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「年初の5営業日」アノマリーに注目!

‘First Five Days’ (年初の5営業日=1月の最初の5営業日)の騰落率がその後の米国株式市場のパフォーマンスを知る手がかりになるというアノマリーは古くからウォール街で知られています。

ここではS&P500の1950年から2023年までの74年分のデータを用いてこのアノマリーを検証しました。
なお、年初5営業日の騰落率の定義は、
年初5営業日騰落率(%)=「同年1月の5営業日目の終値」の「前年12月最終営業日の終値」からの騰落率
となります。
長いので以下では「年初5営業日」をFFD(First Five Days)と表記します。

これを2024年に当てはめると、FFD騰落率は「1月8日(月)の終値の2023年12月29日の終値4769.83からの騰落率」となります。
週明けには結果が出るので、まさに今注目したい指標ですね!

なお、今回のS&P500の過去データの解析はChatGPTのData Analystに手伝ってもらっています。

FFD騰落率と1月の月間騰落率の関係

まずはFFD騰落率が1月の月間騰落率に与える影響を検証します。
データの一覧を表1に示します。

・FFD騰落率がプラスであった場合(48回)
1月の月間騰落率がプラスで終わったのは35回(72.9%)
1月の月間騰落率がマイナスで終わったのは13回(27.1%)
これらの48年の1月の月間騰落率の平均は+2.5%でした。

FFD騰落率がマイナスであった場合(26回)
1月の月間騰落率がプラスで終わったのは9回(34.6%)
1月の月間騰落率がマイナスで終わったのは17回(65.4%)
これらの26年の1月の月間騰落率の平均は-1.6%でした。

このことからFFD終値が前年末終値より上がるか/下がるかが、その年の1月のS&P500指数が上がるか/下がるかに関連していると言えます。

表1:1950年から2023年における年初5営業日と1月の月間騰落率一覧(*無断転載禁止)


FFD騰落率と年間騰落率の関係

次に、FFD騰落率がその年の年間騰落率に与える影響を検証します。データの一覧を表2に示します。

・FFD騰落率がプラスの場合(48回)
年間騰落率がプラスで終わる確率は83.3%(40回)
年間騰落率がマイナスで終わる確率は16.7%(8回)
このシナリオでの平均年間騰落率は14.2%でした。

FFD騰落率がマイナスの場合(26回)
年間騰落率がプラスで終わる確率は53.8%(14回)
年間騰落率がマイナスで終わる確率は46.2%(12回)
このシナリオでの平均年間騰落率は0.3%でした。

このことからFFD終値が前年末終値より上がるか/下がるかが、年間でのS&P500指数が上がるか/下がるかに関連していると言えます。
FFD騰落率がマイナスの年の平均の年間パフォーマンスは冴えませんね。

表2:1950年から2023年における年初5営業日と年間騰落率一覧(*無断転載禁止)

追加:1月の月間騰落率とその年の年間騰落率の関係

追加で1月の月間騰落率と年間騰落率の関係を検証しています。

1月の月間騰落率がプラスであった場合(44回)
年間騰落率がプラスで終わる確率は88.6%(39回)
年間騰落率がマイナスで終わる確率は11.4%(5回)
このシナリオでの年間騰落率は平均+16.8%でした。

・1月の月間騰落率がマイナスであった場合(30回)
年間騰落率がプラスで終わる確率は50%(15回)
年間騰落率がマイナスで終わる確率は50%(15回)
このシナリオでの年間騰落率は平均-1.8%でした。

1月の月間騰落率がプラスで終わるシナリオではS&P500の年間パフォーマンスは非常に強いですね。
一方で、1月の月間騰落率がマイナスで終わるシナリオではS&P500にとって厳しい1年になると言えそうです。

まとめ

米国株における「年初の5営業日」アノマリーの検証、いかがでしたでしょうか?
1月5日(金)のS&P500の終値は4697.24となっており、1月8日(月)の終値が2023年12月29日の終値4769.83を上回ることは極めて厳しい状況と考えられます。
今年1年は米国株にとって厳しい1年になるのでしょうか?
まずは1月8日(月)のS&P500終値に注目しましょう。

*実際の投資は自己責任でお願いします。

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