「人生の苦難を乗り越えた先に見えた景色」/asoto baseインタビュー♯2_とみー
◆はじめに
自分の好きやワクワクで"遊ぶように複業"、本業以外のスキルやつながりを獲得することで、遊びと仕事の境界をなくし、楽しみながら成長する次世代の働き方・理想のキャリアを創るDAO型コミュニティ「asoto base」。
※あそと:“あそび”と”しごと”の良いところどりをした概念です
=====代表者の想い=====
そこには、お互いをリスペクトして、ともに応援し合う文化がある。
この「純粋に応援し合える関係」を広げていくことで、
優しさに満ちた世界を築いていく。
さて、”あそと”体現者へのインタビュー記事を、
数回に渡ってお届けしていきます。
今回はコーチングサービスをオープンされた、とみーこと冨永義貴さんに、あそとコミュニティへ参画したきっかけや心境についてお伺いしました。
①冨永義貴さん プロフィール
✬簡易経歴
名前:とみー
年齢:30代 住まい:神奈川県
家族構成:妻、息子(4歳)
趣味:クライミング、水樹奈々
職業:新卒でSE職6年、のちITコンサルタントファームのプレイングマネージャーとして、 クライアントワークとメンバーのマネジメントを担当。顧客先に常駐し、プロジェクト運営を担当しながら、組織のディレクションを遂行。副業でコーチングを開始。
理念:現在の「生」もプロセスの一部。自分が去った後も世界は幸せであってほしいと願う。
想い:コーチングとコンサル両方の手法を使い、目の前の人が自信の強みや特徴をもとに、人生の課題に向き合い、より良い人生を歩めるように隣を歩きながら支援することを志す。
<サービス概要>
②そこには壮絶な苦難があった
ーーまず、現在の活動について教えてください!
とみー:私は本業でITコンサル企業でマネージャーをしながら、8月1日に「個人向けのコーチングサービス」をローンチしました。いわゆる副業ですね。コンサルタントとして培った”論理的思考力、プロマネスキル”に加え、価値観やビリーフなどの”感情面も扱うコーチング技術”の両輪を用いて、「目標達成に向けた具体的な行動への落とし込み、伴走していけるサービス」にしていきたいと、思っています。
しょこたん:”感情と論理の両輪”を取り入れた双方向の対話を行う、という独自性、とても良いですね!私のイメージだとコンサルティングだと論理が直感を制する印象があって、統合のイメージは湧きませんでした。だからこそ、両立を掲げるユニーク性に惹かれたのかなあと。
とみー:10年の社会人生活を経て、物事を前に進めるためには、感情と論理の両軸が必要であることを学んだんです。同時に行動を計画的に捉え、トレースする力も必要。私のコンサル×プロマネ×コーチングの力で、”前に進みたいけれど何かが阻害をして前進できない”、そんな人々の人生の「苦」を減らし、行動を後押しするきっかけになりたいと考えて丁寧にサービスを作りました。
➂サービス誕生までの軌跡と葛藤
ーーコーチングとの出逢いについて
とみー:コーチングの出逢いは、1年前にとある勉強会で概念を知ってからですね。何となく”怪しいな”というイメージはありましたが(笑)
社会人1年目にメンタル不調が発生して、そこからカウンセリングに通っていたこともあり、カウンセリングを中心とした「話を聴いてもらう経験」には長年恵まれてきたんですよ。その意味で言うと、”話を聴かれた原経験”が、おそらく人よりあるので、その領域であれば、何か人のお役に立てるかも?と思うようになりました。
ーーサービス名の由来、サービスに込めた想いを聞かせてください!
とみー:「自分が死ぬまでの間に、自分とその周囲の人たちの苦をなるべく多く減らしていきたい」そんなお手伝いがしたいと考えています。この動機は、やはり自分がメンタル不調になった時の影響が大きいと感じています。
ーー大事にしている在り方、スタンスはありますか?
