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7月JOLTS結果をどう見る?

米労働省が9月4日に7月雇用動態調査(JOLTS)を発表しました。
求人件数が23.7万件減の767.3万件と市場予想の810万人を下回り、3年半ぶりの低水準となりました。

市場の予想を下回り、景気後退懸念が強まりそうでしたが、株式市場の反応は限定的でした。

上段:求人件数、下段:レイオフ件数
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-09-04/SJAKB2DWLU6800より引用

上のグラフを見ると、COVID-19パンデミックからの経済再開の過程で2022年にかけて求人が急速に増加してきました。
その時期には人を雇いたくても雇えないという状況になっていました。

そのため、企業は高金利下での経済減速・労働力の需要低下に対しては、すでに雇っている人を解雇するのではなく、新規求人を減らすという形で対応しています。

今回のレイオフ・解雇数は20.2万人増の176.2万人と低水準にとどまっていることがこの傾向を裏付けています。

ちなみに採用件数は27.3万人増の552.1万人でした。

このことから求人数の減少が直ちに失業率の大幅な低下を招くわけではないと考えられます。

このような背景を踏まえて、労働市場は秩序だった減速を示しており、現時点でFRBが大幅な利下げが必要になるような極端な景気後退局面ではないと考えられます。

政策金利を高く維持することで賃金インフレにブレーキをかけている以上、労働力需要の減少はやむを得ません。

それを直ちに景気後退と結びつけるのは早計であると考えられます。

この記事でも述べたように、8月末に発表された個人所得の賃金データでは、賃金が予想を上回る+0.35%の伸びを示したことからも、8月雇用統計が景気後退懸念を引き起こすような極めて弱い数字で入ってくる可能性は低いのではないかと考えています。

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