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#5【自分が知っている世界がすべてではない】静岡市立高校生×ASPJディスカッション

#5どう接することがベストなの?
答えはひとつじゃないからこそ。


土屋:脱毛症はある日突然発症する方もいます。早い人だと半年で全身の毛、まつ毛、眉毛、鼻毛なども全部なくなってしまうんですね。
ご自身のお友達やご家族とか身近な人が、もしそういう症状を持ったとして、ご自身ができる初めの一歩ってなんだと思いますか?
クラスお友達に髪のない友人がいたら、もしくは授業中に髪を抜いちゃってる友人をみつけたとしたら、どうしますか? 


🌻Iさん:逆に質問みたいになっちゃうんですけど、そう人がいたとして、どう接してもらうのが正解?ベスト?なのかわからないです。
当事者の方々が、それを知られても全然平気って言う人もいれば、完全に隠したい人もいるかもしれないし、本当は打ち明けたいかもしれないし、それすら嫌かもしれないっていうのがあるので、知ったときに私たちがどうしていいのかわからないし、他の人たちも助けたり相談に乗りたくてもなかなかできないのかなって思います。

私が今、当事者じゃないなりに考えてみたのは、私だったら変わらず遠慮せず接してほしいかなって思っています。
打ち明けた時に、馬鹿にするとかじゃなくて、明るく笑い飛ばしてくれるくらい、「あー、そういうこともあるよね!」みたいな感じで捉えてくれたら、打ち明けた方も相手に気を使わせずに済んで気が楽だと思います。
“知られたことでどう思われるか”っていうことが不安だと思うので、そこは変わらず接してほしいかなって思うんですけど、当事者の方々は、実際どういう風に思っているのか聞いてみたいです


土屋:すてきなご意見ありがとうございます。
本当にIさんのおっしゃる通りで、その時々によって心の状態って違うなと思っています。、私の話ですが、学生時代は絶対誰にもバレたくなかった。友達にも知られたくなかった。クラスで髪型の話とかみっちゃん髪型変えたの?という話題をされたりするのが本当に嫌で、すっとその場からいなくなったり、うまく濁していたタイプなんですね。

でも自分がカミングアウトしてからは、誠意を持って伝えれば、きちんと受け止めてくれる人の方が多いと体感としてわかったから、大切な人には伝ええも良いのではないかと考え方が変わりました。
しかし、気持ちのグラデーションがあるので、答えを一つにする事はとても難しいことだなと私自身も思っています。


例えば「そのままの君でも好きだよ」「素敵だよ」「変わらないよ」っていう言葉も、受け手側によって「そうは言ってるけど本当にそう思ってないでしょ?」って思っちゃう人もいるだろうし、すごく難しいところですよね。
なかなか答えって出てこない所なんじゃないかと思います。なんかイジワルな質問しちゃって申し訳ないです。(笑)

当事者の人たちへのインタビューで多い回答として
「今まで通り接してもらうのが嬉しい」というのは共通してます。
人の魅力ってたくさんあるので、そこではない所に〇〇ちゃんの良さってこういうところにいっぱいあるよね~ってちょっと見るところを変えてあげられるような一言があると、心がホッと安心するのかなって思います。



土屋:そういえば‼️みなさんの世代だと髪型の話とかおしゃれの話って結構しょっちゅうしません?(笑)

学生:するする。(笑)

土屋:しますよねー、そうでしょ。シースルーバンクがどうとか言ってるでしょ?(笑)この話題には自分は入れないと思っちゃうんです。
そこをうまく、溶け合わせてく方法ってなにかないですかね?

★脱毛症JK髪型お揃い超つらい
★ご自身の脱毛症に関するエピソードをイラストで紹介している
えんどうえみかさん
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🌻Iさん
そういう話をしている人たちが、例えばもしかしたら自分も気づいてないだけで、すごく身近にいる子がウィッグかもしれないなって考えたら…。それは今までそんなことすら考えずに髪型の話とかメイクの話とかしちゃってたかもしれないので、お互いに悪気はないけど、そこはどうすればいいのかなっていうのはあります。


向こうも伝えるのも大変だと思うし、だからと言ってこちらも、相手が明るく隠してたとしたら、髪がないことをわざわざ疑うことってないと思うので、そこは信頼関係というか…相談できる友達を持つっていうのが大事かなって。
だから当事者の方々に、実際理解してもらえている人もいるよっていうのをわかってもらって、その方が打ち明けてくれた上で、こちらもどうしていくかって一緒に考えることかなって思います。


土屋:そうですね、ありがとうございます。私もそう思います。友達関係とか、親子関係、夫婦関係にも共通することなのではないかと思うのですが、一人の人が全部を理解するとか全部をケアする事がベストではないし、それを目指してしまうとできない事への苦しさが出てくると思うのです。

例えば勉強の相談はこの人に、恋愛の相談はこの人にと、セーフティネットがいっぱいある方がより選択肢も広がるし、自分の心の安全にも繋がるのかなと普段から思っています。
ASPJは、相談もできるし、ほっとできるサードプレイスとして活動していきたいと思っています。しかしまだ、本当に悩んでいる人に届けるまでには至っていないと反省しています。情報すら調べていなかったりするので、TVCMや広告などで『流れてくるような情報』で目に触れる方良いのではということろにつながってくるのですね。



髪に症状を持つ当事者同士、ご家族同士が繋がることが出来るASPJ独自のコミュニティサイトの登録者数は1760名を超えました(2021年7月時点)


#1「もし、自分が」想像から始まる
#2 共感力と聞き取り側の受け皿
#3 学生が使うSNSの価値観
#4 検索しなくても情報が入る仕組み
#5 ベストな答えはひとつじゃない
#6 本当に受け入れられるだろうかという不安
#7 おかれている制度に目を向ける
#8   当事者とご家族のためと
#9 アフタートーク
#10 ライターMIWAKOレポート



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