あなたの商品いくらで売る?
キッチンカーで自分の思い入れの商品を売るとき、
必ず悩むのが価格設定。
いくらで売るのか。
僕はあなたの気持ちが分かる。
「高く設定すると売れないのではないか。」
という不安。
この不安は僕にだってある。
しかし
断言する。
薄利多売はダメ!
つまり、
「利益を薄くして(価格を安くして)、多くの人に売ろう」
という考えだ。これだけはやっちゃいけない。
という事で、この記事では、
「あなたの主力となる商品の戦略的な価格設定」
について説明していこうと思う。
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※サブメニューの戦略的な価格設定については
『キッチンカー開業の手引き』
の中でも解説しているので、見ていただきたい。
何事も始めるは易し。続けるは難し。
継続的に利益を出していくためにしっかりと経営的な戦略も学んでいこう。
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価格設定(プライシング)
1.価格競争は絶対にしてはいけない
冒頭でも言ったように、
多くの人が
「売れるなら他のお店より安くすればいいんでないか?」
と考える。
ダメと言ったらダメだ。
価格競争は絶対にダメ。
【理由①】
売価を安く設定することによって利益が薄くなるからだ。
するとどうなるか、
たくさん売らなくてはいけない。
忙しいのに利益が小さいのだ。もうだれも幸せにならない。
僕はニュージーランドの外食企業で経営の仕事をしていた。
そこでの僕の経験を話そう。
オークランドというニュージーランドで最大の経済都市に
その大人気ラーメン屋はあった。
おそらくオークランドのラーメン屋では一番の人気を誇っている。
いつも店前は行列だ。
だれがどう見ても繁盛店だ。
実際に僕もこの会社に入る前にもこのラーメン屋を知っていたし、よく利用もした。安くて旨い。
ラーメンの価格が10ドルだ。
丼ものも10ドル程度で買える。
当時のニュージーランドの最低時給は17ドルくらい。
日本の最低時給から考えると、
現在(2020,8)の最低時給は900円としよう。
その場合、
おおよそ、ラーメンと丼ものは522円
いかに安いかが分かるだろう。
他のお店は大体16ドルくらいでランチは食べられる。
味も価格も最高のパフォーマンスだ(お客様目線で)
お客様は超ハッピーだ。
ここで登場するのが僕が勤めていた会社だ。
このラーメン屋を買収し、経営を見直して、多店舗化させようというのが、僕の仕事だった。
そして、そのラーメン屋の損益計算書(PL)を見て驚いた。
細かな数字は覚えていないが、以下のようになっていた。
Food cost (食材費):約40%
Labor cost(人件費):約35%
あなたもお分かりだろう。
これらをFLコストと言ったりするが、実に75%だ。
(よく理想と言われるのがFLコスト60%)
この時点で25%の利益しかない。
ここから、家賃、光熱費、など販売管理費を払っていく必要がある。
最終的に残るお店の利益は、ほんの数%だ。
こんな商売をあなたはしたいだろうか。
これだけではない。
もっと深刻な状況がある。
それは、
働いているスタッフの不平・不満
始めて、働いているスタッフと接した時、
ほとんどのスタッフが不平不満をいい、毎日疲弊していた。
そんなスタッフがお客様を喜ばせるような接客ができるだろうか。
できるわけがない。営業中は常に忙しい。現場マネージャーの命令口調の指示が飛び交い、アルバイトの子は注文を取り、料理を運び、片付けるのみ。
営業が終わると、みんな疲弊し帰る。そしてまた次の日同じことを続ける。
営業でいっぱいいっぱいのスタッフは清掃に割く時間もなかった。厨房はギトギト。トイレも、汚い。
という具合だった。
価格を安く設定するということはこういう事だ。
お客様はハッピーかもしれない。
しかし、お店やスタッフは最悪だ。
だから、まずはお店が、スタッフが、
ハッピーになる価格を設定しようと僕は言いたいのだ。
ここまでの話をまとめるとこうだ。
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売価を安くする
↓
食材費(原価率)が高くなるので、
