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ナインゴラン「俺はローマに何かを残した」
冷めたスープを温め直すことはできない。
これは残念ながらローマのメルカートを上手く表現している。これまでローマは、バンディエラと呼ばれる精神的支柱を他のクラブから守ってきた。だが、その伝統の陰には、多くの主力を不必要に放出してきた事実がある。古くはカッサーノ、アクイラーニ、ピャニッチ、アリソン、サラー、ストロートマン、フロレンツィ…。しかし、誰しもがプロであり、気持ちを切り替え、新しい環境で新しいキャリアを歩む中で、ラジャ・ナインゴランだけは違った。
かつての彼は、喫煙、飲酒、女遊びを隠さず、放埓の日々を過ごしていた。そのロックスターライフがクラブのコンプライアンスを超えたとき、トッティを含む当時のディレクターたちによってインテルに売却されたのである。どこでプレーしていても、こちらが心配してしまうくらいローマへのロマニスタへの愛情を言葉にしてきたナインゴランは、ベルギー人でありながら、ローマの誇りとなった。彼のローマへの愛情は、我々がローマに抱くものと寸分違わぬのだから。
2019年に妻の悪性腫瘍が発覚した。この年に、ナインゴランは2度目のカリアリ移籍を決断した。現在も家族はカリャリで暮らしている。そして、この冬のメルカートで3度目の復帰が確定した。
これまで34歳になったら引退して好きなことをして暮らすと話していたバッドボーイの姿はもうない。今彼は規則正しい生活を心がけて、サッカー選手としての冒険をできるだけ長く続けるつもりだ。コロナで外出できない間に、すっかり考えを変えたのである。
24時間家にいて判ったね。こんな生活俺には向かねえ!50歳までプレーしてやるよ。まあ、この状況が落ち着けば、また素敵な夜がやって来るさ
今回はカリアリの英雄で、ローマのアイドル、ラジャ・ナインゴランの最新インタビューをお伝えしたい。自分の気持ちを隠すことのないストレートな言葉に、ぼくたちは相変わらずグッときてハラハラしてしまうだろう。
コンテの元でプレーしたことを後悔していますか?
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