見出し画像

高値を買い上がるには?-打診買い戦略-

買い遅れたな、ってときにどうしていますか?

年初来、米国株市場は力強い上昇を見せています。
そんな中で、買いを入れる前に値上がりしてしまってなかなか買いタイミングをつかめない…ということはないでしょうか?

何を隠そう、私自身がこの状態になることが多いです。
私は決算を手掛かりに個別株を買い上がる順張りスタイルを基本にしているので、なんでもっと早く買っておかなかったんだろう…となることが良くあります。

思い切って買いにいって損をしたらどうしよう、という不安は誰でもありますよね。
この記事でそういう場面で役に立つ、打診買いについて紹介します。

株式市場における打診買いは、少量の株を購入して値動きを観察して、その情報を基に追加投資の判断を行う方法です。
また米国株市場はS&P500、ナスダックともに年初来から好調で新高値をとる銘柄も出てきていますが、この手法は新高値を買い進んでいく時にも有効だと考えています。

以下では私が実際に採用している方法を含めてご紹介します。

打診買いのメリットとは?

打診買いは予算の一部の資金を使って少量の株を購入して、大きなリスクをとる前にその後の市場の動きや株価の反応を観察する方法です。
この方法をとることで以下のようなメリットがあります。

①リスクを減らすことができる:
予算の一部で少量の株から購入することにより、市場が予想と異なる動きをした場合の損失を最小限に抑えることができます。

私は予想される最大損失額を想定して、それがポートフォリオ全体から見て許容範囲と感じることができる範囲におさまるように初回の買い付け額を決めています。

②観察の解像度が上がる:
打診買いによって実際の投資を通じて、市場の動向やその銘柄の反応を高い解像度で観察することができます。

買いを入れなくても観察できるのではないか?と感じるかもしれません。
しかし、実際に株を買うことで損益が出てくると、同じ株価でも自分にとっての見え方が違ってきます。
例えば含み益が出ると自信が出てきてエントリーの株価はそれほど高く感じなくなったり、含み損が出ればエントリーよりも安い株価でも買いにくく感じたりすることはよくあります。

このように理論だけでは捉えらきれない心理的な側面を感じて、次の投資行動に活かすことができることも大きなメリットだと考えます。

③投資戦略の調整ができる:
打診買いをした後の値動きに応じて投資戦略を適宜調整することで、無理なくリスクをとっていくことが可能になります。

特に上昇相場での順張り投資では、打診買いによって得た含み益が心理的なサポートになって、追加投資を予定通り実施しやすくなると感じています。

投資戦略は実行に移すことができて初めて機能するので、実行に移すときの心理的な抵抗を減らすというのは大きなメリットです。

私もその有効性を体験したことで、迷う場面では打診買いを行うことが多いです。
続いては、実際にどのように打診買いをしていくかを見ていきましょう。

打診買いの方法

打診買いは、以下のステップに分かれてます。

①買い付ける銘柄の決定:
当たり前ですが、まずはどの銘柄に投資するかを決めます。
最初に述べたように、私は決算が良くて上昇トレンドになっている個別株を対象とすることを基本にしています。
それが自分にとっては取り組みやすく、勝率も高いと考えています。

②買い付け金額の計画:
どれくらいの金額を買い付けるか計画しましょう。
この時の判断基準は2つあります。

1:許容できる損失額は?
その株のこれまでの値動きから最悪どの程度の水準まで下落しうるか(直近の安値などを参考に)を想定し、その場合に出る損失が自分で許容できる範囲におさまるようにすることです。
例えば最悪買い値から10ドル程度の下落が見込まれる場合、1万ドルまでの損失が許容できるのであれば1000株まで買う、などです。
(これは想定外の急落に備える目的で、途中で損切りすればここまでの損失は出ないことが多いかと思います。

2:その株を最終的にどの程度買い付けたいのか?
各自のポートフォリオの中で、その銘柄をどの程度持ちたいかを決めて、最終的な買い付け量を決めます。
私の場合はその最終的な買い付けボリュームの1/4から1/2くらいを打診買いで投入しています。
これは自分のその銘柄に対する自信の度合いや、相場環境によって各自で決めればよいです。