とみー:自分自身が休職したりカウンセリング受けている、という体験から来る精神的理解があるので、相手のニーズを汲み取れる自信があります。何か自分が会社の仕事以外で、世の中に価値が提供できるとしたら、苦しかった経験を糧に、弱った人の役に立ちたい、と強く願っているのが行動の源泉になります。
ーーコーチングという言葉に対する違和感
〜「コーチング自体は私の天職ではない」〜
しょこたん:とみーの人生観として「苦しみが存在するからこそ、それを乗り越える過程こそが人生の本質である」という考え方があると思います。
「幸せになるために、何ができるか考えよう」というサービスが多い気がする一方、苦を味わう過程を良しとするサービスはあまり見たことがありません。とみーの、ある一定数の境地に達したことで見えてくる「世界の捉え方」を、もっと知りたくなりました。
とみー:はい、私も同義で、最近の一般的なコーチング流派には、少し懐疑的なんです。それは「コーチング」という言葉に対する違和感、から来ているのかもしれません。世間一般では、コーチングは「GROWモデルを使って幸せのヒントを見つけよう」ポジティブな印象を与える形で宣伝する人が多い印象です。確かにその通りなのですが、私的には、”人生は楽なものではなく、もう少し泥臭いものだ”と思うので、”幸せだの何だの”という言葉を見聞きすると、もどかしい気持ちになります。私は、コーチングをキラキラしたものとして捉えてないのだと思います。元気が出て前進できるセッションも良いのだけれど、やっぱり「困難を乗り越える胆力が一番必要」というスタンスは常にあります。なので、自分のサービスが未だに「コーチング」という名称が正しいかは疑問(笑)自分がやりたいことは、世間一般的にイメージされる「コーチング」と微妙に違ってるような葛藤があります。ただ、コーチングに変わる言葉がないから、いま仕方なく使ってる感じです・・・。
しょこたん:そうだったんだ!じゃあもしかして、新たに何かインスピレーションが湧いてきたら違う言葉が生まれて、サービス名を改変する可能性もありますね。
とみー:そうです。既に何回かセッションさせていただいていますが、コーチング単体だと上手く効果が最大出力にならない、ということを実感しています。カウンセリング手法、ティーチングやフィードバックを統合的に折り合わせることで、効力が最大限発揮すると感じています。そういった意味で、少なくとも私はコーチングが万能薬ではないと感じるので、これらを踏まえて今後、よりしっくり来るサービス名を考えていきたいと思ってます。
しょこたん:確かに「コーチング」自体も、個々の感じ方によって賛否両論ありますよね。どんなサービス名が誕生するか楽しみですね!
ーーどんなお客様が多いですか?
とみー:主に20-30代の方が多いですね。強く変わりたい気持ちがあって動きたいけど、何かに邪魔されていて動けない。そんな方の力になりたいと思っています。サービス顧客の対象は、3年前の自分をペルソナに置いているんです。対象に、サービスに合わないのは、確実に満たされている人。比喩で表現すると、コップに水が満タンに入ってる人だな〜って感じる方は必要がないと思います。もしくは、助けてください、どうかしてくださいといった、他責で努力もせず、自分に覚悟がない方。「喉が乾いてるんです、だから水ください」と口だけで言い寄ってくる人は、私は好きではないです。人に頼るだけではなく、脚があるのだから自分で考えて動きましょう。歩く努力をするから、水が向こうからやってくるもの。要するに「口だけではなくちゃんと行動しよう」ってことですね。
しょこたん:では、今は「水で満たされてはいないコップ」の中にいるけれど、ゆくゆくは「自力でコップを満たせる」自分に変容していくために、足を動かしたいと願うと同時に「変化する強い意志のある人」なのが対象なのかな?
とみー:うん、ほぼあってて。「助けてください。どうにかしてください」は範疇外。こっちの方向に行きたいんだけど、どうすればいいか分からない、自信がない人。この方向に行った方が絶対に良いし、本人にも行きたい気持ちがある。でも何かが邪魔をしていて、1人では行動出来ない。そんな方、私は是非応援をしたいです。自分が「やりたい」と思っていることは、必ず追い求めてほしいくて。自分がやりたいことがあるけれど、それが叶わない阻害要因があるならば、その理由をなくす方法を考えたいです。その方法が例え無いにしても、その方法を試さずに終わるのは、もったいない。
ーー日陰を進んでいた先に、見えた光
しょこたん:話が変わりまして”人生は苦に満ちている”という言葉が気になるのですが、改めてとみーの人生観を教えてください。
とみー:はい、なかなか人には話せないような、辛い出来事を互いに開示して、一緒に向き合い乗り越えてる関係性を広げて行けたらな、と思います。人を「日向にいる人、日陰にいる人」で例えると、私は基本日陰を歩いてきた人間です。スクールカーストの上じゃなかったし、就活も成功した訳ではないので。ただ日向に出る努力は欠かさなかったことが実を結び、最近日陰から卒業して、日向に脚を踏み入れることができています。何もしな
かったら変わらなかった。よくも悪くもストイックなんでしょうね(笑)
しょこたん:その事実を聴かせていただいた今、とみーがなぜ、こんなにしなやかに見えるのか理解ができた気がします。
とみー:ありがとうございます。だからこそ「人生=ハッピーのみ」と捉えられることに対して、若干の違和感があるんです。今までずっと暗闇の中でもがいていたけれど、最近は日陰から光が見えてきて眩しくなってきました。
しょこたん:光が見えて、眩しくて、今どんな感情ですか?
