大人のローマ速報10月号:ジェンギズ・ウンデル特集
これまで幾度となくビッグクラブへのステップアップが噂されてきたトルコの至宝、ジェンギズ・ウンデルだが、大方の予想に反してこの夏ローマと新たに3年の契約延長をした。
22歳になったばかりの若者は、サッカーファンの間ではまだ無名の選手ではあるものの、10代の頃からヨーロッパで活動するスポーツディレクターの間では知らぬ者はいないほどのタレントだ。
今回の大人のローマ速報では、未来のローマを牽引するウンデルの2シーズンをこれまでのインタビューで辿ろうと思う。今年4月のロングインタビュー(ローマ速報未発表)をはじめとした、この2年のインタビューを再検証して、加筆修正を加えた読み応えあるトータル1万字超えのnoteとなっている。
【2019.4.17】未発表 ロングインタビュー:ジェンギズ・ウンデル
FC Barcelona Wednesday, 4. April 2018
[FC Barcelona] 4:1[AS Roma]
goals
1 : 0 Daniele De Rossi 38. / own goal
2 : 0 Kostas Manolas 55. / own goal
3 : 0 Piqué 59. / right-footed shot (Luis Suárez)
3 : 1 Edin Džeko 80. / left-footed shot (Diego Perotti)
4 : 1 Luis Suárez 87. / left-footed shot
シャフタールとの初戦を奇跡的な逆転で突破したローマは、勢いそのままに乗り込んだカンプノウでデ・ロッシとマノラスのオウンゴールから試合を落としてしまう。得点は4-1、一矢報いたジェコのゴールは焼け石に水で、オリンピコは消化試合になると誰もが思っていた。
AS Roma Tuesday, 10. April 2018
[AS Roma] 3:0(1st leg 1:4)[FC Barcelona]
goals
1 : 0 Edin Džeko 6. / left-footed shot (Daniele De Rossi)
2 : 0 Daniele De Rossi 58. / penalty
3 : 0 Kostas Manolas 82. / header (Cengiz Ünder)
誰が3-0でローマの勝利を予想したであろうか。ローマはハイラインとプレッシングを組み合わせた組織力で供給源であるイニエスタを封じて、最後はマノラスのヘディングでバルサを破ったのである。この3点目のコーナーキックを蹴ったのが当時まだ20歳のウンデルだった。このインタビューはバルサ戦から丁度1年後に収録されたもので、まだ興奮冷めやらぬといった青年ウンデルの素顔を知ることができるだろう。
──子供の頃について聞かせてくれませんか?
ウンデル「うん。バルケスィルの近くにあるスンドゥルギという小さな町で生まれたんだよ。その時からもうサッカーに恋していた。ずっとボールを蹴っていたけど、10歳で故郷から遠く離れたスミルナにあるブジャスポルというクラブのユースセクターに入って旅は始まった」
──その若さで故郷から離れるのはどんな気持ちでしたか?
ウンデル「そりゃ最初は簡単じゃなかったさ。でも会長は母さんを呼び寄せてくれたんだ。父は地元に残ったけど、母さんと一緒に生活することで、落ち着いてサッカーにだけ取り組む環境になったんだ」
──ブジャスポルにはいつまで?
ウンデル「15歳までいたよ。本当に良い思い出しかない。今でも帰省するときはスミルナにも立ち寄るくらいさ。そこはもうぼくの第2の故郷だからね!ブジャスポルは会長の方針でトルコで最も若手育成に力を入れていた。あれほどユースセクターに熱心な会長をぼくは他に知らないね。だからブジャスポル時代はとても重要で、各カテゴリーのコーチ全員に感謝してる。ぼくがいまローマでプレーできるのは彼らのおかげなんだ」
──なぜアルトゥノルドゥFKに移籍したのですか?
ウンデル「簡単だよ。ブジャスポルの会長がアルトゥノルドゥを買ったから。そこでブジャスポルの若手はみんな移籍した」
──あなたが少年の頃のアイドルは?
ウンデル「あのね、1つ言わせてもらうとぼくはまだ少年だよ!まあ最初はみんなと同じさ、バルサを観てメッシに夢中になるという感じ。15までは子供目線でサッカーを観ていたけど、そのうちその他の要素を理解するようになってからはダヴィド・ヴィジャやダヴィド・シルバが好きになった。とはいえ、メッシ一強説はまだ根強いけどね。誰も彼には到達できないさ」
──幼少の頃からプロのサッカー選手になると考えていたのでしょうか?
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