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米国株投資での売りルールとは?

週末にIBDは米国株市場の投資判断を”Market In Correction(調整局面入り)"としました。

弱い経済指標などを受けて主要株価指数が下落し、不安定な相場となっています。

Nvidia (NVDA)、Meta Platforms (META)、Microsoft (MSFT)、Amazon.com (AMZN)、Alphabet (GOOGL)、Apple (AAPL) などの「マグニフィセント・セブン」は、AI・半導体の上昇相場に乗って大幅に上昇してきました。

しかし、現在では市場予想を上回る決算を発表したAAPLは比較的値を保っていますが、その他のNVDA、AMZN、MSFT、META、GOOGLの株価が下落し、iいずれも50日移動平均線を下回っている状況です。
特にNVDAの株価は7月24日に5月1日以来初めて50日移動平均線を下回り、現在は50日移動平均線を12%も下回る位置にあります。

このように厳しい相場環境において、投資家は利益を守るための売却ルールを持ち、しっかりと守ることが重要です。

ポジションを持つこと自体が判断を鈍らせる

株を買う判断をする時には客観的な判断をするのはまだ容易です。
投資する前に、株式リスト、個別株の評価指標を使って最適な銘柄を見つけ、値動きを監視することができます。

しかし、実際に個別株を買って保有すると、心理状態が変わります。
大きな利益を得たいという欲望や大きな損失を避けたいという恐怖が入り混じり、客観的な判断が株を買うときに比べて格段に難しくなります。意思決定を曇らせることがあります。

そのため、株を売るタイミングを客観的に判断するのは非常に難しい課題です。

株を売る判断を冷静に下せるように、IBDが推奨する8つのルールを振り返ってみましょう。

個別株の8つの売りルール

1.誰でもミスをするが、損失はすぐに切り捨てる。
どんな優れた投資家でも、時には損失を被ることがあります。

しかし、株価がさらに下がる中で悩むことはありません。早めに損切を行うことで、次の買いチャンスに向かうことができます。

自尊心やプライドは置いておき、損失が心にもあなたの財産にも影響しないようにしましょう。

2.早すぎる売却を避けると、遅すぎる売却になる。
確実な利益を得るためには、株価が上昇している間に売却します。

つまり、まだ上がると感じているときに売る、ということです。

強いブル市場では、NVDAやMETA、MSFTのような成長株は予想以上に上昇することがありますが、ある程度上昇した時点で一部利益を確定させることで、利益を守りつつ、さらなる上昇によるリターンを得ることができます。

また、このやり方によって予期せぬ大幅な調整によるリスクを軽減することができます。

3.購入前に売却計画を立てる。
株を売るタイミングが本当の勝負です。

売却ルールや出口戦略がなければ、行動を起こすべき時に動けなくなりがちです。

株価が急上昇している時には、欲が出て売却サインや警告を無視するかもしれません。

また、損失を抱えている場合には「ホールドし続けて株価の回復を願う」ことになるかもしれません。
そのようなことを続けている限り、株価はさらに下がり続けます。

冷静さを保ち、事前に売却計画を立てておきましょう。
利益確定と損失切り捨てのための目標価格を買いのタイミングで明確にしておくことが重要です。

4.適度な利益を損失に変えない。
10%、15% 以上の利益が乗っている時に株価が下落し始めたら、その利益を完全に失ってしまわないようにしましょう。

15%〜20%の利益が5%〜10%の利益に減少するのを見る方が、10%の損失に落ち込んでしまうよりもはるかにストレスが少ないです。

株価が再び上昇し、適切な買いポイントを形成した場合には、いつでも買い戻せばいいのです。

5.株と結婚するのではなく、デートするだけにしなさい。
「良き時も悪き時も」といった結婚の誓いは立派ですが、株式投資には適しません。

多くの場合、良い利益を得たら早めに確定する方が賢明です。
問題の兆候が明確に現れた場合には、ためらわずに損失を回避するようにしましょう。

6.損失が出ている株を先に売却する。
スポーツチームを組むときに、トッププレイヤー(パフォーマンスのいい銘柄)をすべて放出して控え選手ばかりにしては成績が落ちます。

しかし、多くの投資家は個別株のポートフォリオを組むときにそれをやりがちです。

一番利益が出ている株を売り、損失が出ている株を保持し続けます。

損失を出している株もそのうち上がると信じ込んでいますが、それはただの願望に過ぎません。

逆を行いましょう。損失を出している株を売却し、その資金を、もし市場の傾向が良好であれば、パフォーマンスの良い銘柄や既に持っている利益が乗っている優れた株に追加投資しましょう。

そうすればあなたのポートフォリオは含み益のある、強い銘柄ばかりで構成されることになります。

7.株を買う時はファンダメンタルズとチャートの両方に注目し、売る時はチャートに注目する。
株か下落の警告のサインは通常、企業のファンダメンタルズよりも先に株のチャート、つまりテクニカル分析に現れます。

株を購入する時は、テクニカルとファンダメンタルズの両方を使うことが重要です。

一方で、個別株を売却を決定する時にはファンダメンタルズがいいからと判断を先送りするのはよくありません。
なぜなら上で述べたようにファンダメンタルズが悪化する時にはすでに株価が下がってしまっていることが多いからです。

売りの判断はチャートのテクニカル分析、特に価格と出来高の動きや主要な移動平均線周辺の動作に注目して、行いましょう。

8.最も重要な売却ルールは、適切なタイミングで買うこと。
特に初心者投資家に多いミスは、間違ったタイミングでの購入です。

市場のタイミングを無視して、相場が下落している時に買うことや、株のチャートの動きを無視して早すぎる、または遅すぎる購入をすることがあります。

したがって、株を買う前に3つの重要な要素—市場の傾向、新しい成長をもたらす大きな利益、そして機関投資家の支持—が整っていることを確認しましょう。

それにより、適切なタイミングで購入し、成功の確率を高めることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

私はこれらのルールの中で特に
2.早すぎる売却を避けると、遅すぎる売却になる。
6.損失が出ている株を先に売却する。
7.株を買う時はファンダメンタルズとチャートの両方に注目し、売る時はチャートに注目する。
8.最も重要な売却ルールは、適切なタイミングで買うこと。
に気を付けています。

メンタルのコントロールは投資を成功させるために非常に重要な要素です。
特に買いポジションをいったん持ってしまうと、ポジションがないときに比べて客観的な判断がどうしても難しくなりがちです。

これらのルールが皆さんが厳しい8月相場を乗り切っていく上でお役に立てば幸いです。

一緒にこの調整相場を乗り切っていきましょう!

IBDの創設者ウィリアム・J・オニールの投資手法はこの本で学びましょう。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

この記事が読者の皆様がリスクとリターンを考慮したより良い投資判断を行うための手助けとなれば幸いです。
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*実際の投資判断については自己責任でお願いします。

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