アルファベット(GOOGL)の決算をどう見る?
7月23日(火)の引け後にアルファベット(GOOGL)の2024年第2四半期決算が発表されました。
結果はアナリストの予想を上回り、1株当たり利益(EPS)は1.83ドルの予想に対し1.89ドルを記録しました。売上高も予想の842.2億ドルを上回り、847.4億ドルに達しました。
設備投資も2024年第1四半期の120.1億ドルから130億ドルに上昇しています。
決算が市場予想を上回り、設備投資も一応伸びていますが、同社の株価は時間外で大きく下落しています。
またNVDAも時間外で下落しており、アルファベット(GOOGL)の決算の影響が投資家の判断に影響を与えていると考えられます。
Google Cloud部門
AI・半導体に関連するGoogle Cloud部門について見てみましょう。
第2四半期
収益:103.47億ドル(前年同期比28.8%増)
営業利益:11.72億ドル
営業利益率:11.3%
第1四半期
収益:95.74億ドル(前年同期比28.4%増)
営業利益:9.00億ドル
営業利益率:9.4%
となっています。
これを見ると前年同期比では確かに成長はしていますが、売上高成長率は28.8%(第1四半期28.4%)と前期と同程度の成長率となっています。
またアルファベット(GOOGL)は2020年から2021年にはクラウド部門は40-50%台の売上高成長率を示していました。
これを考慮すると、第1四半期に比べて成長率の減速はありませんが、成長率が加速しているというほどの結果ではないとの見方もできます。
設備投資
また設備投資についても少し投資家の期待を下回っているのかもしれません。
上記の通り、設備投資は2024年第1四半期の120.1億ドルから130億ドルに増加しています。
ただし第1四半期からの伸び率としてはそこまで大きくないとも見れます。
さらにRuth Porat氏(CFO)は「年内の四半期設備投資は120億ドル程度に維持する」と説明していることから、来期以降もこれ以上大きく設備投資が増えるわけではなさそうです。
この設備投資は半導体へ流入するお金となるため、NVDAなどの株価などに影響が出る可能性があります。
また設備投資がこれ以上は増えないとは言え、毎四半期120億ドルもの巨額の設備投資をAI関連で行うことがどれだけ今後の利益に効果をもたらすのかについては疑問であるという意見もあります。
このような声は今後クラウド部門の売上高成長率が鈍化することがあればより大きくなります。その場合には同社が設備投資額を維持できなくなるリスクも無視はできないでしょう。
まとめ
アルファベット(GOOGL)が市場予想を上回る決算を出したにも関わらず、同社の株価は時間外では下落しています。
またNVDAなどの半導体銘柄の株価も同様に下落しています。
この背景にはアルファベット(GOOGL)の第2四半期決算のクラウド部門の売上高成長と設備投資の変調がある可能性があります。
決算をどのように見るかは難しいですが、株価の動きを見る限りは市場がかなりの期待を織り込んでいたことは間違いなさそうです。
まずはGOOGL、NVDAなどの時間外での値動きが、市場が開いた後も持続するのかに注目したいです。
さらに下落が起こる場合には他の半導体銘柄も巻き込んだ下落にまで発展しないかにも注意したいと思います。
また来週にはマイクロソフト、メタ、アップル、アマゾンなどのマグニフィセント・セブンの決算発表が続きます。
これらの銘柄の決算にも注目していきたいですね。
決算を手がかりにした個別株投資はこれらの本を参考にしています。
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