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『うちの姉様』姉様の赤く燃える友人に野球好きとして共感せざるを得ない

■紹介(POP)

かわいい顔して破天荒、女子力ゼロで行動思考は斜め上。
規格外な姉様の友人も、趣味がタイムマシンの赤い娘、プロの彼女妄想家、
あとつけろう太など奇人変人ばかりで。
常識で推し量れない行動力に、周囲はいつも振り回されっぱなし。
そんな姉様との日常を、パン愛だったり、野球愛だったり、きょうだい愛だったりで包み込んだコメディ作品。
読んだら「ヘチャイ」な日常に終止符を打てる、はず?

■基本情報

著者:野広実由
巻数:全 7 巻

■関連情報(2020/2/11時点)

■個人の感想

この作品は紹介文の通り、「姉とその弟妹同士の絆と愛情」がテーマのコメディ作品になります。同様の作品と違う点としては、やはり「破天荒と奇人変人同士の日常」という部分でしょう。

主な登場人物について簡単にまとめると、こんな感じ。
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● 日高涼音
姉様。行動が読みにくく「ヘチャイ」「オメチャイ」「ノエス」などと意味不明な発言をする。常識で測れない羞恥心。正体が異星人でも驚かない。
● 日高倫
姉様の弟。小2で年上好き。草食系。周囲によく振り回され、ふて寝したりやさぐれたりする。
● 日高るる
姉様の妹。大人ぶりたい小1。彼氏持ち。同級生と日々女の戦いを繰り広げている。
● 遠野理一
ツンデレストーカー。手を出す勇気もないヘタレだからか、周囲に放任されてしまっている。輝かしい実績持ちにも関わらず、姉様に人生を狂わされた悲劇の人。
● 藤崎あさみ
タイムマシン開発に日々挑戦し続ける。口数がかなり少なく、おっとりとした眼鏡美人だが、実は・・・
● 堅葉見平次
埼玉球団のファン。エア彼女持ち。ひと目をはばからずイチャイチャするプロ妄想家。
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その他にもクセのある方々が出てくるわけです。
彼女らをストレートに描くと毒素が濃すぎて飲むのも大変という所を、まるでそれが普通のゆるやかな日常であるかのような描写で、ほどよい感じに刺激を抑え、味わい深さを感じさせてくれる一品に仕上がっています。
妹弟による、ひらがな多めのナレーションなんかもそんな隠し味の1つです。

一番印象に残っている登場人物は、広島球団好きの女性ですね。
見出し画像左側の彼女で、第3巻に登場するわけですが、2011年当時の球団はBクラスの常連。勝ち試合より負け試合が多く、負けっぷりもアレだったりで色々鬱憤が貯まる時期ですね。
一所懸命応援しても、
敵のはしゃぐ様を見せつけられ、
見せつけられ、
これでもかとばかり見せつけられ、
反撃すら許されない戦況にとても書けない暴言を放つ、

そんな熱い野球ファンの姿に激しく共感したものです。
最終巻が刊行されたのは2013年4月。その年、球団は長い暗黒を抜け、Aクラス入り。そして更に数年後、ついにリーグ優勝を勝ち取るまでになるのです。優勝した時、観客席で喜ぶ彼女の姿が思い浮かびましたね。報われてよかったね、とファンでもないのに祝福したものです。

それ以外にも姉様の元気一杯な行動力。
圧倒されつつも嫌な感じはなくて、むしろ自然と笑みがこぼれるような、そんな行動力がこの作品の根幹であり、魅力でもあります。
こういう人が身近にいたらなぁ、と感じさせるぐらい良い作品です。