【知識を深めよう】9スタを丁寧に解説してみた|クロス護衛進行(初日狩人2CO)編


■最初に(この記事を読むことをオススメしたい人)

・最近、人狼(9スタ)をやり始めた人
・クロス護衛をなんとなくで採用している人
・クロス護衛について深く考えたことがない人


クロス護衛進行とは

初日に狩人が2COの場合に採られる進行。
具体的には偽目の狩人に霊能護衛、真目の狩人に占い2択護衛をさせ、グレーを吊る進行のことを指す。

クロス護衛のメリット

①偽目の狩人を利用し、役職者を噛まれにくくする。
②(条件は絞られるが)偽目の狩が真の場合を考慮出来るケースがある。

①は基本的に偽の狩を利用して役職を噛ませなくしようとするものです。
②占い決め打ちを先に行い、かつその占い師が狩候補を占える場合、逆転勝ち出来る可能性が残されているというものです。
後ほど詳しく解説しますが、前提として占いは真狂であるということが重要です。
9スタの2-1陣形は9割強が真狂で、残りが真狼という内訳が多いため、クロス護衛が採られることが多いです。

クロス護衛のデメリット

①偽目の狩人が真の場合に負ける。

①基本的に初日白吊りの場合でGJや占い候補噛みが入った場合は、3dは偽目の狩吊りになるのではないでしょうか。(残りの占いが偽っぽい場合、グレーで人外と強く思える人間がいる場合はその限りではない)
偽目が真狩の場合は、占いベグ噛みで狂人を噛んでいない限り翌日PPになります。


【検証】本当にクロス護衛進行は有力なのか?

今では当たり前のようになりつつある「クロス護衛進行」ですが、本当に有力なのでしょうか?検証してみましょう。

前提1:占いの内訳は真狂とします。
前提2:GJが無い場合はRPPがPPに置き換わるだけになるので、後述するものは全てGJが有る場合で考えていきます。

グレー4から狩2COになった場合(GJ有り)


参加者のリスト(見づらいと思いますが各自、盤面との照合用にお使いください)

初日の盤面(CO状況)

上記の盤面の時、F(真)に霊護衛、G(偽)に占い2択護衛をさせたとします。吊りは〈H〉を吊りました。翌日にGJが発生したとします。

3dの占い結果(占い両方初手囲い主張)

ここで占い目線の狩以外の視点黒位置は確定します。
そして、盤面からIは確定白で、狩以外のラインは盤面上はっきりしました。
ここで、【占い決め打ち】を行うか、【狩決め打ち】を行うかは、実際の村での決め打ちやすさ次第になりますが、どちらも検証していきます。

パターン①:占い決め打ち(占い真狂前提)
この場合は護衛指示が入ると思います。
護衛指示としては、それぞれに「霊能護衛」or「確定白護衛」か「決め打った残りの占い護衛」になります。

分岐a:占い真を吊った場合
狼は縄を増やさないためにGJを回避する噛みを行う必要があるため、
F(真)を噛むでしょう。
そうなると、翌日RPP(狂狼狼霊狩村)になります。
狼側は信用勝負にも勝っているにも関わらず、RPPになってしまうのは勿体なく感じますね。
そのため、2d夜は「GJを出さないように噛むべき」というのが結論になります。

分岐b:占い偽を吊った場合
この場合、偽目の狩には「霊能護衛」or「確定白護衛」、真目の狩には「決め打った残りの占い護衛」をさせ、残った占いは狩候補を占うことで視点が完成します。
占いが噛まれる=占い護衛を指示された側が破綻となりますのでそのままストレート勝ちになります。

パターン②:狩決め打ち(占い真狂前提)
この場合は残った狩に霊護衛をさせるのが環境的には正しいと思います。
理由としては、占いを真狂前提としているので、狩偽を吊った場合、霊結果黒になることが予想されるからです。
狩視点ではもう占い候補は噛まれないので、霊護衛する選択肢以外無いので、霊護衛をしない=偽と見られるでしょう。

※真狼も同等のレベルで発生する環境になった場合は、確定白護衛の検討が必要です。確定白が抜かれたからと言って、残った狩が狼or人外であればRPPの状態になるため、それをしない時点で人外要素にはならないためです。
ですが、「RPPを宣言しない狂人が、狼に見られ勝ちに行こうとしている!」という主張を人外側が行い、霊能を巻き込んでRPP状態にする可能性があるため、主張の隙を与えさせないための確定白護衛をする必要も出てくるのではないでしょうか。(GJが起きれば狩の真が確定するため)

分岐a:狩真を吊った場合
翌日からRPPが始まります。
先ほど記載した通りですが、2d夜にGJを起こしたことが尾を引いているため、クロス護衛の場合はGJを出さず、違和感のない噛み(占い2択噛み)をするしかないということになります。

分岐b:狩偽を吊った場合
基本的に残った狩は霊護衛で問題なく、あとは占いの決め打ちになります。

結論
2d夜にGJが出た場合を検討していきましたが、GJを出さない場合は役職が噛まれることになります。噛みによって下記の様に分岐します。

①狩噛み=残りの狩吊り
②占い噛み=残りの占いの決め打ち or 狩決め打ち
③霊噛み=霊護衛指示があった方の狩吊り
④役以外噛み=白吊り確定のため占い or 狩決め打ち

