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誘い文句は「楽で、簡単、高収入」

首都圏を中心に相次ぐ闇バイト強盗で、警察庁が2024年10月18日に加担しないよう注意を促す動画を発信した。

警察庁は、実行役を「捨て駒」として使う「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」が関与しているとみられ、事件を食い止めるために、実動部隊の供給を断つ狙いがある。

それが功を奏し、警察当局が少なくとも3人を保護したことが警察庁への取材で判明した。

警察庁によると、1人はSNSを通じて求人情報に応募。

指示役に犯罪行為を指示されたので拒否したところ、送信していた個人情報を元に脅迫された。

今回は、警察への相談を呼びかけたXでの動画を紹介する報道を目にし、9月23日に警察相談専用電話「♯9110」に相談して保護に至った。

このほかにも2人が保護されたという。

詐欺を調査しているジャーナリストによると、詐欺で実行役は逮捕されることが前提の「捨て駒」としての存在だという。

実行犯の人手不足の状況が年中続き、SNSには闇バイトを募集する投稿が絶えない。

強盗の実行犯とされる容疑者の多くは20代の若者であり、中には「バイト」の内容が強盗と知らされずに現場に行った者もいる。

一般的に「高額報酬」をうたいバイトを集めるが、ある女性は1万5000円ほどの日給のアルバイトに応募して、犯罪行為だとは知らされずに仕事をしている。

1回目の仕事ではわからずに、2回目に高齢女性から紙袋を受け取ったところで詐欺ではないかと気づくが、結果として詐欺に加担することになる。

①「ホワイト案件」に要注意

闇バイトとして募集されるものには、現金を直接に取りにいく「受け子」。
キャッシュカードでお金を引き出す「出し子」。
海外リゾートバイトなどといって、海外のアジトで詐欺の電話をかけさせる「かけ子」。
銀行口座を新規で開設したり、スマホを契約してくれれば、報酬を払うというものもある。

SNSで、すぐに闇バイトとはわからないよう掲載していることも多くある。

なかには闇バイトへの注意を呼びかけて「ホワイト案件」(詐欺ではない仕事募集)とうたう募集もある。

闇バイト募集を見抜くには、「高額バイト」「高収入」「即日即金」「UD(受け子、出し子の隠語)」「運び」といった言葉があることだ。
これらが書かれていたら、闇バイトの可能性があると思ってほしい。


また、すぐに返事がきて秘匿性の高い通信アプリ(テレグラム、シグナル)にて「仕事の説明をしたい」と募集先から言われたら、闇バイトを疑う。

なぜこのアプリを使うのかといえば、犯罪の指示の証拠を消すためだ。
一般の求人募集ではこうしたアプリは使わない。

リクルーターらは口がうまく、応募者をだますための話術に長けている。
リクルーターたちは、特殊詐欺を長くやってきた人間であることがわかっている。

ほとんどの人は親切で優しく話しをしてくる。
その丁寧さから犯罪にかかわる仕事だと気づかず、話し続ける人もいる。

②「大変だよね」「これまでお金で苦労してきたね」

最初に彼らが聞いてくるのは、私たちの個人情報である。
仕事の面接と称して、名前、生年月日、年齢、居住地を聞いてくる。

続いて聞いてくるのが「借金はどのくらいあるのか」
「いくら稼ぎたいのか」だ。


ほとんどの応募者が、お金に困って応募しているので、つい答えてしまう。

もし借金があることを明かすと「大変だよね」
「これまでお金で苦労してきたね」
と、同情するように優しく接してくる。

そこで「うちの仕事では1回で5万円はもらえるから、すぐに借金は返せる」と言ってくる。

普通、仕事の面接で、いきなり「あなたの借金は?」などということを聞くことはない。

そうしたことを聞いてきたら、闇バイトの仕事であると思うことが必要。

犯罪行為をさせる前には、必ず応募した人の身分証を写真に撮って送るように言ってくる。

応募者の性格を含めて、すべての個人情報をつかみ、仕事と称して犯行に及ばせる。

「家族に危害を加える」などと脅して、犯行に駆り立てる狙いもある。

応募先の人間は、詐欺を長くしてきた人間なので、相手の心をつかむ術に長けている。

20代の若者は、その魔の手にはまってしまう。

安易にSNSの求人にDMを送らないことが大事だ。

③グレーだと思う仕事は断る

一般の求人サイトの募集にも「配達、回収」や「携帯電話を契約する業務」のスタッフ募集のような求人を出しながら、実際には、詐欺などの犯罪に加担するように誘導するものもある。

求人サイトの募集に応募して、闇バイトに加担したというケースもあるので、名の知られた求人サイトの募集だから絶対に大丈夫ということはない。

相手をだますような行為をさせるグレーだと思われる仕事は、断ることが必要だ。

ネットは、本人の関心のある情報ばかり表示されるようになっているので、なかなか強盗や詐欺などの犯罪の手口や注意喚起を目にする機会がない。

身元がよくわからない相手とは、つながりを持たないようにすることも必要だ。

④「現金をプレゼントします」

お金に困って「新規に銀行口座を開設すれば、資金を工面してあげられる」といった書き込みを見て、キャッシュカードを送ってしまい、それが詐欺に悪用されたケースもある。

このときは「現金をプレゼントします」
というアカウントをフォローしたことがきっかけで、募集を目にしてしまう。

SNS上のあらゆるところに、犯罪グループの罠が潜んでいる。

犯罪につながるようなワードを検索しない。

危険そうなアカウントをフォローしない。

どこに相談したらよいのか困ったら、警察相談専用電話 #9110 に連絡する。

そして「楽で、簡単、高収入」な仕事など存在しないのだ、ということは知っておいてほしい。

<引用> 多田 文明 ・・・詐欺・悪徳商法ジャーナリスト


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