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副鼻腔炎の手術 備忘録その1

副鼻腔炎の手術を受けることになった。

幼少期より鼻が詰まりやすい傾向があり、当時から医者にも「君は蓄膿症だね〜」と言われていたのだが、10代20代と生活に支障をきたすほどの鼻詰まりはなく、特段気にすることなくこれまで人生をいそいそと歩んできた。


んが!!

・・・あれは3年前の稲刈りの時だった。



あ、申し遅れましたが私、農業生産法人を営んでいる農家です。主にお米を作っております。



・・・そう、あれは3年前の稲刈りの時だった。

現代の稲刈り作業というのはコンバインと呼ばれる収穫機で稲をガーっと刈り取っていくのだが、とにかく粉塵が凄いのである。

稲を刈り取って籾を脱芒したら最後に稲を細かく切断して田んぼにばら撒くのだが、その際に稲の細かなチリがコンバインの後ろから放出され、空中にこれでもか〜これでもか〜と言うほど舞い上がる。風向きによってはこれが操縦席に向かってくる。

この粉塵を吸い込むのを嫌ってマスクをする農家も多いのだが、私ときたら「ふん、マスクなんてして稲刈りするのは素人だね。ホンモノの農家はこの粉塵さえも美味しく召し上がるもんさ。」とノーマスクで粉塵をたらふく吸い込みながら毎年稲刈りに励んでいた。
そうしてこれまでは何の問題もなかったのであるが・・・。

3年前の稲刈りの後より、突如なんか鼻が詰まるようになったと感じていたが、「あれあれ、粉塵を美味しく食べ過ぎて鼻が胃もたれしてるのカナ?」と意味不明な理由で取り敢えず様子見していたのだが、結果から言えばこの時から今日現在まで年間300日は鼻が詰まるようになった。

胃もたれどころか、死んでしまったのである。

耳鼻科に行って抗生剤をもらい数ヶ月ほど飲み続けると一時的には良くなるのだが、薬を止めるとまたはながつまる。

夜寝ていると両鼻が完全無欠なほどに詰まるので数時間ごとに起きて点鼻薬を指すこともしばしば。この点鼻薬も使い続けると鼻の粘膜がカピカピになり、さらに鼻が詰まるという悪循環を生む。

この3年間、薬を飲んだり点鼻薬差したり鼻うがいに勤しんだりとだましだましやってきたが、もう流石にQOL、クオリティーオブライス、つまりお米の質、いや違う、クオリティーオブライフ、つまり生活の質を著しく低下させているこの鼻野郎に愛想が尽きたわけで、今回手術に踏み切ることにした。


今回手術していただく耳鼻咽喉科では初診時に鼻のカメラとCTを撮影したのだが、これがやはり見事なまでに詰まっていた。

医者によると鼻の粘膜が腫れているせいで常人の鼻の半分ほどしか開通しておらず、CTの画像を確認したところ、鼻腔、つまり鼻の穴がそもそも真っ直ぐではなく歪んでいるのでさらに詰まりやすいとのことだった。これには医者も「根性も曲がっていますが、鼻腔も曲がってますね」と苦笑い。いや、言われてないわそんなこと。

というわけで鼻の穴は半分ほど閉ざされ、鼻腔は曲がり、すでに数ヶ月単位での抗生剤での治療の効果がなかったこともあってすんなりと手術することに決定したのであった。

続く。


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