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2025年1月FOMC:金利据え置き、市場は今後の利下げをどう見る?

2025年1月29日米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)において政策金利の据え置きを発表しました。

市場の事前予想通りとはいえ、今後の金融政策の行方を探る上で重要なポイントがいくつか示されました。

この記事では、1月FOMCの結果を解説し、市場への影響と今後の展望について考察します。

FOMCの決定:金利据え置き、インフレは「わずかに高い」

今回のFOMCでは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25-4.5%に据え置くことが全会一致で決定されました。
これは、3会合連続の利下げ実施後、初の金利据え置きとなります。

声明文では、経済活動について「堅調なペースで拡大している」と評価。
労働市場についても「堅調」との見解が示され、前回の「徐々に冷え込んでいる」から上方修正されました。
一方、インフレについては「わずかに高い水準で推移している」とし、依然として警戒が必要な状況であることを示唆しました。

パウエル議長会見:インフレ抑制に自信、ただし不確実性も

FOMC後の記者会見で、パウエル議長はインフレについて比較的楽観的な見方を示しました。
「過去2ヶ月のインフレデータは良好」と述べ、現在の高インフレの主な要因である「住宅インフレ」が正しい方向に向かっていることを強調しました。

しかし、同時に「インフレとの戦いは終わっていない」とも釘を刺し、データ次第では追加利下げの可能性も排除しない姿勢を示しました。

また、トランプ政権の政策運営が不透明であることを挙げ、「経済の先行きは通常よりも予測が難しい」と述べ、慎重な政策運営の必要性を訴えました。

市場の反応:株価は小幅下落、利下げ予想は後退

FOMCの結果を受け、米国株式市場は小幅に下落しました。S&P500種株価指数は前日比0.5%安で取引を終え、ハイテク株中心のナスダック総合指数も下落しました。

金利先物市場では3月FOMCでの利下げ確率は18%に低下し(前日は31%)5月FOMCでの利下げ確率も42%に低下しました(前日は51%)
一方、6月FOMCでの利下げ確率は73%と、依然として高い水準を維持しています。

市場全体としては、年内に0.5%程度の利下げが見込まれています。

今後の注目ポイント:データとトランプ政策

今後の金融政策の行方を占う上で、以下の点が注目されます。

  • インフレ指標:特に、FRBが重視するコアPCEデフレーターの動向

  • 雇用統計:労働市場の堅調さが維持されるか

  • トランプ大統領の政策:関税、財政政策、規制、移民政策など

  • 地政学リスク:国際情勢の不安定化が経済に与える影響

FRBは、今後のデータと経済情勢を注意深く見極めながら、慎重に金融政策を運営していくと予想されます。

まとめ

2025年1月FOMCでは政策金利が据え置かれ、FRBはインフレ抑制に自信を示しつつも、慎重な姿勢を崩しませんでした。

市場は年内に0.5%の利下げを予想していますが、その時期と幅については不確実性が残ります。今後の経済指標とトランプ政権の政策運営が、金融政策の行方を大きく左右することになりそうです。

免責事項

この記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。株式投資にはリスクが伴いますので、投資を行う際はご自身の判断と責任において行うようにしてください。

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n=1|米国株投資@外科医
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