たくさん売らなくてはならない
↓
そのためにはスタッフが必要になる。
人件費が高くなる。
↓
忙しいのでスタッフの不満が溜まる。
しかし、すでに人件費が膨らんでいるので、人員を増やしたくない
さらに、スタッフの不満が溜まる
↓
みんなが一生懸命働いているのに、利益が小さい。
――――――――――――――
あぁこんな商売はやりたくない。
と僕は思う。
あなたはどうだろうか。
【理由②】
お店側が価格競争をすると、
お客様も「価格」でしか商品を比べなくるからだ。
そもそもコンビニなどの大手企業に価格競争を挑んでも100%負ける。
安さでも勝てなければ、味でも勝てない。
現在は不味いモノはない。全てが旨い。
あなたの商品がびっくりするくらい美味しいモノであれば話は別だが。
「コンビニで買えるからいいや」
「アマゾンで買った方が安いだろう」
という具合に。。。
ほとんどの居酒屋が飲み放題の価格競争をする中、
単品のドリンクメニューしかない居酒屋だって、
平日から満席なお店もあるのだ。
つまり
価格以外で勝負していく工夫がたくさんあるのだ。
そこの工夫をしよう。
ここまで読み進めてくれているあなたは賢明な方だ。
はっきり言おう、
売れないからといって、安くするやつはバカのやることだ。
2.商品設計の順序
ではなぜ多くの人が価格競争を挑んでしまうのか。
それは
【商品設計→価格】
という順で決めようとしているからだ。
そうすると商品がすでに完成しているので、
商品にユニークさを持たせるような工夫がしにくくなる。
売価を安く設定する以外の選択肢がなくなってしまう。
商品設計を完成させるということは
食材の原価だけでなく、包材(パッケージ)などの消耗品やショップカードなどの販促品など、その商品にかかる経費も決まってしまうということでもある。そうなると、工夫する余地がなくなってしまい、思考停止する。
そして【安くする】以外の選択肢がなくなる。
そして、僕たちは一度完成させたものを壊すことは心理的にキツイ。
じゃあ、どうするのか。その順序を変えるのだ。
【価格を決める→商品設計】
まず自分たちがハッピーな価格を決める。
利益が大きくなるように
その価格に追いつくように商品に工仕上げていく。
工夫せざる負えない状況にするすると、
invent on the wayと言って、
先に目標を決めて、その道に乗っかると潜在意識的に達成するように勝手に脳が方法を見つけていく。多少不安もあるが、ちゃんと解決策をみつけていくようになるのだ。
アソンブロッソの場合は
フライドポテトを500円で販売している。
それにソースがかかると+150円だ。
実に高い。高すぎる
※ここで原価の話は避けるが、相当低い(笑)
もし僕がお客の立場だったら、絶対に買わないだろう。
だってマックなら150円だ、コンビニなら、100円?とかで買える。
それでいい。
となるわけだ。
そこで、お客様には【価格】に目がいかないような工夫を持たせるようにするのだ。それがユニークさだ。そして市場より高い値段で売るのだ。
もう一つ例を出そう。
僕は濃厚で本当に旨いアイスココアを300円で売っていた。
ただコップに氷を入れて、ココアを注いだだけのものだ。
あなたはもうわかるだろう誰も買わない。
だってコンビニで100円の紙パックのココアを買うことができるからだ。
お客様の購入するか否かの判断は「美味しさ」ではない。
だって美味しいかどうかはその商品を口にするまで分からないから。
じゃあここで僕はどうしたかというとこうした。
ちょっと盛り付けを工夫し、高く売ったのだ。
そうすると、ただのアイスココアより売れるのだ。
3.ユニークさを持たせるには。
価格以外で勝負するにはその商品にユニークさを持たせる以外ない。
「ユニークさ」とはつまりブランディングだ。
これについては他の記事で説明しているので、参照していただきたい。
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詳しいブランディングについてはこちら↓↓
グランディング戦略もプライシング戦略をセットで考えよう。
ためになったという方は是非SNS等でシェアしていただければと思います。
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