見出し画像

#BTRBandParody レポート:ほんとに海外で流行ってたんか?

この記事では、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』放送期間内に行われた、#BTRBandParody ハッシュタグが付けられたSNS投稿を分析した結果を公表するものです。
1月に投稿数推移、アルバム別投稿数とアーティスト別投稿数ランキングを公開した後1ヶ月も空けてしまったんで「今更遅くね?」状態な訳ですが、
やるなら徹底的にやって、やりきるが個人的なテーマなので、これからもダラダラと記事を上げていきます。

正直な所、アニメ放送が最終回を迎えたんで、これから投稿ゼロの日がどんどん出てきて、まとめる時間も増えていくだろうとタカをくくってました。実際、週毎の投稿数推移は 1/8 の週から右肩下がりになり、公開しているリスト(Google Sheets)の手入れをするぐらいの時間は確かに増えました。ただ予想外だったのが、投稿ゼロの日は 2/6 と 2/17 の2日だけ!

すみません完全に舐めてました。

二次創作や口コミ、音楽アーティストの視聴報告。あと、今これを書いてる途中で発表された『第9回 Anime Trending Awards 2022』アニメ・オブ・ザ・イヤー受賞など、様々なきっかけが重なって『ぼっち・ざ・ろっく!』は今もなお広がり続けているってことでしょう。

総投稿数 1,400 のうち、最終回を迎えた 12/24 24:00 以降の投稿は 334。嬉しい悲鳴をあげながらそれらをリスト登録する時間もあって、今まで追加投稿することができなかったという次第でした。以上、言い訳。

本題に戻って、今回は『海外で流行ってたとかいうけど、それ誇張してんじゃね?どうせ日本人の投稿が大半だろ?』みたいな疑問が出てきた時に、証明する数字を出せないか調べた結果を報告する回です。

■ 投稿者の比率(日本:世界)

まずは投稿者のうち、どのぐらい日本人が占めているのかを見ていきます。前提条件として、収集した投稿は以下のSNSから抽出しています。

  • Twitter

  • Facebook

  • Instagram

  • Pixiv

上記SNSでは国の入力が任意だったり、非公開にするのが可能だったりするんで、正確な所在国の把握は不可能な感じです(お金出せばできるかも)。なのでざっくりにはなりますが、投稿者が主に使用している言語で日本人っぽい人かそうでない人かを判別する方法で対応することにしました。その結果がこちら。

※2022/12/24 24:00 までの収集結果を元に作成

思った以上に圧倒的な結果でした。投稿者のうち 4/5 超が日本語以外を使っている、たぶん海外在住な方々になります。その気になればタイ語、インドネシア語、スペイン語など更に絞ることができると思いますが、さすがに時間が足りないので今回はやめておきます。
注意事項としては、複数のSNSを使っている投稿者を1でなく2以上でカウントしている可能性があります。ただ対策として、同一絵を複数アカウントで上げている分については、保存したパロディ絵と突き合わせるなどで重複登録がないようにはしています。逆にセンシティブな絵をA、それ以外の絵をBに投稿するみたいな使い方をされている分までは対策できていませんので、数字が変動する可能性は大です。

投稿者単位での集計だと、上記の変動の話の他、『投稿者の海外比率が多くても、熱心に投稿してるのが日本人だったりするんじゃねぇの?』という別の疑問があります。なので今度は全投稿のうち、日本人っぽい人が投稿した分の割合を集計してみました。

※2022/12/24 24:00 までの収集結果を元に作成

あまり変わってないですね。海外比率が 4/5 超から 4/5 ジャストになったぐらいの変動しかなかったです。
次に1人当たりの投稿数(投稿数/人数)を見てみると、日本が 1.8 に対し海外が 1.4 なので、日本は多く投稿する人の割合が多かったことになりますでしょうか。母数に差があるので断言はできないですが、けして冷めていた訳ではないと見ています。集計した絵師投稿数ランキング(※非公開)でも、1位が日本の方ですので。
結論としては、こんなところでしょうか。

  • 日本人絵師の 5 倍の人数の海外絵師が、『ぼっち・ざ・ろっく!』のアルバムパロディ絵を投稿した

  • 投稿数についても全体の 4/5 が海外絵師によるもの

  • 絵師の割合、投稿数の割合とも日本が 1/5 という結果になったが、そもそも日本:世界で母数が違いすぎるので、それを考えると悪い数字ではない。むしろ海外絵師を十分に惹きつけることができたことの証左である。

■ アーティストの主な活動国

今度はパロディされたアルバムのアーティスト達が、主にどこの国で活動しているのかを集計してみます。

パロディするのであれば、やっぱり地元愛というか、親しみのある言葉で歌うアーティストを、応援の意味を込めて選ぶ傾向があるんじゃないかなと。その前提が成り立つのであれば、絵師の活動圏もある程度見えてくると考えました。あと、単純に山田リョウがサウジアラビアのヒットチャートを聴くみたいな話があったんで、1枚でも投稿されてたりしないかなっていう興味からですね。

アーティストの主な活動国については、主に MusicBrainz という音楽のメタデータを収集、CC0ライセンスで公開しているサイトにて確認しました。そこで確認できなければ、Discogs というアルバムジャケットの確認によく使っているサイト。それでも確認できない場合は、Wikipedia とか音楽サイトの情報を漁って確認しています。

※2022/12/24 24:00 までの収集結果を元に作成

まずは横棒グラフで。縦軸が国、横軸がアーティスト数です。次に円グラフで占有率を見てみます。

※2022/12/24 24:00 までの収集結果を元に作成

上位4カ国で約 83 %という結果です。
アメリカ、イギリスは予想通り上位に入りました。そしてハッシュタグの発信源であるインドネシアが予想以上に多いですね。当時熱狂といっていい感じだったことがうかがえます。
日本も2位という位置につけていますが、面白いことに、これ日本人絵師だけの数字じゃないんです。

※2022/12/24 24:00 までの収集結果を元に作成

海外絵師の投稿に絞って再集計した結果が上のグラフになります。日本人アーティストのアルバムパロディ 190 件中 109 件と半数を超えています。
投稿を収集する時に、なんかちょくちょくYUIさんとか松原みきさんとか描いてる海外絵師いるなーとは思ってましたが、いやほんと、ここまでの数字になるとは予想していなかった!

※2022/12/24 24:00 までの収集結果を元に作成

これだけの日本人アーティストが海外に名前を知られているという事実。時間があったら、どういう繋がりがあって海外に知られているのか調べてみたいですね。アニメのテーマソングとか、あと初音ミクなどのVocaloidを動画サイトなどで見たってのもあるかも。いや、ホント邦楽舐めててスミマセンという感じです。

■ まとめ

長文になりましたが、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』は確かに世界で人気を得た作品だと証明することができました。というか、アニメ・オブ・ザ・イヤーの発表後に公開する形になって、すげぇ蛇足なことやってる気がするんですけど、日本人アーティストの知名度も知ることができたので、そういう意味では無駄じゃなかったかな。

今後も収集は続けていきますし、2期の話になったらまた活性化すると思うんで、それに向けて色々リストに情報を足したり整理したりしていきます。1人でもパロディをきっかけにアルバムを聴いたり、アーティストに興味持ったり、沼ったりしてくれれば嬉しいし、このリストがその手助けになれば幸いです。

ここまでお読み頂き、ありがとうございます。