コロナウィルスは空気感染するという説
2021年4月15日付の医学ジャーナル『ランセット』誌で、コロナウィルスが空気感染する10の科学的根拠を示すコメントが発表されています。
概要は以下の通りです。
1.介護施設、コンサート等室内イベント、クルーズ船等で起きてきたクラスター感染は、病源者から比較的離れた距離の人にもウィルスを広めてきた。
2.隔離用ホテル等で、直接接することのなかった人にも感染が広まった。
3.咳込むなどの症状のない感染者からもウィルスが広まった形跡がある。
4.感染は屋外よりも屋内で起きることが多く、室内換気を徹底すれば感染リスクは低くなる。
5.感染予防を徹底してきた医療機関でも、院内感染が報告されている。
6.ウィルスは1.1時間の半減期で、空気中では最大3時間まで感染性を保つとの研究結果がある。
7.空気清浄フィルターや空気ダクトに付着したウィルスが確認されている。
8.空気ダクトでつながった異なる檻に入れられた動物間で感染が起きている。
9.空気感染を否定する有力な証拠がない。
10.飛沫感染等を証明する証拠が限られている。
エアロゾル感染と長く認識されてきたコロナウィルスですが、それは事実上の空気感染だったといえそうです。これまで進めてきた感染予防対策が急に変わるものではないと推測される一方で、より感染力の強い変異型ウィルスの蔓延を考慮すれば、これまで以上に対策を徹底することが大切です。具体的には、防御性の高いマスクの着用、適切な換気、密を避けることの徹底、そして室内にいる時間を必要最小限にすることなどが、これにあたります。
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