とみー:今までの全ての点が線となって繋がったような、嬉しい気持ちです。暗闇で方向が分からない状態から、とりあえず進むべき方向が、何となく見えるようになった気がします。最近はコーチングを学んだり、マネージャーに昇格したり、色んな側面を含めて大きな変化が起きていたタイミングでした。手探りな情報の中でも、着実に歩みを止めないことによって、今までの努力が実を結んだような気がします。それは紛れもなく、師匠達によってでした。
しょこたん:とみーにとって、師匠は複数人いるのかもしれないですね。エネルギー、波動が分散しているかのように見えます。
とみー:それは確かにあって。確かにポイントポイントで、この人のお陰という方は局面ごとに確実にいるんです。そういう意味では、私には確実に師匠は複数人います。
④「あそととの出逢いによって生まれた変化」
ーーローンチ前後での、トミーの変容ストーリー
しょこたん:時系列が戻りますが、サービスリリースした際の心境は覚えていますか?
とみー:やばい、怖かったっすよ(笑)最初にサービスの紹介の記事に書き起こし、フィードバックもらった次に価格選定。値決めの案を色んな人に聞いて、参考にしました。最終的に、自分のコーチに相談をしたときに「やりたいようにやれと。富永さんが結果を見てまた変えたらいいのでは?」って言われ腑に落ちたんですよね。そこで今、自分にとって精神的にも無理のない値段設定にして、今の価格。ついに価格が決まり、8月1日に公開しようとすると、前日からソワソワするわけ。でも当日ポチ!って公開した瞬間にもう、その緊張が糸のように切れ、終わるわけです。そう、終わりと始まりの交錯。ポチっと押したらあっけなく終わるので、迷う時間は無駄だったな、と思いました。すごく壮大な映画見たけど、最後夢落ちなのが分かった、ぐらいのあっけなさでした(笑)
しょこたんそんな感じなんですね。味わった人にしかわからなそう(笑)
とみー:その時「ここから新たなスタート」という事実に気付いて。企画を練っている間は、決して打席に立っておらず、いくらでも妄想できる。自分の魅せ方から集客、届けたい価値を本気で考える時こそが、本番。そういった意味で、まだ目標はもっと高いところにあるけど、サービスをローンチしたことは、確実に私の中で大きな一歩でした。最終的には集客にも負担を感じず、楽しめてたらいいんですかね。無理なく、がキーワードになりそうです。
ーーとりあえずやってみる
しょこたん:実際このサービス開発からローンチまでの一連の流れを経て、新たに自分の中で起こった感情、自分自身の変化があれば教えてください。
とみー:「とりあえず恐れずに、やってみよう」という、度胸はかなりつきました。同時に「上手く」を意識しすぎると、逆に上手くいかないことも、身に染みました。
しょこたん:上手くできるか分からないけど、とりあえず実践して、実践後に軌道修正していく。私も今、大切なことを学びました!
ーーとみーにとっての”あそと状態”とは何か?
とみー:無理がなく仕事をする、に近い。背伸びをしないので、自分にできることと、できないことの限界が凄く分かる感覚!なぜならば、会社だと評価があるから、見栄を張って無理をしようとするじゃないですか。一方で、あそと状態って、人からの評価は気にならない。お客さんからの評価こそが、自分の価値になるわけです。自分の実力が明確に分かる。金銭報酬のための外発的動機ではなく、内発的動機が強い状態。自分が貢献できることによってお金を得るという意味で、プラスを広げようとする心地よさがあります。
しょこたん:たしかに!会社の枠内での業務だと、他者からの評価があるから、鎧を被っている。だから、せっかくポテンシャルがあっても、その可能性が閉ざされてしまいますよね。
とみー:会社だと、最終的には会社の枠、組織とか上司の枠、つまり超えられない壁があるじゃないですか。そこから先の裁量権を求めにいくことは、多分相当な権力がないとできないんです。求めようとすると、組織論理が働いて「それはお前の仕事じゃない」という話になります。しかしあそとの場合は枠がなく無限大。本人が臨む限りは、どこにでも広げられて、羽ばたいていけると思います。
ーーコーチング事業を”あそと”へ昇華するために必要なこと
とみー:もう少しちゃんと”ビジネス”らしくしたいです。ただのコーチングはごまんといる。そこの差別化も踏まえて、コーチングは一つの手段として、自分だけのサービスを生み出したいです。
ーーあそとbaseの何が好き?
