得意なポジションと親の好み
体育・運動あそびの指導者をしています。
幼稚園の園児対象のサッカークラスの指導を行なっていたいた時の話です。
年中組さん(4歳児)ばかりのクラスでした。その中に伝える事は伝えるけど大きな声を出す事のない男の子がいました。グイグイと前に出るタイプでもないので、サッカーの練習で2チームに分かれて試合形式をすると守備的なポジションにいました。
幼児のサッカーなので、ポジションは決めずに誰もがボールを蹴ろうとしているお団子サッカー状態が一般的です。
みんなで、わぁ〜っとボールを追って相手ゴール近くまで行って、また味方ゴールを守るみたいな感じです。
でも、その男の子はボールを目で追いかけながら、ボールと味方ゴールの間に移動しながら陣取っていました。
もう、それが鉄壁の守りのようで、相手チームはその男の子を越えて攻める事が出来ませんでした。
練習後にお迎えに来られたお母さんに、「うわぁ〜ってボールを追って蹴るのでなく、冷静にボールを見てゴールとの間にポジションとって守ってました。テレビとかでサッカーの試合とか見てますか?」みたいな事を話しました。
「頑張ってるんですねぇ、でも私的には・・・」
「守りでなく、攻めてほしい。シュートしに行く翼くんみたいなのが良いとか?」
「そうなんです〜」
わからないでもない話です。声をだし走り、攻めていってシュートをするという積極的に見えるプレーをして欲しいのでしょう。静かなタイプの男の子ですし。
まぁ、そのお母さんにとってはシュートするような目立つポジションがカッコイイというのもあるかと思います。
年度末に退職をしたので、その後の男の子の様子はわかりません。
男の子の性格や好みと保護者の方の性格や好み、そこに指導者の考え方も入り混じります。
でも、その男の子は性別問わず好かれ頼られるような人になっていそうです。
上の画像、フィルムカメラの時代に撮ったのをスキャンした画像なので、綺麗じゃないです。
サッカーの指導をしていて、チームが大会に出場し試合が始まると選手以外はコートに入れません。声も届かないかもしれません。サッカーに限りませんが。
コートの白線を越えられないのです。
選手以外が中に入ると試合が成立しない。
試合の時だけでなく、越えられない白線や越えてはいけない一線があるかと思います。
指導される子どもや選手が、指導する側の自己満足の対象にならないように。
そう思いながら体育・運動あそびの指導を続けていきたい思います。