上記の2つのポイントのバランスをとりつつ、打診買いの予算を最終的に決定します。

③打診買いの実施・フォロー:
予算に従って打診買いを行います。
その後はいつも通り、株価の動きをフォローしていきます。
当然ですが、含み益がでると安心してフォローできるので理想的ですね。

④追加投資を含めた投資戦略の調整:
打診買い後の株価の動き(上か下か、値動きのスピード感はどうか?など)やその銘柄の市場からの注目度などの要素も参考に、その後の投資戦略を決めていきます。

打診買い後に株価が上昇した場合、株価が下落した場合にどうするかを次の項目で見ていきましょう。

打診買い後の株価の動きに応じた戦略

あくまで一般的に考えられる戦略になります。
私自身がほぼ固定して採用している戦略については別の項目として具体的に紹介するようにします。
打診買い後に株価が上がった場合、下がった場合に分けて見ていきましょう。

・株価が上がった場合の戦略
①追加投資:

株価が上昇している時に、さらに追加資金を投入して株を購入する戦略です。
このアプローチは、その銘柄のモメンタム(価格が特定の方向に動き続ける傾向)が上向きであることを背景に、株価のさらなる上昇に乗っていく場合に適しています。
最終的な買い付け量についても計画しているはずなので、それを目安に追加買い付けを行います。

②部分的利益確定:
株価が上昇した際に、保有株の一部を売却して利益を確定する戦略です。

株価が大きく上昇した場合などに、上昇相場に乗りながら、一部の利益を確実に手に入れることができるバランスの取れたアプローチです。

ただし、初回の投入資金があまり大きくなければ利益確定で得られる額はそれほど大きくなることは少ないかと思います。

③保有継続(様子見):
引き続き追加投資をせずに現在の株を保有し続けるアプローチです。
もう少し上昇モメンタムに確証を得たいという場合にはこれも一つの方法かとは思います。

ここには記載しませんでしたが、全部利益確定して投資を終了することも、一つの方法です。
(あくまで上昇トレンドを順張りで取りに行くために投資しているので、わざわざ項目は設けませんでした。)

・株価が下がった場合の戦略
①追加投資:

株価が下落した際に、追加で資金を投入する同じ銘柄の株を購入することで、保有株の平均購入単価を下げることができます。
この戦略は、長期的に株価が回復すると見込まれる場合に有効と考えられます。
見込み通り株価が回復・上昇すればより大きな利益を得る可能性が高まります。
しかし、株価がさらに下落した場合はより大きな損失がでるリスクが上がるので、改めて自分のリスク許容度を確認する必要があります。

②様子見:
株価が下落した時に、追加投資を行わずに市場の動向を観察し続けるアプローチです。
この期間を利用して、株価が再度上昇し始めるのかを引き続き観察するなどして情報量を増やしながら、追加投資の適切なタイミングを考えます。
きちんとリスク許容度を考えた初回投入額を決めていれば、このアプローチも可能になります。

③損切り:
打診買い後に株価が下がり続ける場合に、さらなる損失を避けるために保有株を売却するアプローチです。
リスク許容度とは別に損切りラインを決めておいてもよいと思います。

このことにより損失を限定し、資金をもっと利益が出やすいと見込まれる銘柄に再投資することができます。

私の場合は資金効率の観点から、下落幅だけではなく、様子見の期間の長さでも損切りを考える基準を設定していることもあります。
(このくらいの期間で上昇してこなければ損切りする、などの基準を決めることがあります。)

いかがでしたでしょうか?
ここまで、一般的な打診買いについて私の考えるメリットなども含めてご紹介させて頂きました。

私も最初は打診買いとする意味があまり分かっていませんでしたが、局面によっては有効な方法だと今は考えています。

ここまでの内容でも打診買いはできるようになるのではないかと思いますが、次項からは、私自身が採用している投資戦略と組み合わせた打診買いのパターンについて、各項目でどのような基準を設定しているかを実例も含めてご紹介します。
(あくまで自分のスタイルに合わせたやり方なのと、実例を含むのでペイウォールを設定しています。)

自分の投資スタイルに合わせた打診買いの戦略と実例

ここから先は

2,841字 / 1画像

¥ 200

期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。サポート頂ければ励みになります!