しょこたん:結構私から見てるととみーはすごくコミュニティで自分を開放している印象なんですけど、なんか具体的にあそとbaseのどういうところが好きだったりとかしますか?
とみー:好き勝手、何かをすることに対して許可がないことです。組織運営の際のリスクがないので、とても気楽です。会社組織とは異なり、何かをすることに対して、評価や許可もほぼ必要ない。なんとなく始めようと思い立ち、なんとなく手挙げたら興味のある人がやってくる。そこで、気づいたら。何人か集まって実践することになってる。カリスマリーダーがいる訳ではないので、皆で話し合いながら方向性を決めていき、じゃあ俺はこれ、あれはこれという連鎖が自然に生まれていくのが気楽だし、だからこそ好き勝手できるなっていう(笑)おかげさまで、日陰から出ることが出来ました!
しょこたん:気楽っていうのは、すごいキーワードな気がしましたね。軽やかさのある、アジャイルな組織体質なのですね。
ーー昔の自分に声を掛けるなら
しょこたん:最後に、ひたすら頑張ってた3年前の自分と、今のあそとbaseの自分を比べてみてどうですか。昔の自分に、今の自分なら何て声をかけますか?
とみー:わーすごい!って思ってるかも。自分に何があった?みたいな。昔の自分が、すごく大変そうに見えます。
しょこたん:具体的にどんな変化がありましたか?
とみー:考え方が、変化した気がするんですよね。物事をネガティブに捉えない、自己否定のループに陥らない、が普通にできるようになっています。元々自己肯定感が高い方ではないので、明らかにトレーニングをしてきて変容した部分もありますが。とはいえ、全く異次元の存在になったわけではなく、明確な地続きの延長線上で「ここ」にいる確かな感覚はありますね。
しょこたん:変容の旅路の中ではあるけれど、確実に地に足がついてる感じ、平穏さを感じました。
とみー:そうそう。なんかウルトラCとか、一足飛びとかショートカットは、自分の人生には起こりえないと思っています。多分ずっと、ある意味苦しみもがきながら、なんだかんだ前進して、山を登り、気づいたら素敵な景色が見えていたような人生を歩んでいくんだろう、と思います。平坦な道はないのです。
しょこたん:これからのとみーの人生の物語、とても楽しみですね!また続編を是非ぜひ、聴かせてください〜!
<コメント>
お話を聴かせていただき、とみーにしか出せない”ユニークさ”はどこから来ているんだろう?と私なりに探索していましたが、おそらく“強さと優しさ”からなのではないかと感じました。それは、苦しさを乗り越えてきた「確かな経験」が糧となって、人のために役に立ちたいという原動力となっているかのようで。多忙な現代社会の中で、重要なことを忘れそうになることは多々ありますが、普遍的な大切なものをしっかり捉えるという、冷静かつ安定感のある佇まい。大局的に物事を俯瞰する聡明さと知的さ、地に足がしっかりついている感覚の印象を受けました!また全体的にお話ししている時、当時の苦しい状況を語る際の表情は、どこか軽やかさを感じたのが印象的でした。それはまさに、とみーが既に前に向かって新しい出発地点に進んでいる、新たなフェーズに進んでいることを示しているかのようでした。
◆あそと株式会社について
『誰もがあそぶように、シゴトができる社会を。』というビジョンを掲げ、HR領域においてコミュニティづくりや研修を提供する企業です。(※“あそと”は“あそび”と“シゴト”の良いところを融合させた造語です。)
🟠会社概要
会社所在地:神奈川県鎌倉市大町一丁目9-22 トレジャーフットビル
設立:2023年4月
代表取締役:佐藤光司
🟠事業内容:
・人材の育成、職業適性、能力開発のための教育及びカウンセリング業務
・研修、セミナー等の各種の企画、立案、実施、運営及びそれらに関するコンサルティング業務
・各種イベントの企画及び運営
・HP:https://asoto.jp/
・Instagram:
◆インタビュアー・ライター/Shoko FUJII
「想いを形にする」取材・インタビューライター。
個人の「音」をキャッチし、言葉に紡ぐ表現者。