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【2025年1月発表】米国12月雇用統計が示す労働市場の強さと金融政策への影響

2025年1月10日に発表された12月の米国雇用統計は、労働市場が依然として堅調であることを示しました。この結果は、FRBの金融政策や株式市場の動向に重要な示唆を与えています。本記事では、具体的な雇用データや市場の反応を詳しく解説します。

12月の雇用統計の主なポイント

  1. 非農業部門雇用者数

    • 予想を大幅に上回り、25万6,000人の増加(市場予想は15万7,000人)。

    • 民間部門は22万3,000人の増加(予想は13万人)、政府部門は3万3,000人増加。

    • 過去2か月(10月と11月)のデータは合計で8,000人減少に修正。

  2. 失業率

    • 前月の4.2%から4.1%に低下

    • 労働力人口が24万3,000人増加した一方、雇用者数は47万8,000人増加。

  3. 賃金動向

    • 平均時給は前月比+0.3%(予想通り)、前年比では+3.9%(予想の+4%を下回る)。

  4. 業種別動向

    • 増加が顕著な業種:

      • 小売業: 4万3,400人

      • ヘルスケア・社会福祉: 6万9,500人

      • レジャー・ホスピタリティ: 4万3,000人

    • 減少した業種:

      • 製造業: 1万3,000人

      • 建設業: 8,000人


市場と政策への影響

金融政策

今回の雇用統計は、FRBの利下げ期待を大幅に後退させました。

  • 1月29日の利下げ確率はわずか3%にまで低下。

  • 6月以降に初めて利下げが行われる可能性が示唆されていますが、2025年内の利下げ幅は最大でも50ベーシスポイントにとどまるとの見方が一般的です。

株式市場

  • S&P 500指数は発表直後に0.7%の下落。10日は-1.54%の下落で引けました。

  • 10年国債利回りは4.755%に上昇(2023年11月以来の高水準)。

  • 一部の個別銘柄(例: Constellation EnergyやDelta Air Lines)は上昇するも、全体として弱含み。


労働市場の今後の展望

12月のデータでは強い労働市場が示された一方、今後の課題も浮き彫りになりました。

  • 一部の専門家は、企業の採用意欲が2025年初頭に鈍化する可能性を指摘しています

  • 小売業やホスピタリティ業界では引き続き採用が活発ですが、製造業の雇用減少は自動化や経済構造の変化を反映している可能性があります。(直接データからは読み取れませんが、AIの普及による影響も否定できない。)


まとめ

今回の雇用統計は、労働市場が堅調であることを示す一方、FRBの利下げ期待を後退させ、株式市場に下押し圧力を与えました。

また製造業の雇用減少は自動化や経済構造の変化を反映している可能性があり、引き続き注目していきたいですね。

毎週末に週報で米国株市場の見通しを書いています。

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n=1|米国株投資@外科医
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