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センスと実力の別れ道
私は長崎県の離島でアスパラガス専門農家
をしております。
今回は品質の良いアスパラガスを育て
天候以外で量と質を決定づける
『立茎』についてのお話です。
アスパラガスの収穫時期は2月~10月
2月~4月の春アスパラガス
6月~10月の夏アスパラガス
春アスパラガスは、
前年に株に溜め込んだ養分で出てきます。
夏のアスパラガスは、
春アスパラガスを収穫せずにそのまま伸ばし
親木にします。
そこから吸収した養分を蓄えて出てきます。
この親木を選んで育てていく作業が
『立茎』(りっけい)といいます。
この立茎がアスパラガス農家最大の
センスと実力の見せ所になります。
いい親木を選び10月まで健康に育てる。
これだけのことなのですが、
これが理想通りにいかないものです。
親木の選ぶポイントは太すぎず、細すぎず
11-13mmの綺麗なスーッとしたもの
これを程よい間隔(10cm以上離す)で
立てていくだけです。
優良農家はとにかく、この立茎が上手です。
まるでアート作品のような光景です。
欲張りすぎると命取りになります。
心配性な人や貧乏性な人、計画性のない人は
多く残そうとしてしまいがちです。
本数を多くしたり、あまりにも太い物を
立てたりするとアスパラが成長した時
生い茂り過ぎて夏場は蒸れて病気になります。
さらには殺菌剤や殺虫剤などが十分に行き届かずに
大量の害虫被害に襲われます。
管理が大変になり悪循環のスパイラルにハマります。
ほどよく光が下まで行き届き、風通しも良い
最大限光合成しやすいバランスの取れた環境
を作っていくのがポイントです。
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選ぶときは全体の出来上がりをイメージしながら
ゆとりを持って優雅に選定していく。
作物の管理状況は人間性が見えてきます。
旅行先などでビニールハウスを見かけた際は
周辺が綺麗に整っているか見るのも面白いですよ。
周辺に雑草などなくキレイな雰囲気が漂っている
そんな農家を見かけたら野菜を買わせてもらうと
いいですね。
ほぼ例外なくいい物を作っていますよ。
美しい環境は、美しい作物を作る
高価な作物は美しい。
高価なアスパラガスをお届けするために
美しい環境づくりしていきます。
今日も最後まで読んで頂き
ありがとうございます。
では、また!!