売り場に立つことのススメ
作り手になって、販売する側になったなら、続けて行く段階で必ず出てくると思います。「販売のやり方」売上をたてたい。活動のためにという方が活動の幅を広げるために商業施設での販売ルートは、やはり魅力的なもの。
百貨店は、ひと昔前まで、百貨店バイヤーが並べる商品を吟味して誘致してましたが、今となってはイベント会社などに丸投げ状態で、売り場を与えるところが本当に増えました。個人的には、バイヤーの怠慢だと私は思ってるんですが、それに伴って、百貨店の売り場を一定期間預かって、作家を集めて売り場を作る会社が本当に増えましたよね。
作家さんたちにとっては、百貨店で自分が商品として並ぶことがすごいことともう思ってないと思いますが、本当はすごいことなんですよ〜
特にイベンターが好むのは圧倒的にアクセサリー。商品ひとつひとつが小さいので、一定の広さに置ける金額が高くなるのです。おまけに圧倒的に人気の作家さんに特化して売れるとは限らないので、色々な作家さんを置いてもなんとなく売れて行くということもあり、ある程度売れる作家さんをメインで持っておけば、あとは、「その他」の作家さんを取っ替え引っ替えすれば売り場が成り立つし、百貨店での購買単価はそこらの雑貨屋よりは上がるので、売れて行く確率も高いのです。
百貨店で売って欲しい!という方も多いと思います。販売条件のこととかは、ちょっと置いといて。
大体の場合、現地で売り場に立てる人を優先して採用とか、売り場に立てる人は、条件で優遇してもらえることがあります。
もちろんイベンター側にそこまでの人員がさけないので作家側に要求が入るわけですが。出られるならば、出ることを強くお勧めします。
自分の作品を「売って」もらうのに、何もかも丸投げするな
距離の問題などでどうしても無理という場合は別として、いけるのであれば、1日でもいいから売り場に立ちましょう。
自分の作品がどういうところで販売されているのか、たとえ売り場画像をイベンターさんが送ってくれても空気感は伝わりません。会場となった売り場がどんなところなのか、実際にどういうお客様が立ち止まるところなのか。他の方の作品がどんな風に並んでいるのか、自分のものと比較してどうか。お客さんがよく立ち止まってる作家さんはどんな方なのか。全てが勉強になるし、自分にとってプラスになります。
接客なんてしたことないし、お客さんに話しかけるなんて。。
作家さんて、結構「私人見知りなの」と言って外に出ない方多いですよね。私の経験上ですが、大抵そういう方は、自意識が強い方が多い。周りはなんとも思ってないのに、「思われているはずの自分」を強くイメージしすぎて、妄想を広げて、惨めな自分を先にイメージしてしまう。元販売業のアカサカから言わせていただくと
ご安心ください!あなたに誰も期待なんてしてません!
必要なのは売り場人員。細かいものを沢山扱う売り場は、その分万引き、破損の発生確率が上がります。売れることは大事だけど、何より預かった大事な商品を万引されたり、壊されたりすることが一番避けたいところ。そのために売り場人員が必要なだけ。あなたがやることは、そういう人が出ないように売り場を綺麗に保つこと。スタッフが近くにいることをアピールすればいいだけなのです。
ディスプレイを治しながら、視点はお客様たちの手元を注視。
万引き、破損防止です。時々ディスプレイ治しに夢中になっていて周りのお客様が見えてない方がいるんですが、ディスプレイ治しよりも、見ているお客さんの手元をよく観察することが大事。お客さんの目を見なくていいんです。手元をじーっと見る必要もありません、なんとなーく手元あたりを見ながら手はディスプレイを治しつつという感じ。
そうすると、あ、ああいう置き方してると、お客さんのコートの袖に引っかかってあの商品倒れそうだな、ってことに気づいたりします。倒れて壊れたら大変なら、ちょっと場所を移動してみたり。というだけでも立派なお仕事なのです。
声をかけることであなたがいることをアピール
アピールっていうと「私アピールなんて!」と過剰反応する方がいますが。大丈夫、「だれかがいる」ことだけわかればいいので、「あなた」である必要はありません。それに大きな声を出す必要もありません、あなたの周り5M程度の人たちに聞こえれば十分すぎるほど。要するに「この売り場には、スタッフがちゃんといますよ」というアピールになるのです。大勢のお客様の中に混ざってくるような、万引き野郎に「スタッフみてますよ」と抑止力になるんです。
つまり、この2点ができれば、十分なのです!
