『悪魔様へるぷ☆』天使な悪魔と汚れたシスター達の、おや誰か来たようだ。
■紹介(POP)
とある貧しい修道院には、翼と尻尾持ちの悪魔な娘がいます。
「困っている人のためいいことをたくさんすれば、神様がきっと君を人間にしてくださる」
先代の神父の言葉を信じ、いつも笑ってお勤めを果たす姿に、神父クリムは思う。他の修道女の方がよっぽど悪魔なのではないかと。それが冗談ですまない事を、彼は身を持って痛感することに。
「ほのぼのハートフルコメディ4コマ」可愛い悪魔と修道女たちの住む修道院の生活を、ぜひのぞいてみて下さい。
■基本情報
著者:岬下部せすな
巻数:全 3 巻
■関連リンク(2020/01/05 時点)
■個人の感想
岬下部せすな先生の初期の作品。約15年前(KIRARA MENU 18。今だと1500超えているきらら系単行本の18番目)だからか、現時点で電子書籍化されていない訳ですが、先生の他の作品に触れる取っ掛かりになればと思い、ご紹介することにしました。
この作品は、悪魔っ娘が種族の異なる人達と修道院で生活する様を描いた作品になります。表紙を見ただけで分かる可愛いの強さ、悪魔っ娘可愛い、とても可愛い。それ以外のキャラも等しく可愛い、そう感じさせるのは「もきゅもきゅっ」「ぱややー」のような音喩のセンスと描き方の良さですね。あとキャラの動きも、線がしっかりして優しさに溢れた画風にマッチしているのもあると思います。ドロッとしたものを受けつけない程にクリアな感じです。
可愛さだけではなく、コメディもしっかり描かれています。
●一話以降出番も扱いも右肩下がりの神父「クリム」
●修道女の皮をかぶったパワーオブスマイル「マリー」
●舌禍を招くものぐさ眼鏡修道女「ノル」
●悪魔っ娘に過剰な愛情を注ぐ金持ち修道女「シェラ」
●文学好きで努力家のドジっ子修道女「スチカ」
●純真な心を持つ修道女で悪魔っ娘「ルルー」
●パーフェクトスキルのブアイソウ「ユン」
特にクリム様に対する扱いが面白い事になって、後半にはストレスからか、神父にあるまじき攻撃的な発言をするようにまでなってしまうのがたまらないですね。「ほのぼのハートフルコメディ」とwikipediaにありましたが、クリム様視点だと本当に不憫で(笑)彼が報われる日はやってくるのか?
あとノルのアグレッシブさも見どころの一つですね。時折見せる黒い反応が最高なマリー様の存在が更に引き立つというか、彼女の恐れを知らぬ発言と元気さは、見ていてとにかく楽しいです。眼鏡だしね。眼鏡っ娘可愛い。
中古本でしか手に触れる機会のない作品ですが、可愛いとコメディが両立した良作ですので、購入されて気に入ってもらって、他の作品(コメディは当作と違う味わいですが)に手を伸ばしてもらえると、感想書いた人間としては嬉しいですね。