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【info】 新作「knot freq.」「moon quantize. sound extension:001」の展開図

12/22に最新作
Asohgi「knot freq.
Asohgi「moon quantize. sound extension:001
をbandcampでリリースして一週間ほどになりました。また先日12/30に、baseのWebショップ「anecdote on base」を立ち上げました。そちらでは「knot freq.」など今年リリースしたタイトルを展開しています。

というところで、「展開図」と銘打って作品解説をしてみようと思います。特に「knot freq.」の内容が長くなりますが、ぜひご一読ください!

同時リリースと「mq001」の流れ

まず今月出した「khoreia 3」の発表前後には「moon quantize. sound extension:001」(以下「mq001」)をまとめる段取りを始めました。元々moonquantizeのSoundCloudで上げてた曲群をbandcampに移す構想は持っていたので、ようやく取り組んだかたちです。
ところが、曲の作業自体はSoundCloud→bandcampへのトレースなので全然問題ないものの、ジャケットとアルバムタイトルの落としどころに時間が掛かってしまって一時保留にしていました。

その間、別作業で過去曲などファイル整理をしていた時に「knot freq.」を始め数タイトルのパッケージが一気に見える状況になりました(このあたりは日記「201213-1216 『5年のパズル』」でも少し触れています)。
そして「knot freq.」というタイトルとジャケット案が浮かび、今年中に完成させたいと一気に仕上げて行きました。

その後、「mq001」のジャケを完成させ、12/22同時リリースに至っています。

「knot freq.」に向かう その1

「knot freq.」は、元々は5年ほど前にリリースするつもりだった「knot ep」という作品が原型となります。

ちなみにAsohgi名義の作品には「alchemy ep」(2008)からタイトルの頭文字を概ねアルファベットで連ねていくEPシリーズがあります。リリース順に紹介すると、
alchemy ep」「baroque ep」「crater ep」「doris ep」「elephant ep」「funnel ep」「gleam ep」「hymn ep」「interjection ep
という流れです(厳密には「alchemy ep phase2」というスピンオフ的な作品も含みます)。「knot ep」はこの連作を構想していました。

アルファベット順自体は言葉遊びっぽい思いつきで、年1〜2作のペースでA to Zまで作ろうと思っていたのですが、Asohgiの活動テンションの落ち込みと「knot ep」の選曲と構想がまとまり切らないのとあって凍結。その後イレギュラー的な作品リリースが続きます(ちなみにAsohgiとしての活動は、2017年頃には一度区切りを付けようとも考えていました)。

なお、「the salvaged day」「fuchi」「day exp.」は「knot ep」構想時に既に収録候補となっています。

「knot freq.」に向かう その2

凍結した「knot ep」の収録候補の3曲は何らかのかたちでアウトプットしたいと思うも、自分の作品や活動への考え方も変わり(この成果はJunpei Onodera名義のkhoreiaシリーズに顕著)、ますますどうしようかと薄っすら気持ちに引っ掛けつつ月日が経っていたところ、今年ちょっとタイミングと時間が取れる状態になったのを良いことに思いついたアイデアと他に保留にしてたアイデアを立て続けにかたちにしていきました。

それらをひとしきり終えた後、過去曲やiPhone/iPadで作っていたスケッチをまとめて整理をしてた時に「knot ep」の収録候補3曲と凍結以降に作ってた曲を何気なく聴いてみたらふと流れのようなものが見え、選曲と曲順を組み立ててみたら一気に嵌り、5年前に思い描いたものがそれ以上になって見えました。

その時点でEPという名を冠するには相応しくない曲数になったので、ここで前向きにEPシリーズの縛りを解体してアルバム扱いに変え、マスタリングを一気に仕上げます。

「knot freq.」に向かう その3

タイトルのknotは結び、freq.は周波数の略称です。「knot ep」を変容させる時、悩まずに浮かんだ単語frequencyを組み合わせて「knot frequency」、字面的に長いので「knot freq.」としました。

この「knot ep」→「knot freq.」への変容は、結び直し(Re:knot)という再定義/再構築のような意味も含んでいます。freq.はここしばらく自分にとって重要なワードであり、良い波長が良いかたちで合った、というような感覚もあって、良いタイトルを付けられたという自負があります。

ジャケットデザインは「knot ep」構想時のデザインを作ろうとするもしっくりこず練り直していたとある瞬間に、盟友の紅日毬子からもらっていたアイロンビーズのアクセサリーをジャケットにするアイデアを思い立ち、良いパターンの写真を撮って少しコラージュを重ねて試作。毬子のOKをもらって一気に完成。

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長きに渡って度々ライヴや作品で共演している毬子のエッセンスを入れる事ができた嬉しさと、非常にしっくり来たデザインをもって「knot freq.」は完成しました。

「knot freq.」から始まる

こうして「knot freq.」は5年のパズルの解答として完成しました。過去曲に現在の自分のムードを見たり、最近の曲に未知の感覚を覚えたりしつつ、非常にいろんな音がぐにゃぐにゃと入り乱れた作品になりました。

「knot freq.」が果たして音楽的なのか何なのかわからないかも知れないけど、それはいつもの自分の態度でもありますが、聴く方にまるっと委ねたいと思います。
それはそれとして、自分自身としてはまだ解釈しきれてないやけにしっくり来る感覚と、ものすごい手応えと着地点と出発点を得ています。なので、今までの作品以上に大事に展開していこうと思ってます。
(…と言いながら現在Asohgi名義で数タイトル準備していますが)

締めとか結び(knot)とか

というわけで「knot freq.」「mq001」の展開図(という名の備忘録)でした。特に「knot freq.」の手応えは格別だったりしますので、ぜひお聴きください!そしてぜひお買い求めください。

また、今年は本当にたくさん作品を出しましたので、それらもぜひお聴きいただければと思ってます!

思った以上に長くなりました。ここまで読んでくださりありがとうございます。


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Junpei Onodera / Asohgi
電子音楽や諸々を創作しつつ、反射された記録(活動、思考、日記など)を概ねランダムに残しています。もし何かの拍子に気に入っていただけたら幸いです。