副鼻腔炎の手術 備忘録その4
入院から3日目。手術の翌日である。
明日はもう朝には退院なので実質入院は今日一日のようなものである。
朝7時には医師の診察があった。
なんと鼻の中に詰められたガーゼを抜くようだ。
ピンセットで鼻の穴からガーゼが抜かれていく。
おお〜ズルズル、ズルズル、長い。
思っていたよりもずっと長いガーゼが鼻の中に詰められていた。ツチノコほどの長さがある。よくこんなものが入ったものだ。
メインのガーゼを取ったが、実際にはまだまだ鼻の中にはガーゼが入っているようで、それは今後こまめに鼻洗浄を行うことで勝手に出てくるのだそうだ。
部屋に帰るとさっそく鼻洗浄の開始。
入院前に買っておいたらハナノアで鼻の中を洗う。
実は私はこれまでの鼻詰まりの歴史の中で、様々な鼻洗浄を試している。
なのでハナノアの効果の無さも分かっている。
ハナノア程度の容器の水量と手押し程度の水圧では鼻の中は洗浄できない。
実際、ハナノアを使っても鼻血混じりの鼻水やガーゼを押し流すほどの力はなく、無意味に思える。
結局最強の鼻うがいは電動のやつである。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135512508/picture_pc_397c87dfe7381605df8bc78dcf9f4831.jpg?width=1200)
これは鼻洗浄専用器ではなく、元々は歯間を掃除するジェットウォッシャーである。
Amazonに売っているジェットウォッシャーによっては鼻洗浄用のノズルが付属しているので付け替えれば鼻洗浄もできるってわけ。
ちなみに生理食塩水は「サーレ」を溶かして作っている。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135513237/picture_pc_7630d81b2558c83aca3a58b338d81f6b.jpg?width=1200)
一度でもこの電動鼻洗浄器で鼻うがいをすれば、もうハナノアなんかには戻れなくなる。その水圧と水量で鼻腔という鼻腔を「イヤッホオオオ」と駆け巡り、鼻水と共に帰ってくる。
相棒の令和最新版の電動鼻洗浄器が手元にないので、仕方なく2時間おきにハナノアで鼻うがいをする。
鼻の入口にガーゼらしきものが見えるので思い切って鼻を噛むと鼻血混じりのガーゼが飛び出してきた。そうすると鼻が少し通った。
そう、少し鼻が通ったのだ。
手術後、コンクリートで固められたかの如く完璧に封鎖されていたこの我が鼻腔に文字通り風穴が空いたのである。
私は青函トンネルが初めて貫通した時のように飛び跳ねて喜んだ。向こう側の人たちとタッチしたりした。
そこで私はすぐに自販機に行くとアセロラドリンクを購入した。
手術後で体力を失っているためかやたらと甘いものが飲みたくなっていたが、飲むと溺れるので控えていたのである。
おもむろにアセロラドリンクの蓋を開け、ゆっくりと喉に流し込む。そしてゴクり。
するとほんの少しではあるが行き場のない圧力を逃すかのように空気が鼻の穴から滲み出てきた。
やった、飲める!
こうなるとご飯もなんとか食べることができるようになる。
頼りないハナノアによる鼻洗浄と鼻かみで、なんとか少しづつ日常に戻りつつあった。
続く。