ASML株が急落、第3四半期決算と2025年ガイダンスの影響とは?
10月15日に発表されたASML(ASML)の第3四半期決算は、半導体業界全体に大きな影響を与えました。
世界をリードする先端リソグラフィー装置メーカーであるASMLは、利益が増加した一方で、第3四半期の受注が市場予想を大きく下回り、2025年のガイダンスを引き下げました。
この発表を受けて、ASML株は16%以上急落し、NvidiaやAMDを含む他の半導体関連株も大きく下落し、ASMLショックとも言える様相を呈しています。
ちなみにこの発表は間違って1日早く同社のホームページに掲載されたため、多くの投資家にとって不意打ちのような形になりました。
第3四半期決算のサマリー
ASMLの第3四半期決算では、1株当たり5.80ドルの利益を計上し、売上高は82億1,000万ドルに達しました。
これらの数値は市場の予想(1株当たり5.36ドル、売上高78億7,000万ドル)を上回り、前年比で利益は14.4%、売上高は16.8%増加しました。
業績は好調に見えたものの、同社の受注は26億ユーロ(28億ドル)にとどまり、市場予想の54億ユーロ(59億ドル)の半分以下となりました。
この受注の急減が投資家の失望を引き起こし、株価急落の原因となりました。
2025年ガイダンスの悪化とその影響
さらに、ASMLは2025年の売上高予測を引き下げ、300億〜400億ユーロの範囲の「下限近く」になるとしています。
これまでの予測では、この範囲の「上限に近い」売上を見込んでいましたが、今回の引き下げは、半導体市場全体の回復が予想よりも遅れていることを反映しています。
CEOのクリストフ・フーケ氏は、「AI分野では強い成長が続いているが、他の市場セグメントの回復は緩やかで、2025年までは顧客の慎重な態度が続く見込み」と述べ、慎重な姿勢を示しました。
このガイダンスの引き下げにより、フィラデルフィア半導体指数(SOX)も4.8%下落し、Nvidia(NVDA)やAMD(AMD)、Broadcom(AVGO)などの主要半導体株も軒並み下落しました。
特に、Nvidiaの株価は5.1%減少し、業界全体に波紋を広げています。
まとめ
ASMLの第3四半期決算は、業績の成長にもかかわらず、受注の大幅な減少と2025年ガイダンスの引き下げが影響し、株価の急落を招きました。
今後の半導体市場の回復が遅れる中、ASMLは依然として厳しい状況に直面しています。
今回の発表はASMLだけではなく半導体業界全体が、AI向け半導体は好調なものの、それ以外の半導体需要は思ったより厳しい状況になっていることを示しており、市場全体の方向性に影響を与える可能性があります。
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