月時点で家計の貯蓄率は2.9%と非常に低い水準でしたが、修正後は4.9%に上昇しました。
パウエル議長は「このデータは、消費が引き続き健全なレベルで推移する可能性があることを示唆している」と強調しています。
つまり借金に頼らなくても消費を維持できる状態になっているということです。
GDIとは?GDPとの違い
この見解は他のデータからもサポートされています。
パウエル議長は国内総所得(GDI)が上方修正されたことについても「非常に興味深い」と言及しました。
GDIとは、国全体で生み出された所得の合計を示す指標で、賃金、企業利益、利息などの収入を合算して計算されます。GDP(国内総生産)は生産された財やサービスの付加価値を測るのに対し、GDIは所得を通じて経済の動きを把握します。両者は理論的には一致しますが、データの収集方法やタイミングの違いにより短期的には異なることがあります。
すなわち、今回のGDIの上方修正は、経済成長が所得面にもしっかり反映されていることを示しており、消費が重要な役割を果たすアメリカ経済に対する下振れリスクを軽減するものだと言えます。
市場への影響と利下げ期待
パウエル議長の発言後、金融市場は大規模な利下げ期待が後退し、11月7日のFRB会合での0.5ポイントの利下げ確率は35%に低下しました。
しかし、市場はまだ年内の2回の会合で75ベーシスポイントの利下げを予想しており、その確率は64%です。
パウエル議長の発言は妥当なものですが、これまでに市場が大幅な利下げが相次いで行われるシナリオを織り込んでいたため、株価が一時下落しました。
引き続き、過度な利下げ期待が強い経済指標によって修正され、その時に一時的な株価の変動があるかもしれません。
ただし、ソフトランディンがテーマとなりつつある現在の市場のリスクはむしろ景気後退入りであるため、堅調な経済が維持されることは中長期では株価の支援材料になるはずです。
11月7日までに2回の月次雇用統計が発表され、今週発表される9月の雇用統計では13万2500件の純新規雇用と4.2%の失業率が予想されています。
今後の経済指標の発表に注目したいですね。
大統領選挙を控えた10月相場の展望
パウエル議長の発言は、経済が引き続き堅調に推移していることを示していますが、市場の過度な利下げ期待の修正が起こりやすい状況であるため市場の動きは依然として不透明となっています。
また10月は11月5日の大統領選投票日を控え、株式市場が不安定な動きをするのではないかと不安になる方もおられるかと思います。
そこで、後半部分では米国大統領選挙を考慮した10月相場の動きについて考えていきたいと思います。
新たな解析を今回追加しましたが、かなり明確な傾向が出ており、興味深かったですし、投資方針を考える上でも有用だと感じました。
まずは年初からのS&P500の動きを見てみましょう。
何度か調整はあるものの非常に強い動きをしており、年初来のパフォーマンスは+20.8%となっています。
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