『万里白明』から一部を抜粋として

おもむろにあなたは(かれは)わたしの唇の先をその小さな指で触った   | mmfjtoのブログ  ~なぜなら ぼくは、どうしようもないくらい汚れ腐ってますから~ (ameblo.jp)


2024-09-07 09:21:41

おもむろにあなたは(かれは)わたしの唇の先をその小さな指で触った  

テーマ:ブログ



@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@





チヨコレイト色の車は走る




@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@






おもむろにあなたは(かれは)わたしの唇の先をその小さな指で触った  



竹林の丘

風流の見える岡庭


夏の盛りに

蝉時雨は盛大



北の山の御池は

水遊びには得意としてある


つよいものになりたいと

心中で意が

生まれて来た

いきさつは

一体

何だろうか



悲しみを鎮めているその眼

両方のまなこ



いとうしみ

いつくしみ


愛する子


とは


一体

誰の事を言白のか



祈る者もある


その背面で



その小さな心臓は

鼓動を維持するために

言を白く






キリストとは

一体

何をする者ぞ


いわんとほっする


小さな

訴えを

その

耳は

聴く

だろうか



母は


その何ものも混じる事の無い

穢れの無い

汚れ無い

そのパテナのような

生きている心で


受け止める

その小さな丸い

河原の石ころの砕けたような

そのダイヤモンドのような

くぐもり




原石のそれを

ひろい

すくい

あげるだろうか



いとおしい

とは

したしみを

構築するとき


狐も孤独だろう


小さな星の王子さま


あなたは


信頼を

構築する事を


その方法を

やさしく

野ばらに

つたえてくれた



ありがとう




という時


実に

有難い

くすしきこと


その事を

よろこばず

何をよろこぶ

というのでしょうか



知らない



理解するとか


言語でそのまま証明し

説明する事では無いと

知る事だった







あなたと

あなた

それはわたしだったという

そのへりくつのような

いいまわしでは


やはり


すまうことは

できないのです



あてら

こてら



右の手と

左の手と

どうして


山は悠大な存在として

男神のようにあって

ナダラカナ

その姿は

女神のようであって

川は流れる


いくつもの枝葉のような支流は


水を清くす


水の湧きだす瀬




磐の隙間から浪々と湧き出すみす



天球は

こうこうとひかり

日を火火やかし

やける肌も

汗の湧く


すすしき

そよふく

かせの

ほほを

なてる





夏の盛りの

晩気を

迎えて


大空の玄を

みると


いつまでも

変わらないその星は

変光星


とおくの街の

色あさやかな

光の園は


人々のるつぼのように

いまもあって



鉄道の線路が何本も敷かれていて


かつては

湖とあったその向こう岸


遙かなる

八重の郷山は


いつも

あって


吾子らの笑顔に

輝く






あなたの心を

うけとめよう





さようなら

またね






さすらいのはてに

あなたはいるから







萬田弱士(よろつたのよわし)著作

『万里白明』から一部を抜粋として


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?