余裕があれば、お客様と話してみますか。それもいいと思います。売り場におられるお客様は、多分あなたと同じ「可愛いものが好き」な方が圧倒的に多い。お話ししやすいと思いますよ。でもそれは、「余裕ができたら」でいいんです。
接客素人のあなたに「売り込め」なんて思ってませんので、うまく売り込む必要なんてありません「このアクセサリー、可愛いですよね〜」ってお客様と一緒になって楽しんでくれれば、立派な売り場の雰囲気作りができることになるのです。さらにいうとギフトラッピングなんかも経験者がいればお任せしちゃいましょう。最近は、簡易ラッピングが多いので、比較的誰でもできるようになってますが、やはり目の前でお客さんにみられながらやることって、慣れないとうまくいかないので、練習してからのぞむのもいいかもしれません。
やり出すと、多分売り場に立つことはあなたにとっても楽しいことになると思います。他の作家さんと情報交換したり。お客様から思わぬアイデアをいただけるかもしれません。
注意点もあるのだ
スタッフ同士、売り場に来たお友達や他の作家さんとおしゃべりしすぎは、ダメ。
売り場にスタッフとして立つ以上は、「スタッフ証」などを胸につけているはず。ということはお客様からは立派な「売り場の人」なのです。お客様とお話ししているのと、仲良し作家さんと立ち話しているのとでは、外からみると明らかに違いがあるものです。お客様がちょっと聞きたいのに、とか買いたいのに「あのスタッフが他のスタッフとおしゃべりしていて話しかけられなかった」とか「声かけたのに気づいてもらえなかった」というのは明らかにクレームです。
おしゃべりしても周りを見ながら、常に「見られる側」であることは意識しましょう。自分が対応できないときは、とりあえずあなたが受けて、他の方にお願いすることもできるはず。すぐ近くのお客様の声に「話していて気づかなかった」なんてことは決して許されません。
自分の商品以外を売るのは損だと思うなら、もう売るな
これは他の作家さんにきいたんだけど、売り場に立つのが嫌という理由の中に「他の作家さんの作品を売るのは嫌」っていう人がいるとか。 なんだそりゃ。
そんな奴は、こういう場で販売するな。
もし、「私もそう思う!」という方がいるなら、もうイベンターさんに頼んで販売してもらうような活動はやめましょう。他の方が売れるのが不快に思うなら、どうぞ個人的にPOPUPを打てるようにそれぞれの商業施設に自分で営業かけましょう。イベンターさんはそれらをあなたの代わりにやってくれて、売り場の確保をしてくれています。同じ売り場に並ぶ他の作家さんはあなたの仲間です。自分の作品と同じように大事に思えないようなら、こういうところに出ないほうが他の方に迷惑がかかりません。
商品パクるな
これも知り合いの作家さんが被害にあってたんですけど。売り場に立って人気の作家さんのデザインをがっつり観察して、知らんぷりで自分の作品として同じものを作って売るという最近増えつつある「パクリエーター」が出ることもあるとか。情けないな〜本当に恥ずかしい話だと思います。コピーしてどうする。
なんでこの作家さんのは売れるのかなと観察して勉強するならまだしも、ただデザインをパクって、自分で考えたように世の中に出すなんて恥を知れと思います。まあ、他のお客様から、作家さんにタレ込まれて、問い詰めたら、あっさりパクリを認めたにもかかわらず、その後も作り続けていて、他の作家仲間達が、取扱店などにクレームを出して、出禁になったりしてるらしいので、それはザマアミロです。
注意することはありますが、難しいことではありません、売り場に立つことは、マイナスではありません。
なんらかあなたに得るものをもたらしてくれるはず。
「接客がどうの」と、やらず嫌いにならず、自分の作品がお世話になっている場の盛り上げに一役買ってみるというのは、悪くないでしょう?
お客さんが苦手だからと家にこもって一方的に作品作りするよりは、他の方の反応が見られて作る糧になるんじゃないかと思います。
これでお客様に対する意識が楽になれば、他の出店イベントでの接客もかなり楽になると思いますよ。
商業施設でのイベント出店で、スタッフとしての参加を求められたら、もちろん無理のない範囲でですが、是非やってみましょう!