13年目の奇跡
うるわしき 花にこがるる人こそは
花にもにたる 心持つなれ
「ママ、今日 学校でこんな歌 ならったの
いい歌でしょ、忘れないうちにって、娘が走り書きしたメモがこれなのよ」
これはグリーフケアクッキングの日の出来事。この日はYさんとMさんペア。お二人のお子さんは同じ病気で天国に召されました。同じ病院で同じ主治医だったので、時期は違うけれどクッキングでは仲良しペアで、この日のペアは4回目でした。
ご飯のあとのカフェタイムでYさんがアルバムを広げながら娘さんの写真と一緒に見せてくれたのがこのうたでした。
「このうたを書いた時、お嬢さん幾つだっの?素敵な感性ね」
「他界したのが五年生だったけど、これを書いたのは4年生だったわ」
「作者は誰って」
するとMさん、顔色変えて
「私、このうた、知ってるわよ、岡田茂吉という人よ」
「えっ?何で?何でそんなこと、知ってるの?」
「帰ったら歌集あるから、写メするわね」
「13年、わからなかった作者が今解明された?すごい!」
「ところで岡田茂吉って誰?有名な歌人なの?なんでMさん、このうたと作者を知ってるの?」
理由を聞いてびっくり!Mさんが入信されている教会の教祖さまでした。こんな偶然ってあるんですね。
「でも坂上さんがグリーフケアクッキング、ここでやってくれたから、そして今日迷ったけど、アルバムと一緒にこのうたを持ってきたから、そしてペアがMさんだったから、どの偶然がひとつ欠けてもずうっと読み人知らずだったわ」
「じゃあ、今日は13年目の奇跡の日ね」
「こんな偶然ってあるのね。子どもたち、今天国から私たちを見て笑ってるんじゃないの、私鳥肌立ってる」とYさん。
あまりの偶然に「事実は小説より奇なり
#グリーフケアクッキング