フローズン・ダイキリ
最近はほとんど飲まないが、昔はカクテルもよく頼んだ。
量はそんなに多く飲めないのだが、カクテルの完成された美しさに惹かれてレシピ本を買ってみたこともある。
ヘミングウェイが愛飲していたフローズン・ダイキリを知ったのもそのころ。
厳密にいうと、ヘミングウェイが好きだったものは少しアレンジしたレシピになっていて、パパ・ダイキリという名前がついている。バハマの街のバーで、パパ・ダイキリを何杯も飲んだそうだ。
暑いからシャーベットのようなフローズンカクテルはさぞ口あたり涼しかっただろう。
週末、ジャズコンサートに行き、なんとなくビールよりもカクテルかなあと思い、久しぶりに注文した。
カリブ海に想いを馳せながらフローズン・ダイキリに唇をつける。
ピアノではじまった moanin'
同じ地域にある、セント・マーティンやアルバには何故か縁あってはるばる日本から渡航した。それぞれ6日間くらい過ごしたことがある。フットワーク軽くどこまでもわざわざ行ったものだなあ。
バハマは機会を逃していてまだ行ったことがない。いつか行けるだろうか。
一緒に旅行した彼とは長い付き合いだったが、すれ違いが多くなり、自然と離れることになってしまった。
それからずっと、よくオーダーしていたことも彼のことも思い出さなかったのに、フローズン・ダイキリの雪のような味わいと共にフラッシュバック。
気がついたら演目が Smoke Gets in Your Eyes に変わっている。
深く愛を響かせるアルトサックスの音色。
目を閉じて、口の中いっぱいに広がった冷たさがゆっくりと溶けていくのを味わった。
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