基本的に、狩に出た人外(狼)が真目に見られている状況では、
GJを出してしまうとPPのアドバンテージがRPPにまで落ち込んでしまうため、狼としてはGJを回避したいところになります。
また、偽目に見られているのであれば、狂人と相方狼に信用勝負を頑張ってもらうため、真狩 or 霊を噛むことになるでしょう。

進行論としては、盤面推移を見ると気づくかもしれませんが、
占い決め打ちから入った方が、狩決め打ちよりも狼の主張出来る幅が少なくなり、グレー4の場合では、3d夜に残った占いが狩候補占いが可能なので、決め打ち回数を1回にすることが出来ます。
よって、占い決め打ち > 狩決め打ちで入る方が進行論的に良いと言えます。

また、確定黒は基本見込めないと思って良いでしょう。(狂人が片白に黒を打てば確定黒を回避出来るため)


グレー5から狩2COになった場合(GJ有り)

グレー5になるパターンは、3パターンになります。

①確定白の場合
②片方の占いがグレー白、片方の占いが霊能白
③片方の占いがグレー白、片方の占いが対抗占い白

全て書いてしまうと記述量が膨大になってしまうので、①は簡単に説明します。

3dの占い結果(初日確定白パターン)

上記を見ると分かると思いますが、実は4グレーだった場合と合流します。
白を引いても黒を引いても視点グレーは2のため、各視点の人外位置が確定します。
そのため、このケースは前述した4グレーの分岐と全く同じになります。

②、③のパターンを検討してみます。

パターン①:片方の占いが霊能白の場合で占い決め打ち(占い真狂前提)

3dの占い結果(初日片方の占いが霊能白パターン)

この状況ではB視点ではC,Dどちらが黒か確定していません。
Bが偽の場合で考えていきます。

分岐a:占い真を吊った場合
B視点では黒位置が判明していないため、占い結果を残させるために残りの狩どちらにもB護衛をさせる必要があります。
※狩の真偽を確定させるために護衛指示を出す方法もあるにはあるが、B真の場合にBが抜かれるのは本末転倒のため、基本的には真目にB護衛をさせることが必須になるでしょう。

おそらく霊 or I(Cは狂人の黒打ち位置のために残す)噛みになり、そのままC吊りになり、狼陣営が勝利します。

分岐b:占い偽を吊った場合
A視点では黒位置が確定しているため、狩候補のどちらかを占うことで終了。(D吊りから入った場合でも同じ)
また、護衛指示は偽目に霊護衛、真目に残りの占い護衛をさせます。
補足:真目が偽の場合でも占い噛みをしたら破綻になるため問題なく村陣営勝利となります。

パターン②:片方の占いが霊能白の場合で狩決め打ち(占い真狂前提)
分岐a:狩真を吊った場合
ここが重要になります。
B視点では黒位置が判明していないことから、残りの狩が占いB護衛を主張することは不自然ではなくなるため、霊護衛をしない選択肢が大いにあります。
その場合、霊噛みになると対抗狩の白結果を見せずに済むため、RPPをせずとも勝ちを狙いにいけます。
占い真狂の場合は占い決め打ちをするだけで狼陣営勝利となります。
(占いAがDで誤爆していた場合は、D吊りで続いた場合はRPP(占狂狼村となる)

分岐b:狩偽を吊った場合
残った狩はおそらく占いB護衛になり、4dに占い決め打ちとなります。

パターン③:片方の占いが対抗白の場合(占い真狂前提)
占い対抗白のケースは、対抗白を打った側が真占いの場合、偽占いが黒を安心して打てる位置がなくなるため、確定黒(誤爆)をする確率が上がります
対抗白を打った側が偽占いの場合は、占い真狼主張で狼を逃がすことが出来ないという差があります。(他は霊能白を打ったケースと合流する)


総評

かなり長くなってしまいましたが、クロス護衛をした場合の盤面推移を比較していきました。(これでも全てのパターンが網羅出来ていません)
結論としては、クロス護衛の強みが出るケースは「4グレーから2CO」で「GJが起きた時」場合が最大のメリットとなります。
付加価値を与えるとするなら「狩の決め打ちを遅らせることで、占いの決め打ちに真が勝ってくれれば、狩の信用も巻き返せる可能性が出てくるケース(グレー数によって狩候補占いを挟める場合)がある」というところでしょうか。

必ずクロス護衛進行を採るべきかと言われるとそうでは無いです。
(別観点でクロス護衛進行に対する記事を書きたいと思います)
採った場合で占い決め打ち or 狩決め打ちの判断に迷った場合は、基本的に占い決め打ちから入るべきです。

他のケースでは、GJを出してもRPPにまで落ち込ませることが出来ないため、クロス護衛をさせることの意味が薄まります。
クロス護衛のメリットが強く出る背景に、9スタが占い真狂環境であることが大きく作用していることも分かります。
本来は真狼であれば詰みになっていないケースも多くあります。
例えば、真狼で初手囲い、狩が真狂の場合は初日白吊り確定になるため、これも村にとっては良くないでしょう。(占い狼であれば、意図的に切ろうとしない限り確定黒になることはありません。)

記述量の都合上「グレー6の場合」「片白から出た場合」を記載していませんが、重要なのは各占い視点のグレー数になるため、グレー数4で片白から狩が出た場合はグレー5の霊能白や対抗白のケースに合流します。(機会があれば別記事にしようと思います。もしくは自分で考えてみるとクロス護衛進行への解像度が高まっていくと思います。)

いいなと思ったら応援しよう!